越境大気汚染
という見出しで急成長する中国の排出ガスによる大気汚染の増加量の凄まじさと、諸外国への越境汚染が記事になっている。
この危惧は、昔からのものだけど、こうして実際に記事となる程の事実を伴っている訳である。この環境汚染に関しては、中国に限らず、発展途上の各国の中でも発展の著しいBRICsを中心として人口の多い国を中心として、これからは地球上の各地で同時多発的に汚染問題が発生するだろう。環境汚染、環境破壊にともなう様々な公害被害、温暖化という問題が地球全体の問題としてのし掛かるのも、そう遠くない将来の話になりそうだ。
今回の記事を引用すると、★(引用ここから)『中国の窒素酸化物(NOx)排出量がこの四半世紀で4倍近くに急増、2020年までにさらに倍以上に増えそうであり、年率2ケタ台の高度経済成長を続ける中国で大気汚染対策が後回しになり、汚染物質が海を越えて日本など外国に降り注ぐ「越境大気汚染」問題の深刻な影響も懸念されるということ。
この調査は、国立環境研究所が九州大学などと共同で日本や中国、インドなどアジア24カ国(アフガニスタン以東)を対象に実施。化石燃料の使用や工場の生産段階などの経済活動で、排出されるNOxや、硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染物質などについて分析した。過去から将来までをつないだ研究統計はアジアで初めてという。
1980年から2003年までの23年間で、アジア24カ国のNOxは2・8倍に増加した。日本はこの間、燃費を大幅に改善したハイブリッドカーの導入や、工場での汚染物質除去設備の導入などの環境対策を講じたことで約3割削減した。
その一方、中国は3・8倍に急拡大。00年時点では、アジア24カ国の総排出量2511万トンのうち約45%を占めた。中国のNOx排出量は、その後も石炭火力発電や工場の石炭燃焼などを中心に拡大し、3年間で1・3倍にもなっている。』(引用ここまで)★
ということで、先進諸国が局所的に環境対策をうっても、発展途上の国々のボリュームを考えれば焼け石に水状態である事が鮮明である。
問題は、この環境対策ってのは、コストが掛かる割に、利益というモノに結びつきにくくビジネスとして成立しづらいだけに、発展途上の国々からみると、環境対策にコストを掛けるのは現実的には難しい。
まぁ、先進諸国にしてもハイブリッド云々と言いながら大排気量を以て高級をアピールしている現状では、真剣に環境問題を考えているとは言い難いのが現状だ。
今の景気は好む好まざるに寄らず、先進国を含め全てが、中国の経済発展に引っ張られている現実があり、この現状の上で好景気を謳歌しており、それに冷や水を掛けるような声が挙がるとも思えない。しかし、この好景気という目下の状態に浮かれて時を過ごした後の付けは非常に大きな代償として支払う時期がやってくるのも確かであり、その時期は人が思うより間近に迫っているのでは無いだろうか?
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