ブーム?を考える
最近はスポーツ自転車ブームらしい。
確かに、レーシングジャージ風のウェアを着て、高級そうなロードバイクに乗って走るサイクリストを多く見掛けるようになった。
確かに、競技用装備は走るには最適な機材かもしれない。ヘルメット、ジャージ、レーパン・・・・・機能から言うと否定することは有り得ない。
走っている自転車は様々であるが、この手の装備が完璧なサイクリスト程、高額なモデルに乗っている傾向が顕著である。
これって、どこかで見た風景である。
そう、それは、80年代のオートバイレプリカブームの時代における、リアルレプリカに乗ったライダーが、当時のレーサーモデルのツナギ、メットに身を包み街を疾走していた風景にオーバーラップする。
確かに、単車の操作では、そういう装備は正解なのは理解できるんだが、どうも違和感を感じていたのは間違い無いところで、実際、ブームの絶頂期においては異論を唱える人は少なかったけど、現実問題、そのブームは衰退して、当時のようなスタイルで単車に乗る人は今では完全に少数派となっているのも事実である。
単車にしろ、自転車にしろ、競技志向のモデル、装備といった機材が機能的なのは理解できるけど、それが公道というフィールドで果たして最適か?必然の装備か?というと必ずしもそうではない気がする。
レプリカブームにおいて、当時の装備を纏ったライダーの多くは、気分がレーサーであり、おごりに溢れた運転を行い、峠に限らず事故を多発させてきたという歴史がある。
今のロードバイクブームでも、過度な装備は機能的には正解でも、公道というフィールドにおいて、そういう機材を身に付けることで、一種の精神高揚状態に陥り、無茶な運転をしては居ないだろうか?
最近の競技用自転車による事故の多発例は、それに関係しているようにも思える。
ビンディング装備で足を付きたくないという理由で信号無視、みんなの自歩道で、集団での高速走行、、、場合によっては併走するロードバイク連中、、、、これって、装備を身に付ける事で、勘違いしているのでは?と言わざるを得ない。
公道というフィールドはクローズドコースとは異なる、みんなの空間であり、占有権は無い。規則が正義とはいっても、究極は事故を起こさないという心掛けが重要。つまり、世代、性別によってはルールを知らない人も存在するのが公道であり、そんな公道では、規則を守っているという主張だけで突っ込むような運転はNGであり、規則が守れない奴が居るという前提で公道を利用するのが正解だ。
となると、競技用機材を身に付けて、自己精神高揚状態、つまりハイな状態で単車なり自転車なりを運転するのは、基本的に過ちであるのではないだろうか?
勿論、競技用装備の機能性は理解するし、安全第一というのは判る。単車なら、フルフェイス、グラブ、ブーツくらいは必須だろう、自転車なら速く走るならメット、グラブ、ズボンの裾がチェーンに巻き込まれない工夫程度は必須だろう。
しかし、それ以上の装備を身に付ける事で、ハイになるくらいなら、一歩退いた装備の方が却って安全とも言える。
この話の元は別ネタだけど、自転車に乗って150km程度の走行では、普通、どんな装備でも、局所が痛くはならないという話からきたネタである。首、尻、腰、手首・・・・痛くなる方が有り得ない。良く聞く話(例の自転車少年オヤジ)だが、局所が痛いからレーパン・・・という風に機材に走る傾向が強いけど、装備を得ても、やっぱり痛いらしいし、究極は、競技用機材のフル装備を目指しているそうだ。痛みを感じず、速く?走ることが目的らしいが、そういう一途な気分が運転時の装備状態に比例して精神状態が高揚している感じ。
これって、逆に危険って感じだ。
今のスポーツサイクルブームは昔のレプリカバイクブームにオーバーラップする。
当時、レプリカバイクの峠への進入規制が敷かれたり、いろんな規制が掛けられたけど、今のスポーツサイクルブームでの自歩道での歩行者間との事故を聞くと、自歩道における制限速度、或いは、自歩道へのバリケード設置、自歩道のタイル舗装化といったロードバイク乗りにとって不都合のある規制が敷かれかねない。
地元のショップの朝練でも、歩行者をはねたという噂も聞くし、実際、そのショップの朝練は今は無いという話も聞く。事故が多発すると、規制が入るのは当然の流れ。
事故の原因は、増加しているロードバイクによる歩行者とのトラブル。
過去の単車の峠からの締め出しと重なって見える今日この頃である。
因みに、自分の街乗りスタイルは、
・ヘルメットは気分による
・服装は季節に合わせた普段着(ばたつかない、巻き込まれない格好)
・ズボンの裾のみバンド止め
・靴は紐の無いトレックシューズ
・グラブは季節による
というモノ。小物入れとしては、車体装備のミニバッグ+ウエストバッグって感じ。
こんなラフスタイルでも150km程度の距離で、身体の局所が痛くなる事はまず有り得ない。過去の経験上でも、これ系の格好で、1日300km、400km走った事あるけど、それでも尻も首も背中も手首も痛くなった覚えは無い。逆に、1日100km程度で、どっか痛くなる人は、機材以前に乗り方が変かもしれない。
| 固定リンク
コメント