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2007年7月 4日 (水)

自転車で走行中に左腕切断

 昨日のニュースで痛ましい事故が報道されていた。歩道を自転車で通行中の女性が、車道を走行していたカーキャリーのリアゲートと衝突して、左肩から下の腕を切断するという大怪我を負うというニュースだ。

 このニュースを極稀のニュースと捉えるか?或いは、身近に危険は数多く潜んでいると捉えるか?は人によるだろうけど、自分の場合は、後者の考え方である。
 以前、高齢者向けの弁当宅配サービスの軽トラックと狭い道で離合の最中に、軽トラックの荷台側面の荷物取り入れ口が突然前方で開いて、危うくフロントウインドーを破損しかけた事がある。状況は、自分が上り勾配、対向の軽トラが下り勾配で、対向の軽トラが下り勾配で減速時に軽トラの側面扉が開いてきたという状況だ。
 幸いにこの際は、回避動作により左路肩ヒットによるタイヤのパンクと、フロントスポイラーの破損のみで済んで、当然の如く、修理は100%向こう持ちの物損事故で処理できたけど、昨日のニュースでの事故とは極めて似たものだと言える。

 一般公道においては、一応、車線区分がなされてはいるものの、走行中に扉が開く等の状況は全く想定されておらず、隣接域に他車(他人)が居て、万が一、扉が開いたり、荷崩れ等を起こすと、酷い事故を招く。

 こういう事故ってのは、本来、起こるはずの無い事故だが、結構、身近に普通に潜む危険のように思う。

 ところで、今は全国労働安全週間ということだが、労災等の事故を抑止するには?ということで、勤務先でも議論の場が与えられている。そして、勤務先での災害防止活動としては、安全教育というモノに力が入っている。労災に限らず、交通事故や違反を繰り返すドライバーの免停講習等でも、安全教育というのは欠かせないカリキュラムとなっているが、果たして、この安全教育というのが事故や災害の抑止に有効か?というと、結構、疑問符が沢山付くのが自分の印象だ。
 というのも、労働災害では、一度起こせば、教育というのが為されるけど、労災を起こす人っていうのは、何度も繰り返し起こしているというデータが存在するし、交通違反や事故でも、起こせば安全講習を受けているにも関わらず、繰り返す人は果てしなく繰り返すという現状がある。そして、当事者はその瞬間は、神妙な顔をして、反省しているものの、結果として、事故や災害を繰り返すのが現実である。実際、安全教育の受講に際しては、殆どの受講者が怠いという本音を持っているのが実情であり、その教育自体の有効性を信じているって人自体が少なかったりする。

 前述のような酷い事故を防止するには、安全教育以前に必要な何か?が欠けているのでは?という思いが大きい。事故を防止する上で、最も大事なのは、事故を起こす奴は確実に存在し、そういう人達っていうのは教育しても修正することは不可能であるという認識にたって対策を講じる事では無いだろうか?昨日のラフェスタに乗ったオバサンの如く、自己解釈による常識論だけで生きている人の方が実は多いのが現実だ。そういう人に理屈や教育ってのは通用しないのが関の山では無いだろうか?
 事故や災害というと、当事者の意識、知識や性格に起因する事が多く、その要因は形成された人格によるものであり、そういったものは短期的かつ断片的な教育で修正する事は不可能だ。このような現実を踏まえた対策で大事なのは、事故を予測して、一度発生した事故の原因を分析して、事故を起こす危険性をモノから排除していくしかない。所謂、インターロックを充実させていく事だ。カーキャリーの後の扉だが、この扉も旋回開放構造を改めて、上下方向で解放させる構造を取るとか、扉が設計通りに施錠されていなければエンジンが掛からないようにするとかの強制的な施策が重要では無いだろうか?

 我が社の安全管理の総括責任者の立場に居る人の日常を見ていると、講習では良い話をされているものの、一歩社外に出ると、渋滞中の車列があれば対向車線を逆走して運転する事を日常的に行ったりしている。そういう光景を見ると、安全って何?って思うし、教育する側にも本当の意味で安全に有効な対策を考えるという意志が感じられない。
 現在の事故や災害の対策担当者が良く言う教育っていうのは、担当者のマスターベーションのような形式的な印象が強いのが実情であり、事故や災害を無くすには、より強い権限と責任の元で、誰が扱っても事故が起こらない仕組みを作る事だ。扱い手は基本的には無知であるという前提での対策が望まれているように思う。

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