自転車の能力<乗り手の能力
昨日のサイクリングでは、ブロックタイヤを履いたMTBに乗る人の体力に舌を巻いた訳だが、出社して会社の自転車好きの人の不満そうな顔が印象的であった。彼も偶然、週末にサイクリングをしたそうだが、憧れのドロップバー+STIのシクロにスリックタイヤを履いた新車を駆ってのサイクリングで思うような走りが出来なかったそうだ。
事実、結果を聞くと微妙な走りしか出来ていない様子。パーツやタイプに拘りを持ち速度?を追求するタイプだが、どうもイメージ通りに無いのが欲求不満の種のようだ。
一方で、昨日の人は完全にオフ仕様で、結構イイペースで走る。
これって、自転車の速さ?ってのには自転車自体は何でも良いんでは?という気を起こさせる事件だ。
自転車趣味の世界では、フルサイズ、小径、サスの有無、アルミ、カーボン、クロモリへの拘りからパーツグレード、ブランドへの拘りを強く持つ人も多いが、あんまり差は無いんでは?と思うのが正直な所。
どんな組み合わせでどのようなタイプに乗ろうとも、そのモノを十分に使いこなせる域に達する個人ってのは多くないように思う。
それと自転車による身体機能の強化という部分では、体重を脚に掛けず連続的に動かす運動故に血行がよくなるのは判るが、自転車に乗って自身の筋力アップを行うというのは難しい気がする。心肺機能強化という面にしても連続的な有酸素運動状態ってのは街中を走っている限りは難しいように思う。昨日見掛けたサイクリスト(ロード乗りを含む)からの印象は、それ程シェイプされた肉体の持ち主は多くなかったようにも見えるし、どちらかというと風景を楽しむ、余暇を楽しむというスタンスの方が多いようにも見える。
自転車を使う競技と同じ方向性で機能を高めるには、道具を扱うスキルは勿論だが、道具に連続的な負荷を掛けれる心肺機能と、動力を生む筋力が必須であり、これらを自転車趣味だけで手に入れるのは困難なのかな?という印象を強くした。
思い起こせば、体育会系の自転車部において自転車好きというだけでは、自転車に乗っての巧さ、速さを発揮できた人が居なかったことも、ふと思い出した。
動力性能に拘る人も居るが、道具の種別以上に、動力を生んで持続できるエンジンの強化、即ち心肺機能の強化、筋力アップがなければあり得ないだろう。
自身の経験でも、昔は馬鹿にしていた小径車が予想以上に良く走り、世間でいうフルサイズ絶対論自体も微妙な感じを受ける。まぁ、自分自身が今再び本格的なロードに乗って差を感じるか否か?を見てみないと判らないが、少なくとも、今乗っている小径車で発揮できる動力性能と20年前にロードで感じた動力性能に大きな差異は感じないというのが正直なところだ。自分自身の身体能力自体は確実に当時よりは衰えているのは間違い無い筈故に、逆に小径車の方が勝っているのか?なんて気もする今日この頃。これは結局、自身の能力は小径車、フルサイズの能力を上回っていない事であり、自転車の差云々を語るレベルに無い事の証明でもある。道具、車種を論ずるならば、それの能力が発揮できるレベルの筋力、持久力が無いとダメなのかも知れない。必要なのは、道具ではなく、道具を扱うスキルとパワーである。
自転車でダイエットという言葉を良く聞くが、余肉(過剰な脂肪)が減ることはあっても、見違える程の筋力、持久力を日常の自転車生活のみで手に入れるのは難しそう。
自転車の動力性能を手に入れるなら、必要な要素を効果的に獲得するトレーニングが必須だと思う。
しかし、加齢を重ねてからの身体機能の強化は困難を極めるだろう。成長期において運動に親しんだ人程、成長に併せて筋力、持久力が発達している筈だから、中高年でのサイクリング生活にしても、その人の歴史の中で必要な機能が高いレベル迄発達していた人程、現在における衰えを考慮しても絶対値自体は文化系の人のそれを上回っているだろうから、ずっと文化系、屋内系で中高年になってから急に自転車趣味に嵌り動力性能に憧れを持っても、理想を手に入れるには困難を極めるのでは無いだろうか?
