不老不死
生物の定めとして老いて世代を重ねるって考え方がある。
ところで、この生物を構成する細胞っていうのは、日々分裂を繰り返し再生を繰り返し個体を維持しているが、その分裂の限界を定める物質としてテロメアって物質が大きく拘わっているというテロメア説が現在有力である。
ところで、その一方で不死化細胞というのも存在しており、それが癌細胞である。癌細胞っていうのは、正常細胞が変異する事によって生まれた細胞であり変異によって不死化、異常増殖という特徴を持つモノを特に癌細胞と呼ぶらしい。この内、異常増殖しないものを良性の腫瘍と呼んだりするようだ。
ふと思ったのは、正常細胞の癌化への変化でも、変異の程度で癌と表現されたり良性腫瘍と表現されている。そして興味深いのは悪性の癌であっても、その悪性細胞が増殖するという現象は、悪性なりに正確に悪性の細胞をコピーして分裂しているということなのだろうか?
これって、分裂回数に限界を定める遺伝子が損傷するという変異のみで、異常増殖しない細胞というモノが生まれたとすると、それは、寿命が永遠な正常細胞とはならないのだろうか?仮に、分裂回数が無限となった細胞で個体が構成されるとすれば、その個体を構成する細胞は永遠に存在し続けるのであろうか?もしかしたら、不老不死は癌細胞から生まれるのだろうか?
因みに、このテロメアって物質(遺伝子の末端部位)は、細胞分裂毎に長さが短くなっていくもので、これが無くなると老い滅びるだけ。そして、最近はやりのレーザー治療、シミ取りなんかを施すと、このテロメアが極端に消失するというもの。つまり、人為的な操作を行うと、暫く後に急速に老化が進行するということだ。
そして、癌細胞はこのテロメアが短くならないのでは無く、分裂の際に短くなったテロメアを再生する機能を持っているそうだ。
しかし、このような新しい医療の知見にしても、生物としての神秘を解き明かしている訳ではなく、仮に、テロメア再生機能を活用できるようになったとすれば、何らかの弊害が生まれるんだろうと推測される。
何故なら異常な変異による癌細胞で不死化が顕れるのであり、生物として不死化は異常という事は、生物の平衡性を維持するには代謝+再生が原則という基本的なメカニズムが存在しているのだろうと思えるからだ。
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