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2006年3月17日 (金)

野性の覚醒

 人間の機能の健全性を確保するには、何が最も有効なのであろうか?
 これをテーマに考えると、ダイエットというのは、大きなテーマの一つにしか過ぎない。そして、人間の機能の健全性とは、人という種に本来備わっている機能を運用することでは無いだろうか?生物とは、全ての種類において、誕生から成長を経て老衰の後に死滅するという過程を辿っており、そのライフサイクルにおいては、身体は確実に変化を遂げている。このような大原則において昨今、巷で溢れるダイエット法について考えてみた。

 ダイエットには、サプリメントを併用した方法、摂取エネルギーを絞る方法、消費エネルギーを増やす方法等々様々な手法が見受けられる。そして数多くのブログ、サイトで言われているように、過度な食事制限による摂取エネルギーのカットはダイエットではなくやつれであるというのは、その通りだと思う。しかし、サプリメントを効果的に併用・・・・というのは、有る特定の物質については、厚生労働省等公的機関により上限値が与えられているのも少なくないが、多くは肯定的、好意的に紹介されているものが多い。

 先の記事にも書いたが、特定のアミノ酸等の物質を純度の高い状態で外部から摂取するという行為というのは、本当に危険性が無いのであろうか?目的物質の体内生産量が加齢と共に減少するというのは、本当に身体の衰えによるものなのだろうか?というのが純粋な疑問である。本質的に生物の進化の過程で辿り着いた生命体及び、その機能というのは、進化の過程における取捨選択によって形作られたものと考えれば、加齢とともに生産量が減るというのは、そういう機能というのが生命体にとって都合の良い機能のように考えてしまう。
 或いは、特定の物質を生成するという機能は、何らかの生体反応の結果であり、生命体で行われている化学反応というのは複雑な反応系の平衡状態によって決められている筈であり、その中で特定物質の身体中濃度を上げる強制摂取という行為は、生体反応における平衡性を崩してしまう危険性は無いのだろうか?特に平衡性を失わせた状態を長期間続けたとすれば、目的物質を外部からの強制摂取するという行為自体を身体機能が通常状態と見なせば、強制摂取を永遠に続けなければ、本来の体内物質の平衡組成を維持出来なくならないのであろうか?

 仮に生命体の持つ本質的、共通な欠陥というものが存在するとすれば、それを医療技術、薬剤によって修正するという考えも判らないではない。しかし、そのような意図的な行為を施さなくとも健康状態が維持できている個体(人)は数多く存在するのは事実であり、そして彼らの生命機能の本質的な部分は、全ての人に備わっているものと考えてしまう。

 人という種族は、遠い昔、直立歩行を行い、狩猟、農耕といった方法による雑食で栄養分を摂取するのに都合が良いように進化してきたと思う。そして、狩猟、農耕をこなすために、必要な運動機能が備わった生命体だと思う。逆に言えば、本来備わった機能を活用することによって、身体のバランス、健康状態を維持することが出来るのでは無いだろうか?
 文明の進歩により、生活様式が大きく代わった現代においては、本来の機能を発揮しなければ生きていけないという場面というのは大きく減少している。そして、これらの機能を使わない頻度が高い程、体調維持が困難になっているのだろう。これは、もしかしたら種族淘汰の自然の法則なのかもしれない。人という種が、本来の機能を喪失したものを淘汰するという原理的な摂理のようにも思えてしまう。極論すれば、文明生活により変革した行動様式と医療技術の発達により増加する人口を間引くかの如く、最近でのメタボリックシンドロームによる死亡数の増加が現れているようにさえ思える。地球というシステムにおける平衡を維持させるために、そのような症状や、他の疾病というものが発生しているのでは無いだろうか?終末的に考えれば、系を保つために生体摂理とは異なる個体行動というのは、系から排除されるのでは?とも思える。科学、文明の発達は、自然界の歴史の長さに比較すれば微々たるものであり、解明されていない現象は幾らでもあるように思える。

 自分の考えとしては、体調を維持するためには本質的な機能に磨きを掛けること。つまり、太古の狩猟、農耕で必要とされた筋力、持久力を維持することが、生物としての機能を回復し生命体の自己防衛本能を高めることに最も効果的だと思う。

 案外、脂肪燃焼が加齢と共に失われるという特質は、人という生き物が成人し、次世代(子供)を育てる(野性的に言えば狩り、農作業を教える)のに、より多くの行動が求められるためにエネルギー保持能力を高めた結果じゃないか?とも思える。つまり、成人以降においては育児等にエネルギーを多く必要とするという掟の結果であり、これは世代を繋ぐ種の継続性のために与えられた特性ではないか?とも考えてしまう。そうであるならば、成長と共に変化する身体機能というのは、種族を繋ぐ定めであり、その機能に与えられた使命を全うするのが個体維持に最も効果的だと思う。

 そして、知能を有する人間では、経験によって得た感情を駆使し、加齢と共に食事を楽しむという特性を利用して、カロリー摂取とともに感情の平穏化が可能となり、必要エネルギーの低下を可能たらしめているように思う。つまり、感情があるがために、食事という行為で、エネルギーの摂取は勿論だが、小エネルギーでも満足できる知覚と、身体を維持できる機能というのが備わっているのだろう。そのように考えると、食という行為は、楽しむ行為であるべきであり、食生活というものも大切にしなければならないと思う。

 このような事を考えると、身体に眠る野性を覚醒し、機能をフルに活用するということが生命体にとって生命維持に最も効果的だと思う。特にデスクワークに従事する自分の場合は、ダイエット、ボディービルドを行うには、十分な食事と、有酸素運動、無酸素運動を継続的に行うことが必須だと思う。

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