円高、株安、ready?
昨今、日本国内の企業業績は概ね良好である。大手証券会社(山一証券)の破綻から、早十年が経過しているが、実感としてつい最近の出来事のように感じる。バブル崩壊迄遡ると、既に16年が経過している。そんな現代においては、原油価格の高騰等ネガティブな要因を抱えながらも、戦後最長の景気拡大期を歩んでいるのが現代である。
そんな好景気を支えているのは、中国の急激な発展による恩恵という部分もあるけど、基本的に加工貿易立国である日本にとっては、為替相場の円安傾向による要素ってのは非常に大きなウエイトを占めている。しかし、この円安傾向ってのは、直感的にねじ曲げられて作られたモノであり、実体経済的には今の円安傾向事態が異常な事態であり、バブル期における不動産の実評価以上の評価による狂乱状態に近いと思うの気のせいだろうか?
政財界においては、最近の若干の円高傾向を異様に毛嫌いしている傾向があるが、現代の為替レートの円安誘導(金利政策等々)こそが異常な状態を示しているように思う。
本日、二年五ヶ月ぶりの円高水準ということで108円/ドルという水準となっており、輸出型企業においては経営に与える影響が深刻という声も聞くけど、利益が確保できるためには110円/ドル以上の円安を望む企業の実態を見ると、1980年代から主力製品の形態に大きな革新が無い企業が殆どであり、本来なら、そういう企業は消滅すべきものではないか?と思うのが正直なところである。
世界の国々の発展に伴い、日本という国が担うポジションは時代と共に変遷すべきであり、当然、国のカラーを繁栄する産業形態も変化すべきである。そう考えると、20年以上も産業構造が不変のまま利益を得るという事自体が異常な状態であり、過去において様々な産業を担う国というのが変遷してきた歴史が証明するように、日本という国の基幹産業も変遷しなければ、それこそ異常ではないか?と言える。
金利政策等の産業実態とは異なる部分で為替誘導を行うことは、評価と実態の偏差が拡大すると言う事であり、その矛盾は確実に路程する。そのギャップが大きければ大きいほど、支払うツケは大きくなる。
経済の専門家ではないが、日本においては政策的誘導が無ければ、今ならば90~95円/ドルのレートが適正では無いだろうか?そのレートで成立できるような産業構造の変遷が望まれているように思う。政策誘導による強引な方法では、格差拡大を助長しかねないし、今抱える矛盾は拡大するばかりのように思う。
そういう意味で、昨今の株価低迷、円高傾向っていうのは、政策誘導による景気拡大政策が行き詰まる予兆を示したモノではないだろうか?
経済、産業構造、政策等々を見て思う事は、何にしろ古い方法が通用しづらい時代に入ってきたという印象だ。世界レベルで考えると、政治、経済に与える核が昔のような欧米+日本という3極時代から、多極化の時代であり、互いの影響は無視できなくなっている。三極時代であれば政策的誘導が可能かもしれないが、現代の多極化の時代では、誘導的施策は、予測も困難で、利害関係の衝突等によって実質調整不可能な時代になるように思う。調整するのでは、調和すべき時代になっていくのは間違い無い訳で、今の価値観を壊すには、一度、大恐慌のような不景気に突入すべきか?とも思う今日この頃だ。
現在の自分の立場、『社長室長』という立場から考えると、企業の安定的な収益確保と競争力の確保が最重要と言うんだろうけど、個人として考えると、ドラスティックな地殻変動を起こすような大恐慌で競争力の無い企業は淘汰されるか、リビルドされる時代を迎えるべきとも思う。そういう意味で、急激かつ強烈な円高っていうのは、実はアリだと思っている。
少なくとも、日本という国は個人から企業、政治家、役人に到るまで、完全にモラルは崩壊し不祥事の連鎖ではないが露呈が頻発している。腐った構造は一度破壊すべきである。対処療法的な施策では、悪の根元は断つ事は出来ない。そういう切っ掛けになるのは、今の円高傾向が本流となる時が良いチャンスだと思うところである。
現代の日本に外貨を持ち込む製造業に求められる事は、価値あるものを作るのではない。ここでいう価値あるモノってのは、作り手のマスターベーションであり、自分で作っているモノが価値あるモノって錯覚しているだけである。だから、偽装、隠蔽工作が蔓延っている。これからの製造業においては、新しい価値を創造する事こそが重要ではないか?新しい価値を創造し、新しい市場を開拓する力があってこそ、真の競争力になりうるし、そういう状態こそが、豊かな暮らしに結びつくと思う。そういう時代こそ、活力にあふれ、本当に能力の重要性が問われてくる。昔の大藪晴彦ではないが、『蘇る金狼』の『狼は生きれ、豚は死ね』である。自分の持論としては、ゼロは幾ら足してもゼロであるが、1は足す程に百にも千にもなる!がある。真の価値を創造する力こそが今一番求められる時代では無いだろうか?忙しいという言葉の上で、価値を生み出さない行為を積み重ねるだけでは、財を成す資格は無いと思うのである。
あらためて思うのは、みんな一緒に一度痛い目に遭おうぜ!ってこと。そうしないと、真の意味での価値観の変遷は生まれないからだ。『円高株安、ウエルカム』ってのが心の奥底の本音である。
大体、今の企業収益、為替変動で一喜一憂って、所詮あぶく銭である。ガツッと金利を上げて円高誘導(異常な円安是正)して力のないところは一度潰すってのは出来ないのだろうか?
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コメント
サイクルモード、確かに興味ありますね!2008年モデルが色々見れそう!だけど、明日明後日は予定が一杯で残念ながら見れません。
投稿: 壱源 | 2007年11月23日 (金) 23時13分
インテックス大阪情報:
CYCLE MODE international 2007
【開催日時】 11/24(土)-11/25(日)10:00-17:00
行きたいのですが少し遠いんですよね~
(少し遠いという距離は個人差大ですが・・・ハハハ)
投稿: morimori | 2007年11月23日 (金) 21時00分