メタボ基準の見直し論議
少々古いネタだが、メタボリックシンドロームの判定基準の見直し論議の件について。
日本では、メタボリックシンドロームの判定基準には、「男性は85センチ以上、女性は90センチ以上」とされている。この判定基準は地域によっても様々であり、国によっても違う。因みに、国際糖尿病連合の基準では、ヨーロッパでは男性94センチ以上、女性80センチ以上、中国・南アジアは男性90センチ以上、女性80センチ以上とされており、その違いの根拠は定かではないが、恐らくは、地域ごとにメタボリックシンドロームに害された方の胴回りの平均値が根拠になっているんだろうと思われる。
この数値の算出根拠に、対象者平均値を用いるのは適切か否か?を考えると、日本人の場合は、代表数値のみをターゲットに据えるのは荒っぽすぎるように感じる。
一般論的否定的意見には、体型の違いが大きく背の高い人、低い人がいる訳で、それを纏めて日本人の胴回り85cm以上ってのは如何なものか?って話があるけど、それだけでは否定論として弱いという気がする。
この否定的意見に対する反対意見を出すならば、日本人の平均身長が165~170cm程度であり、それならば、その代表値に対しての目安で85cmを基準とする事自体に矛盾は無い。
最終的には、自分の考えとしても、身長の高低に応じた胴回り基準を設けた方が良いと思っているのだが、その理由は平均身長云々の前に、世代間の平均身長差が欧米各国に比較して非常に広いのでは無いか?と思っているからだ。
そして、その理由ってのは、日本人の平均寿命年数内におけるライフスタイルの変化の割合が、他の地域に比較して非常に大きいのが原因では無いか?って考えているからである。
現代の50代以上の世代もやはりメタボに留意すべき世代だが、この世代の方々ってのは、戦後間もない時期に生まれた方であり、成長期~教育、ライフスタイルの面を後の世代の方と較べると、歴然と異なっていると思う。60代以上となると更に異なる。勿論、40代、30代ってのは、高度成長期、ジャンクフードの普及、米離れ、パン食化、住居の洋風化の波を受ける割合が高くなっている。
そう考えると、世代によって成長期における生活様式(食、住)の変化が他の地域以上に大きく異なっているように感じる。
そうすると、平均的な胴回りの数値をズバリ決めるのは大変荒っぽい気がする。20年前にこのような議論が為されていたならば、洋風生活様式に慣れた世代がメタボ発症年齢に達していない訳であり、代表的な数値一つで注意を促すのは有りだと思うが、現代の生活様式の全く異なる世代を対象として数値一つを定義するのは一考の余地がありそうだ。
まぁ、生活様式の差で肉体的特徴として何が違うか?っていうと、根拠は無いけど、身長って所。ならば、身長に応じた危険な胴回りってのがあるのでは?っていうのが私の意見である。
仮に、自分が判定基準を設けるとしたら、各自の身長の1/2の数値以上の胴回りとなっていたら注意せよ!ってところである。身長170cmならば170÷2=85センチが危険な胴回り。身長160cmなら80cm、身長180cmなら90cmって方が自然な気がする。
恐らくはそういう議論は学会の方々の中で話しは有るはずであるが、何故か、割と大雑把な数値ばかりが出てくるのは不思議なモンである。この胴回りの話もそうだが、肥満判定で遣われるBMIって数値も体重÷(身長の二乗)である。この数値には、脂肪率自体が無い訳であり、筋肉質の人がBMI=22を維持するってのは結構難儀である。
問題が内臓脂肪ならば、内臓脂肪量が手頃に予測できるような判定基準を世に示して欲しいものである。
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