自転車は車両か?歩行者か?
自転車歩道通行許可法案についての意見は様々あるようだ。
ネットでこのネタを扱うサイトは殆どが自転車趣味の人のサイト。そして、自転車趣味を持つ人の殆どは趣味系自転車に乗ってるが、99%が法案には反対の姿勢を示している。法案の草案(試案、提言)へのパブリックコメントも受付中のようで、この法案に関心(反対意見)のある人が中心となりパブコメの提出もされている様子。
法案反対派の意見として多いのは、
・歩行者対自転車の事故が多発しているのに、自転車の歩道通行許可は矛盾してる。
・自転車は本来、車両である。
・自転車の歩道通行可という現状は、元来は暫定処置である。
・先進各国では自転車は車道の乗り物である。
反対意見も尤もである。しかし、世間一般で言う自転車の殆どは、実用車、幼児車であり、これらの扱いやユーザーの意識の殆どが自転車=準歩行者という事実。
法案推進派の意見?は
・自転車のユーザー像から現状を追認した法案に改める。
・自転車通行に見合った車道整備は困難。
・車道は自動車のもの?である。
といったところか?
自転車と一言で表すと、車道と歩道の一方に決めるというのは非常に難しい。傘の固定具を装備したママチャリ、子供乗せを装備したママチャリ、幼児車、高齢者が使用する自転車等を見ると明らかに自転車は準歩行者だし、スポーツサイクルでフル装備で走っている自転車は車両だし、、、。
但し、自転車という一括りで纏めるんなら、大多数を占める準歩行者としての扱いを徹底するのが正論というのも理解できる。そして、既に国会の議場に上る段階では、恐らくは止めようが無いのも、、、、。この前提で話題の元が、今の試案における「自転車が車道を通行することが特に危険な場合は、当該道路の自転車通行を禁止することなどの措置を講ずること」の文言における『特に危険な場合』で、分離された歩道の在る車道が全て危険と指定されれば車道通行禁止となる流れが読めるのも確かである。
こういう現状では、自転車が心地よい乗り物として使える環境に、どのように導いていくか?が大事なようにも思う。
自転車が歩道を走るにしても、対歩行者との事故が削減されるようなビジョンが必要だし、自転車が車道を走るにしても、交通社会の一員として円滑な交通環境が維持できるような取り組み(法整備、保険制度整備、インフラ整備)が必要だ。
仮に車道通行禁止という流れであるならば、やはり自転車対歩行者の事故が減少するような歩道の拡幅、歩道内自転車通行帯の確保、マナー向上への取り組みが必須だし、車道通行前提という形を保つならば、試案でいう『危険な場合』を取り除くような、車両扱いとなる自転車の明示的区別、或いはヘルメット着用義務等の使用者義務と使用者責任の明示が必要だろう。
一番良いのは、自転車が車道か?歩道か?を画一的に定めるでなく、ユーザーによって区別する事かとも思う。但し、普及台数が膨大であり識別表で管理するのは現実的でないし、保険制度の整備にしても、自転車専用道や通行帯等のインフラ整備も簡単ではない。
そうなると、一目で見て判る形での分別という事になるのか?とも思える。例えば、車両扱いとなる自転車は26inchサイズ以上の自転車とか、車道においては弱者になりがちな自転車の危険抑制に効果的であり、一目で見て判るヘルメット装着車に限り歩道併設車道における車道通行を認めるとかの案が現実的な路線かと思う。
流れ的に法案が成立していくのは間違いの無いところだろうけど、一つの落とし所としては、原則車道通行可で、危険な場合は歩道通行を強制させるものの、車道を通行するならば危険を回避する最低限としてヘルメットの着用義務を設けるたり、車道通行のための(14歳?16歳?といった)年齢制限を設けるといったところか?
勿論、歩道内での自転車通行帯の確保、自転車対歩行者事故における事故処理で必要となる保険制度の普及、マナーの向上といった行政とユーザー側の取り組みも必要だろう。
ということで、自分としては、今の試案は(自転車の車道通行原則という部分で)原則賛成だが、公衆道徳への理解が高まると思える年齢に達し、ヘルメット等安全具の着用義務を満たせば歩道併設車道であっても車道通行が可能であるという条件が欲しいところだ。そうすれば、準歩行者としての自転車の手軽さも残し、車両としての自転車にしても使用者の安全への意識を高められるように思う。車道における交通弱者となる自転車では、ヘルメットに保険を掛けるとかも良いと思うんだが、、、。そういう意識の人は、自転車自体にも保険を掛けるだろうし、そういう形で自転車に保険が当然という流れが出来ればとも思うところだ。
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