2ヶ月で-18kgのサプリ?
午前中に所用で移動中のラジオCMである。二ヶ月で-18kgを実現するサプリメントがあるそうだ。説明によると、油が鍵で、この油には二種類あるそうだ。一つがオメガ6、もう一つがオメガ3というもので、前者が油が取れにくい脂肪として蓄積するもので、後者が脂肪を溶かす作用があるとの説明である。それで、このオメガ3を濃縮したサプリを服用すること、例えば1日3錠飲むと、ジョギングを8kmしたと同じ効果で脂肪が無くなるのがダイエットに効くそうだ。
さて、商品説明とは異なるが、因みにオメガ何々というのは、不飽和脂肪酸の一種で体内生産されないために、食事によって摂取が必要な不可欠脂肪酸である。n-6系脂肪酸は陸生動物の肉に多く含まれ、n-3系脂肪酸は海産魚に含まれるもので、前者をオメガ6、後者をオメガ3と呼んでいる。
そして、これらは共に必須な脂肪酸であり、これらの欠乏が身体の不調の誘因となるんだが、重要なのは、この脂肪酸の摂取バランスにある。一方の過剰摂取というのは、バランスを崩すことを意味しているのである。因みに、n-6系:n-3系のバランスは5:1~10:1程度とされており、オメガ3を過剰に摂取すると、逆にオメガ6が不足する。
オメガ6は過剰に摂取しすぎると、体内でアラキドン酸に変化し、炎症をおこす物質になるため、皮膚炎症やアレルギーの原因になったり、ガンや動脈硬化心臓病の原因因子にもなることがあるそうだ。その反面オメガリノレン酸にも変化し、これは近年アトピーの治療に利くらしい。
オメガ3は悪玉コレステロールを分解し、血液をサラサラにする効果や、脳を活性化するDHA・EPAなどもこれに含まれる。EPA・DHAは脳や神経 系統、また目の健康に欠かせず、オメガ3には動脈硬化予防、コレステロール低下、高血圧、脳卒中、心臓病予防、記憶力や脳の健康維持、憂うつ、イライラ改善、疲労回復、関節痛、抗炎症、抗アレルギー、花粉症、免疫強化、ガン予防などの様々な効果がある。
何れにせよ、両方のバランスが重要である。生体、機械等のメカニズム、システムにはいかなる場合にも、ベクトルの異なる因子が存在する。交感神経、副交感神経にしても然りである。これは、バランスを律するに不可欠な形態であり、全てはバランスが重要である。盲目的な摂取によるバランス破壊の方がリスクを大きいということは覚えておくべきだ。
仮に、過剰摂取により脂肪が分解しやすいといっても、脂肪の分解できる環境を摂理に基づかない形で手に入れると、本来の生体内の調整機能も失われていくのでは?というのが個人的な感想である。それにしても、サプリのCM等では、きらびやかな効果ばかりで消費者の心を掴もうとしているようだ。そのリスク等は、総じて添付説明資料に小さく分かりにくく書いてあるだけって事が多い。こんなんで、良いのだろうか?そこまで、注意を払って行動するって人は、凄く少ないような気がする。
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