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2007年5月24日 (木)

度胸

 度胸ってのは、何に関しても大事なモノである。
 今回述べる度胸ってのは、企業における製品開発姿勢についてだ。

 自分は勤務先において、新製品~新システムの開発といった職種に携わって仕事をしてきたが、その中で製品開発について思う事がある。
 ある特殊な製品の開発を約10年程前から数年を掛けて実用化に取り組んだ事がある。しかし、実用化に向けての取り組みってのは、殆ど単独で行わざるを得ない環境での取り組みだったけど、この製品は実機試験当初では良好な結果を示していたのだが、実用化を決断してから、度々のトラブルを起こし対策に追われていた事がある。

 トラブルというのは、所謂想定外の出来事だが、その想定外の出来事が生じるような想定外の使用というのが原因であり、この想定外の負荷というのが当初見込めなかったのが問題で、これは全く以て自分の責任である。この想定外の負荷が何か?を見極めるには非常に多くの時間と思慮を必要とし、一朝一夕に解決出来るモノではないんだが、やはり、顧客が存在する以上、誰も待ってくれないのが実情である。

 そういう経緯で、結果的には、この新製品の実用化は、トラブル発生から間もなくして経営判断の上、企業として断念した事がある。愚痴になるが、当時の対策指針自体も素人的役員の意見で企業自体が右往左往したのも解決を遅らせた理由だが、、、。ここでの断念とは、継続開発は無しで、完全に撤退ということで、そういう部隊自体が解散ということ。勿論、当時の責任者の自分も全くの異部署に配属され、未知の業種に携わらざるを得ない状態となった。
 勿論、新しい業務自体も結構楽しく過ごせたし、それなりの結果を得たと思う。それに対する、当初は同情の目、今は嫉妬の目という視線も感じるが、気にする事ではない。寧ろ、新しい職場で働くことで、以前以上の発言権や影響力、人間関係の確保できた訳であり、処遇的にも何の不満も無く楽しく過ごしている。

 ところが、組織の一員として、この判断(開発断念と転属)自体は納得できるものの、完全な個人(自分自身)のプライドとしては、その想定外を克服しなければ気が済まないということで、殆ど、自費で新製品が実用に耐えうる仕組みというモノを、後の数年間を費やして生み出した。勿論、過去の単独での開発による限界というものも自覚しており、自分のコンセプトに賛同して貰える同系業種の他社の研究者と個人的な付き合い(強い意志を持った同志で)の延長で、入念な開発を進めてきた。
 その結果、協力を頂いた企業の中では、新しいコンセプトの製品を使って頂き、各社の製品に組み込まれて世に出ようとしている。

 そんな中、勤務先の企業の製品で、過去の出荷して顧客の要望で継続使用している昔の新製品が未だ使われているモノがあるんだが、顧客の中には当時の新製品を使いたいというリクエストも存在している。そういう要求に対して、自分は企業の一員としてでなく、一個人として、自分のコンセプトに同意してくれる顧客が居るならと言う事で、当時の新製品を実用に耐えさせるべく開発した最新の製品を提供する訳だが、その最新製品の使用過程での評価から、また、勤務先の企業において、一度は撤退したモノを、私の個人的な新技術と併せて売り出そうか?という話が聞こえてくる。都合の良い話であるもんだと思うのが正直なところ。まぁ、新しいコンセプト自体が私物であり、あきんど的には、儲けようと思えば儲けれる訳で、『毎度!』って思いを持っても良いが、性格的には『おまえ、それは無いだろうWW』って感じ。

 今回の最新のコンセプトは、個人の自分、或いは、自分と同調してくれる他企業との努力の産物であって、勤務先の企業は最新の技術開発に対しては、人的にも資金的にも一切の提供を行ってない訳であり、そういう立場ながら、再度、製品化をトライとしようとする姿勢が気にくわない。
 上手く行くと便乗し、少し詰まると撤退するという、意志の弱さがあるようでは、競争力のある新製品の実用化なんて出来ないと思う。そんな所に企業の度胸を感じるところだ。
 度胸の無さは、恐さの裏返しであり、恐さを感じるのは、経営判断、技術的な判断に自信が無いから現れるもの。技術的な裏付けを持ち、段階的に問題を一つずつ解決すればモノは確実に進歩する筈だが、残念ながら、そういう考えを持った人が経営判断を行う合議の中に居ないというのが悲しいところ。まぁ、こういう風土が、この企業の良いところでもあるが、、、実際、誰かの後追いというパターンが多く、入社間もない若い世代の仕事ぶりにも独創性やオリジナリティは皆無と言っていい。猿まねばかりだ。

 今回の、全く新しいコンセプトは、自分の考えに同調できる私的な集まりでの結果であり、特許出願や、製造のための素材確保から、特殊処理を委託できる外注先の確保迄、私的な時間を費やして行ってきたものであり、これはこれとして、こういう新しいコンセプトで需要を開拓し、新しい思想を生み出すという事は、度胸の無い企業に属していては実現はなかなか難しいかもしれない。

 今は企業内においては、この案件の担当では無いが、このコンセプトの利用可否は私の気分次第である。自分としても、私技術が使われようが、使うまいが、どうでも良い事だが、少なくとも、企業にとって判断が二転三転して市場にアピールするというのは、企業自体の資質が問われる事にもなるので、仮に使うと言われても、その際の経営判断を司るスタッフの資質を良く見極めて協力するか否かを判断するつもりである。

 自分のやりたい事は、自分が経営者となって進めるのがシンプルで考えがぶれない。

 ところで、この案件の開発も現時点では思い付く事全てを考慮しているつもりだし、ここ3年程携わってきた新しい職種においても、思い当たる事は全て行ってきたところ。何か、新しいテーマを見つける時期に来ているような気もする。まぁ、焦らず過ごす予定。脳に余力が生まれる程に、趣味である単車や自転車に注ぐ割合が増えるだけである。

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