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2007年12月13日 (木)

今年の漢字、『偽』

 今年の世相を表す漢字を選ぶっていうのが、この時期の恒例だが、今年選ばれた漢字は『偽』って漢字が選ばれた。
 過去を振り返ると、1995年が『震』、以後、順に『食』、『倒』、『毒』、『末』、『金』、『戦』、『帰』、『虎』、『災』、『愛』、『命』ときて、今年が『偽』なんだそうだ。

 『偽』って漢字の根拠は、食品関連の消費期限偽装表示、年金記録問題、防衛省関連の汚職、政治家事務所費偽装、建築業界関連のデータ偽装等々が露呈し、世間の怒りが頂点に達したという意味で、確かに今年を表現した漢字だと思う。

 さて、『偽』って漢字と競った漢字としては、他に『嘘』って漢字もあったらしいけど、嘘と偽とか印象の良くない感じが表に出てくる辺りに、世間の景気は良くなったとは言っても、実際の所、人の心に部分では決して良い時代とは言えない事を示しているようである。

 偽、嘘、欺・・・・というような言葉は、その好意自体、褒められたものではないが、その欺く相手によって、欺く側の心の状態は全く違うように思う。

 他人を欺く、偽装する、誤魔化すって行為は、本人の中の行動の優先順位によっては、そういう行為に対して心の違和感を感じるとは限らない。しかし、自分の心に嘘を付くのは、どこまで行っても、本人は満足を得る事は出来ないし、違和感を拭い去る事が出来ない。
 人を騙すって行為は褒められた行為ではないが、一番情けないと思うのが、自分に嘘を付く行為である。人を騙す行為っていうのは、法やモラルを犯すという絶対悪だが、自分の考えを欺くっていうのは、内面的な問題であり、法やモラルには抵触しない場合もある。それ故、自分に嘘を付いてよいか?っていうと、自分を欺き続ける人は、決して、心底からの満足を感じる事は無いだろう。そういう状態で不満が鬱積していくと、最終的には他人に嘘を付くようになる。

 嘘、欺き、偽りって行為が問題になるのは、相手が存在する場合だが、相手が存在せずとも、自分自身に嘘をついて行動している人っていうのは、将来、周りに対しても嘘を付く可能性が極めて高いと思う。
 今年、様々な業界?で偽装が発覚したが、その経営者、担当者は偽装という行為に対して罪悪感を感じないというか、麻痺しているのである。麻痺の理由は判らないが、少なくとも良心に対する引っ掛かりはあったのでは無いだろうか?

 相手を騙さないためには、自分で自分のやっている事を、自分で考え、自分で納得するのが大事であり、自己満足とは、自分の疑問を本心から氷解させたと納得出来た時に得られるモノ。つまりは、表面的、機械的に体裁を整えたとしても、本人が疑問を完璧に取り除いたと本心から思えないと、本人は心の奥底ではすっきりしていないだろう。

 今年の世相を表す言葉から肝に銘じた事といえば、自分の本心には絶対嘘を付かないように過ごそうということ。拘りを持って、思い通りに行動するってのが大事である。

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