« 術後3週間での水泳 | トップページ | 自転車が先か?ダイエットが先か? »

2007年3月24日 (土)

タミフル

 インフルエンザ発症時に処方されるタミフルと異常行動の関連についてのニュースを良く見掛ける。

 ニュースとして取り上げられる頻度が高くなる理由は、

1.インフルエンザ感染時に異常行動を取って亡くなったり、怪我をした子供がタミフルを服用していた。
2.タミフルの影響を調査した研究者が、薬剤メーカーから寄付金を受けていた。

 という事なんだろう。
 しかし、ニュースではタミフルを服用していない子供が、同じく異常行動である飛び降りで怪我をしている事例もあるし、大学の研究室に企業からの寄付金、助成金なんてものは良くある事といえば、良くある事。逆に、優秀な研究室程、資金が集まりやすいってのも昔ながらの事だ。このような現状を考えると、タミフル自体が異常行動に直結するという前提で、物事を見るのは偏った判断結果を生みかねない気もする。
 タミフル自体は海外で開発されたモノであり、近い将来発生するであろう新型インフルエンザに対する薬剤として世界的にタミフルの備蓄が進められており、現在のインフルエンザ用の薬としてタミフルが用いられていることも事実である。
 迅速な判断を行うためには、国内に留まらず、タミフルを認可し対インフルエンザ薬として用いている他国の判断や処方時の対応も参考にして、行政側が現場医療に困惑を与えないような態度を明確に示す必要があるのでは無いだろうか?

 インフルエンザ対策として薬剤に頼らない生活を心掛けろ!って言っても、抵抗力の無い子供や高齢者を守ろうとすれば、タミフル等の薬剤で症状を緩和し命を守るというのは必須である。
 タミフルやインフルエンザと異常行動に相関性が認められるか?という事を議論する事も大事だが、その判断に迷っている間にも疾病を患っている患者さんにとっては、判断が出ないとは言え、治療が遅延してはならない。

 保険行政のトップの判断が分かりにくい事による、医療現場における困惑によるものとなり、それにより迅速な治療が受けられないというのは、避けるべきだと思うが、今回の騒動の一端には、保険行政の混乱にも原因があるように思う。
 勿論、タミフルで子供を亡くした親の意見を全面に出すようなニュース構成を見ていれば、タミフル=危険という結果を暗に広めるような感じも与えかねず、マスコミ自体が結果を形成しかねない現状も如何なものか?という気もする。

 WHOの指針では、通常のインフルエンザならば安静にしていれば1週間程度で完治すると言われるために、通常のインフルエンザにはタミフルを処方しないらしい。それに対し、新型インフルエンザでは症状の程度も予測出来ず、社会への感染予防の観点からタミフルを対策薬として奨励しているという。そのような薬の役割を明確にすることで、対応の方針が決まっているようだ。
 要するに処方のガイドラインを徹底する事が一番大事であり、現場の混乱を引き起こさない事が一番大切なように思える。

|

« 術後3週間での水泳 | トップページ | 自転車が先か?ダイエットが先か? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: タミフル:

« 術後3週間での水泳 | トップページ | 自転車が先か?ダイエットが先か? »