そう思うと、NHKの趣味悠々ではないが、中高年のやさしいサイクリングというノリで、競うでなく、もっと大らかな気持ちで自転車に接して欲しいものだ。
こんな事を言うのは、動力性能マンセーな人が期待を込めて入手した愛車に幻滅している様を見ると、自転車というモノが不憫に見えてならないし、自転車が可哀想だからだ。
モノに魂が宿っている事はあり得ないが、、、、そう思えてしまう。自身、単車や自転車には強い愛情を持って接しているし、そのモノが自分に与えてくれる世界には、乗る度に感動を覚えるが、そういう繋がりを趣味のモノに対して持つ方が幸せな気がする。
まぁ、自分にとっての自転車ってのは趣味悠々的まったり感も好きだが、やはり経歴上動力性能を求める側面もある。今は持ち合わせていない55km/hからのキレのある加速で+5km/hを得られるパワーを身に付けたいところだ。現時点の限界到達点である55km/hからの+5km/h分のパワーが欲しい。勿論、競技者で無いのだから、素人の自分の納得できる範囲での話だ。取り敢えず目標は、
『身近に居る40代デビューの中高年サイクリストで最強クラス?!』
ってとこかな?
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コメント
こんばんは!コメント有り難う御座います。50km/hを1km持続っていうのは1000mのTTみたいですし、30km/hを100kmっていうのはマラソンみたいなものですね。どっちも難儀です。
100kmを30km/hで走るっていうのは、相当に難しいですね。経験上、一般道を普通に走ると停止頻度は結構多いんで25km/hってところになりそうです。
因みに、自分は100km走る時ってのは、食い倒れサイクリングのような時くらいですから、そんなときは距離÷時間では20km/hにも満たない事が多かったりします。
ピストバイクの定義を固定シングルと定義したとすると、ピストバイクが危ないということは無いと思いますよ。勿論、公道利用前提ですから前後ブレーキはデフォルトって前提ですが、、、。
投稿: 壱源 | 2008年7月16日 (水) 01時31分
ぼくは瞬間最高速より、長時間一定速度を持続できるほうがいいですねえ。50km/hで走っても1kmも持続できなければね。それよか30km/hで100km持続できるほうがいいと思いますよ。
いまピストレーサーがはやっているみたいで、街でよくみます。ぼくとは逆の嗜好の人が多いのかもしれないけどね。(街でピスト乗って危なくないのかな?)
投稿: gkrsnama | 2008年7月16日 (水) 00時59分
今日は家族の所用で午後から帰宅した。帰宅後、所用を済ませ夕刻に時間が取れたのでマイヨWCのBBの変更を行った。
変更はショップにて行ったが、カンパのBB抜きが無かったので、古いシマノのフリー外しを加工しても良いとの了解を得て、工具を製作して作業を行ったのだが、その際にショップのお兄さんと先日のサイクリングの話をした。
小径車も速いが、やっぱり同一人物が乗り較べないと正確に小径が速いか?フルサイズ絶対か?は判らないなぁとの話も出た。
フルサイズと言えば本来はロードである。事実、現有の小径車は西DAHONでもマイヨWCでもロード系なので、そうなのだが、フルサイズロードで拘るよりもピストロードの方がどうしても欲しい。
本当を言えば、ロードとピストを調達するのが理想かもしれないが、、、。ただ、目的のキレのある加速からトップスピードに以降する時に使うギアは殆ど決まっているので、限られた条件での話ならやっぱりピストが良いように思う。ピストでツーリングというパターンは基本的には行わないので、初心を貫徹しよう!と決心したところ。
投稿: 壱源 | 2006年10月31日 (火) 22時46分