« 血圧の変化の傾向 | トップページ | 師走、車走、事故 »

2007年12月12日 (水)

ずばり、『癌』について考える。

 『癌』という疾病は、日本人の死亡原因の上位に位置するモノであり、現在でも多くの人が疾病と闘い、癌で無い人にとっても関心の高いものである。
 その高い関心を持つ癌についての一般論は既に様々なサイトに詳しく紹介されている。
 代表的なのは、

 http://ww3.tiki.ne.jp/~ashinsin/data/koza30.htm

 というサイトであり、ここには癌の発生部位別のリスク因子、予防法について綺麗にまとめてあったりする。

 さて、ここでは、最近聞いた癌についての雑談的な話や、自分の癌に対する意識を徒然に書いてみる事にする。

 日本人に多い癌と言えば、胃癌である。胃癌には、表面的に発見しやすいタイプと発見しにくい進行性のスキルス癌っていうのがある。
 癌の見つけやすさについて、思いがけない事を聞いたので、ここで紹介すると、普通の癌は内視鏡で発見しやすいけど、スキルス癌ってのはバリウム飲んだレントゲン撮影の方が発見しやすいそうなんだ。内視鏡は表面的、局所的な異常は発見しやすいが、ある範囲というかエリアでの緩やかな形状変化を伴う疾病にたいしてはバリウムレントゲン撮影の方が判りやすいらしい。なるほど!って思ったところである。

 癌を疑う際に、慣例的に良く聞かれるのは、家族に癌発症者が居るか否か?って話だが、実際には、癌家系という形で遺伝するかどうか?というと、その確率は極めて低いそうで、確率的に高いか低いか?の数値は1%以上なら遺伝性癌、以下ならばそれ以外の癌との区別なんだそうだ。
 疾病の発症確率の数値としての1%という数値が大きな値か小さな値かの判断は出来ないけど、個人的には大した数値では無いように感じる。

 癌細胞とは、元々は正常細胞が変化したものであり、その変化の結果持ち得た特異的な性質は『不死性』と『異常増殖』という性質である。この異常性は、細胞が個々に変化した微少な変化で癌という形に到る事はなく、殆どの場合は、紫外線とか喫煙とかの細胞にとって特異変化をもたらすような刺激を長期間に受けて細胞遺伝子の異常が蓄積された結果、その損傷細胞が一定の要件を満たした時に初めてガン細胞として現れるものだそうだ。それ故に、癌を発症するには、異常な刺激を一定以上受け続けるという蓄積に要する時間の長さが必要であり、癌の発症は一般に人生の後半に見られるということだそうだ。

 こうやって生まれた癌細胞は正常細胞とは異なり、死なずに増殖するという特徴を持つ。癌細胞は、癌の自律的増殖性を持っているが、それだけではヤバイという訳ではなく、ヤバイのは、浸潤と転移という機能を有する癌細胞である。浸潤とは周辺細胞を癌化させるようなモノ。転移とは飛び火のように癌組織を連続的に作るモノであり、この浸潤と転移を持ち、更には、正常細胞が摂取するべく栄養分を横取りするような悪液質という性質を持ったモノを良性腫瘍といい悪性の癌とは区別する。
 良性腫瘍の場合は、腫瘍組織による周囲への物理的圧迫以外には大きな影響が無い事が多いそうだ。こういう表現が為されるのは、脳腫瘍のような腫瘍の場合、圧迫だけで影響が大きく出る場合があるからだそうだ。

 さて、このように癌とは正常な細胞が異常な刺激を受けて、その刺激による損傷が遺伝子に蓄積し、一定上の蓄積条件に当て嵌まった時に発症するというのがメカニズムである。この細胞にとっての異常な刺激とは何か?というと、やはり思い付くのは、生物の歴史的な生活スタイルから懸け離れた生活様式によってもたらされるモノではないか?という意見に帰結する。

 個人的には、

1.喫煙
 確かに、喫煙によって吸引する刺激物質が肺胞を通して吸収される。吸収された物質は、本来は不要なモノであり、この刺激物が細胞にとって好ましくない損傷を与えるリスクはあると思う。
しかし、異常物質は、気体中に拡散した物質であり、その濃度は低濃度であり、一定以上の損傷が蓄積するには相当な時間が必要では無いだろうか?

