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2007年7月 4日 (水)

仕事は誰のため?

 最近は、役人、大臣の不祥事?というか、不適切な実態が結構ニュースになっている。
 業務の不適切な実態で日本中から槍玉に挙がっているのが社会保険庁だ。年金を払っていても記録が無い場合がある。払ったという記録が無ければ払った事にならない。証明されなければ年金受給の権利が無い。払った事を第三者機関によって査定?して確認する。等々、色んな話が出ているが、関連のニュースを見ると、月々の支払いを受け取る担当者がポケットマネー化したとか、しないとか色んな話が飛び交っており、こういう状態では、誰もが納得できるような対策を打ち出すということ自体が困難なのは明白である。

 官庁絡みの不正では、緑資源機構の官製談合問題、政治家では農水相のなんとか還元水等々、色んな問題があるようだ。

 このような不正、或いは不適切な行為に対しては、マスコミ、世論共に批判的な論評も多いし、世間も徹底的に批判しているところだ。そして、このような批判ってのは、役人、政治家が、誰のために何のために働いているか?という一点において、本来は国民のためという目的対象が希薄?になって、自己の利益のために働いた結果が全ての不正の根元であるが、そのように考えた時に、単純に、そのような不適切な行為を責めれるのだろうか?と思う事がある。

 民間企業に勤める一般の人を例に挙げると、そういう人達は誰のために働いているか?という事を考えると、色んな答えが出てくる。金のため、自分のため、会社のため、組織のため、部門のため、、等々の様々な答えが出てくるけど、それって本当に正しい事か?という事を考える事が多い。
 民間企業というのは、確かに利益を追求する団体であるのは間違い無いけれど、利益というのは、企業活動の対価を受け取る事によって自然発生的に手にするモノであり、利益というのが目的という意識が強すぎると、民間企業においても生産活動が変質してしまうように思う。

 民間企業に勤務して、職場の飲み等に参加して色んな話を聞くと、多くの人は、職場のため、社長のためという話をしている。そして、本音の部分では、お金のために残業を余分にするという意見を持っている人も少なくない。

 このような話を聞くと、私利の部分がエスカレートすると、色んな歪みを生みかねない。良い例が、自動車会社によるクレーム隠し、食肉販売業での品質捏造、テレビ放送内容のデータ捏造、官と癒着した談合・・・・がそうでは無いだろうか?全ては、利益を優先した結果の果てであり、殆どの人の意識である利益追求という考えは、一歩間違えば、法に触れる状態に陥りかねないように感じるところだ。

 民間企業に勤める自分の意識としては、色んな仕事をしても考えている事は、最終的な製品に対価を支払ってくれるユーザーのために働くってのが本当のところでは?と思う。ところが、現実的な社会では、そういう意識が希薄な印象を受けざるを得ないというのが正直なところだ。現実には、データ捏造、性能偽造、品質データ捏造というニュースに溢れ、それは、あらゆる業種において見られる実態であり、そのような行為自体、生産活動に従事する者の目が、顧客を見ずに、組織や上役の顔色を見て活動した結果に過ぎない。
 現在の企業を取り巻く環境を眺めると、極めて多忙な業種っていうのが存在している。例えば、製造業において、納期を守る事に拘りすぎて、手抜き作業が無いか?或いは、品質基準に達していない製品を出荷していないか?契約性能に達していない製品の成績表を偽造して出荷していないか?工程進捗の遅延による組織からのペナルティーを恐れて、担当者レベルでの確認作業が疎かになっていないか?等々を考えると、完全に顧客優先の精神で業務を遂行している企業っていうのは、本当に存在しているのか?と思う事が多い。最近話題になった大手製造業のクレーム問題は全て当て嵌まっているのでは無いだろうか?
 更に、ニュースになるような不正を行った企業っていうのは、事件が発覚してから、五月雨式にしか問題が明らかに出来ない実態が多く、殆どが、ばれなければOKという意識が根底にあるとしか考えれない。

 そんな事を考えると、本当に役人や政治家を責める資格がある人っていうのは案外少ないのかも知れない。最近の日本のモラル等々を見れば、現代日本人の資質として、利益優先、私欲主義的な色合いが強いのか?と考えてしまう事が多い。

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