虫垂炎について
一般的に虫垂(盲腸)っていうと、痛むと抗生物質で散らすか、痛みの程度が酷いと切除するのが一般的であり、結構軽視されている存在のようである。
医学的に似たような扱いを受けている臓器に脾臓というものもある。しかし、脾臓も虫垂もリンパ小節が集まった器官であり、何らかの役割を担っているものと思われるが、何れも、人間の活動には必要のない臓器と言われていた時代があるらしい。
そんな虫垂が煩う疾病の代表的な物が虫垂炎だが、三つの段階を踏んで悪化する。
1.カタル性虫垂炎・・・軽度な炎症で少し腫れて充血
2.化膿性虫垂炎・・・・炎症が進み内部、表面に膿を認める
3.壊疽性虫垂炎・・・・虫垂壁が壊死したり穿孔している状態
(痛み発症後72時間で穿孔する率が90%・・・怖い!)
この内、最終段階では腹膜炎を起こして生命の危機に陥る場合もあるらしい。虫垂炎でも虫垂根部付近に迄炎症が拡大していれば虫垂切除自体も出来ない場合もあるらしく、大腸の一部迄も切除しなければならない場合もあるという結構怖い状況もあるそうだ。ただ、虫垂炎自体は穿孔して腹膜炎の併発迄到らなければ助かる疾病故に一般的には恐れられていないし軽視されている。そんな虫垂炎と類似の症状を発症しながら、発症段階では既に手遅れとなる疾病に、虫垂ガンというのもあるそうだ。これはゼリー状の粘液を出しながら広がる(腹膜偽粘液腫)そうで、この粘液が腹腔内に飛び散った状態で有効な治療法は無いという怖い病だそうだ。なんでも、虫垂ガンによってアテネオリンピックに出場された選手も命を落としたということで、稀なガンとは言え侮れないし、寧ろ、治療法が確立されていない分怖い。
このように、虫垂炎の他にも、在れば見付けにくい怖いガンのような病もあるそうだが、旧来からの考え方のように虫垂炎=切除ってのもホントのところはどうなのだろうか?というのが素直な疑問である。
人間の身体機構自体、長い年月の進化の結果であり、その生体内に存在する機能というのは解明されていないだけで、何らかの役割があると考える方が自然であるが、虫垂ってのは本来どのような役割を担っているのだろうか?
旧来の常識では無くても構わないという認識が支配的だったためか、その機能を明らかにするような研究自体も進んでいないらしいが、、、、
| 固定リンク
コメント