2.紫外線
 これも、生物にとって殺菌性を持つエネルギーだが、この紫外線照射を連続的に長期間受ける状況っていうのは、余程の状況でないと想定しずらい。但し、昨今のオゾン層破壊によって生物の持つ紫外線耐性の限界を超えた紫外線を受ける可能性はあるかもしれない。

3.飲酒
 有機物であるアルコールっていうのは燃焼することによってエネルギーを取り出す事ができる。或る意味、人体にとっても燃料的な役割を果たすが、人間の身体自体がアルコールを燃焼することによって動力を得る機関ではない。それ故に、過剰な摂取は生体に大きな刺激を与えると考えられる。何と言っても、水溶液の形で体内に取り込む訳であり、喫煙行為以上に、異常の蓄積速度は大きいように考えられる。

4.薬、サプリメント類
 これは昨今持て囃されている物質だが、身体を構成する物質をダイレクトに濃縮した形で摂取できるというモノ。取り込んだモノがダイレクトに身体の原料になるという点で、喫煙、飲酒行為以上に影響度は高いと考えられる。
 化学式的には天然モノと同じであっても、安価に大量に合成する物質は、多くの場合は、異性体であったり、好まざる副産物、類似物質を含んでいるのが化学的には常識である。この好まざる物質が固体(或いは濃縮液体)という極めて濃縮度の高い形で摂取するという行為は、体内に与える影響は極めて高い。
 仮に、絶対的に無害な物質であったとしても、その濃縮性故に生体としての許容する濃度、純度を超えている場合もあるだろう。この純度というファクターは反応に異常性を与えるのに大きな影響を持つのは、化学の世界ではもはや常識ではないだろうか?

 この4要素が、正常細胞の癌化誘因因子となるのでは?と私は考えている。

 癌を避けるには、細胞の癌化に到るスイッチを入れさせない事。即ち、人工的、歴史の浅い行為に走る事を慎む事。生物の生体の持つ機能を活用した生活を営む事が大事では無いだろうか?
 そういう自然な生活を努めて行い、身体の機能を寝かせる事無く活用するという生活こそが重要では無いだろうか?
 これって、結局、健康維持には近道が無く正攻法でコンディションを整えるというしか手はない事を示しているようでもある。スポーツでも勉強でも、結局は同じである。真理を追究するには、モノの因果を考え、その真理を追究すると、近道は無いし、地道に継続するしか無いのかなぁ?としみじみと思うのである。

 ところで、癌細胞ってのは、先にも述べたけど、細菌、ウイルスと違い、元は正常細胞であり、異常増殖と不死性を持っているのが大きな特徴だが、この増殖機能と不死機能っていうのは、案外、人類にとって強力な武器となる事が無いのだろうか?癌細胞で癌細胞のワクチンのようなモノを作るっていうのは夢なのであろうか?
 でも、仮にそういう人為的な操作によって対策を講じれば、自然の法則は常に一歩先を行くのは様々な分野で証明されており、癌の特効薬が生まれれば、それを越える強力な癌が生まれるのも世の常のように思う。人の浅はかな知恵とは言わないが、それによって、敵を更に強力にしているのも事実である。この現実を回帰的に考えれば、疾病等に立ち向かうには、なによりも自然に本来の人体の機能をフル活用する事が最も効果的かつ唯一の特効薬になるのでは?と思う。それが最終兵器と考える理由は、人間という生物の進化の過程で生まれた形態は原始生命体に較べると遙かに高度であり、人体の機能は長きに渡る進化の結果生まれた物である。その機能こそが低級の細胞、細菌に対する最も有効な機能となりうるのでは?という思いがあるからだ。
 人間の持つ機能をフルに使うことこそ、人間の進化の辿った歴史の長さを尊ぶ事であり、それこそが最高の知恵が詰まった行為だと言える。

 ただし、問題点としては人体機能には即効性が無いために、致命的な状況に陥る前に身体の健全性を自然に確保するという日常の営みが大事になってくる。病状が進行してからは、健全性を回復させるには、自然の力だけでは難しいために、様々な医療技術が発達してきたんだろう。

|

« 血圧の変化の傾向 | トップページ | 師走、車走、事故 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ずばり、『癌』について考える。:

« 血圧の変化の傾向 | トップページ | 師走、車走、事故 »