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2007年11月29日 (木)

良心は何処に?企業モラルを問う。

 最近は、組織ぐるみの騙しが氾濫しているように思う。
 騙す側は企業、騙される側は一般消費者って構図が非常に多いように思う。

 食品の賞味期限、消費期限、偽装表示・・・・は、牛肉、鶏肉といった食品、加工乳製品、これらを使った菓子類から地域の特産品、挙げ句の果てにはファーストフード最大手迄様々である。固有名詞を挙げるのも煩わしい程に次から次へと露呈する。
 この食品に限らず、企業による不特定多数消費者への騙しというと、建築設計、建築施工、建材性能と偽装、改竄が露わになっている。医療関連でもそうだ。薬剤エイズの問題に懲りず、今は肝炎のネタも同じである。一寸前は、自動車業界のクレーム隠し問題もそうである。趣は違うかも知れないが、社会保険庁の省庁ぐるみの詐欺も同じである。結局、組織が民衆を騙しているのである。

・社会保険庁
・三菱自動車
・トヨタ自動車
・マクドナルド
・雪印乳業
・ミートホープ
・赤福
・御福餅
・太閤餅
・比内地鶏
・白い恋人の石屋製菓
・不二家
・舟場吉兆
・建材のニチアス
・姉歯建築事務所
・ヒューザー
・竹中工務店
・清水建設
・精肉の石川屋
・イモ加工会社のマルヒ
・崎陽軒
・・・・おそらく、他にもどんどん明らかになっていくだろうし、こんなのは氷山の一角に過ぎないだろう。

 こういう状況から言えるのは、既に一部の企業モラルの低下と片付けるのは既に説明が付かない状況ではないだろうか?ここまで同時多発的に問題が露わになるってのは、日本社会の構造的な問題として捉えるべきでは無いだろうか?

 この企業による消費者(顧客)への騙しっていうと、或る意味、騙しやすい関係でもある。騙す側から見ると、モノを作る側であり、騙される側は使う側であり、モノに対する知見の深さを見ると、騙す側の知識の方が、騙される側より遙かに深いのが問題である。
 騙される側=顧客っていうのは、騙す側の発表する情報を判断して行動するのだが、騙す側が故意に隠蔽すると真実を見抜くってのは不可能である。組織対個人の間の騙しってのは、そういう関係がある以上、絶対に無くならないものでは無いだろうか?

 とある機械製造業では、機械製品の性能検査データを改竄する事が当然と為されていると聞く。しかし、データ改竄を悪と捉える認識は企業側には一切無いという。
 企業側の論理としては、例えデータを改竄しても、それ以上に安心を植え付ける姿勢こそが重要という論理である。この論理は都合の良い論理以外の何者でもないのだが、こういう考えが実際に蔓延しているのでは?と思わざるを得ない実態に溢れている。
 真実の程は知らないが、例えば認定のための性能検査を受ける自動車は、通常のラインオフされた車両から懸け離れた整備を施され高い性能を獲得するという話も聞くが、この行為自体も顧客のための行為とは思えないのである。
 このような工業製品のスペックにしても、顧客のための性能保証というよりも、自社の製品の性能的優位性を謳う事が目的になっているのでは無いだろうか?

 今の社会構造では、企業による顧客への騙しってのは未来永劫無くなることは無いように思う。なんらかの抑止力が必要だが、一時的な公的機関の立ち入り、監査では限界がる。常に、企業と同等以上の知識を持った目による監視が必要では無いだろうか?

 有り得ない話かもしれないが、少なくとも品質管理部門、衛星部門においては業界内のライバル企業からの相互出向を強制的に受け入れさせるような制度でも作らなければ、効果的な偽装や改竄の抑止力と消費者保護は図れないのでは無いだろうか?

 企業間の検査委員の配置や期間の指定といった部分を公的機関が調整するという構造でも作らなければ、今の風潮は解消できそうにない。
 ここまで、同質の問題が繰り返し発生しているのは、騙す側には『ばれるはずがない』という意識があり、無くならないのは、ばれた企業に対して『運悪く、気の毒に!』って意識がある事に他ならない。
 そして、今のこのような問題が明るみになるのは、内部告発や密告によるものが殆どであり、そういう告発は、滅多な事では為されない。何と言っても、告発者も、その企業から給料を貰っている場合が多く、己の生活を賭けて迄、告発できるか?っていうと難しいだろう。そういう隠蔽側にとって都合のよい構造を改めない限りは絶対に問題解決は不可能だ。

 行政に望むのは、このような社会構造の腐敗を如何にローコストで競争させながら取り除くか?っていう事であり、そういう構造改革を期待したいものである。
 そういう意味では、企業の監視は企業にとって選択できない企業の目による監視を行わせるのが一番良いとも思うのである。

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