アディポネクチンの作用
脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンが、メタボリックシンドロームに有効に作用することは、これまでも判っていた。このアディポネクチンは、脂肪細胞から出るホルモンで、脂肪を燃焼してインスリンの働きを助ける物質だが、内臓脂肪の蓄積で脂肪細胞が肥大化すると、アディボネクチン量が低下し、糖尿病などのリスクが高まるとされていたが、このアディポネクチンが結合する物資と併せて初めて効果が現れる事が、新たに判明したそうだ。
それによると、アディポネクチンと結合する受容体と同等の治療薬が開発されれば、メタボリックシンドロームの改善に有効な薬品ができるそうだ。
凄いなぁと感心しつつも、その受容体自体と等価な物資を外部から摂取させることにより、本来の受容体自体の分泌能力が衰えるのでは無いか?という素朴な疑問を持ったところ。
因みに、アディポネクチンを有効に作用させるためには、運動が効果的であるという、大阪市立総合医療センターの先生の報告もある。こちらの報告では、運動がインスリン感受性の改善もみられ、運動することによる分泌物質の分泌能への何らかの影響があるとのこと。
一方では、局所的な効果有無の判断で治療薬の開発が進み、一方では、健全な身体を維持する上でのホルモンバランスが未知の平衡性によって保たれていることも解明されつつある。医療技術の進歩は目覚ましいものがあるが、人体機能の詳細を解明するには至っていない(それ故に、副作用、弊害等も無くならない)。
医療技術の進歩によって明らかになる相関性から、治療薬のような手法を取るのが西洋医学的な発想なのだろうか?また、相関性を保つために、生活様式を改めるようなのが、東洋医学的な発想なのだろうか?
少なくとも、メタボリックシンドローム予備軍状態、或いは、軽度の発症状態では、或る意味強引な手法ともとれる医療技術に頼る改善策よりも、人体機能の健全な平衡性を維持することに軸足をおいた生活様式の改善を試みる方が、人体の機能的には健全ではないだろうか?
様々な疾病が終末的な症状を呈して、生活様式の改善自体が困難になってから、最新の医療技術にお世話になる方が普通な気がする。
但し、自身の身体の状況がどうか?は、自覚症状が無い軽度の発症者にとっては、感心が無ければ問題視もしない。そういう意味で、年に1回は定期的な健康診断を受け、日々の体調チェックでは、うんちチェックと体重計に乗るという習慣を身に付けることが有効かもしれない。
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