次世代DVD
次世代のDVD方式の覇権争い。ブルーレイとHD-DVDが争っていたが、遂にHD-DVDのメーカーである東芝が撤退か?とのニュースが報道されて、決着が付いた模様。
昔のビデオテープでのVHSとベータの争いでは、性能上優れていると言われていたベータが破れ、VHSが勝者となったが、今回は、性能通りでブルーレイが勝者となった様子。
さて、そんな次世代DVDだが、これが本当に普及するのか?というところに興味が移る。
なんといっても、未だVHSが現役の我が家である。DVD化にしてもDVDを高解像度低圧縮で保存しているか?というと、実は一番多いのがLPモードでDVD一枚で4時間(30分アニメを8本、娘のプリキュア用です。)を記録させるという使い方である。大体、VHSでも三倍録画で済ませる事が多い。つまりは、画像品質以上に、録画効率を重視している。これは、自分に限らず、多くの消費者もそうだと思う。実際、メディア売り場では、VHSの場合は3倍でも綺麗!とか、DVDの場合は、LPモードが録画時間と画像品質からお奨め!って言われているのが現状だ。
最近は、テレビのCMでもハイビジョンが連呼されているが、ハイビジョンが必要か?というと、これが微妙で従来解像度でも不満は感じないし、DVDでもハイビジョンで見たいか?というと、実のところ、あんまり魅力を感じていないのが現状である。
今、地上波、CS放送と色んな放送形態がある。しかし、実際は、テレビのハード面でハイビジョン化が進んでも、放送コンテンツ全てがハイビジョン化されているのではない。かなりの割合のコンテンツ(番組)が従来解像度である。そして、ハイビジョン液晶パネルで低解像度を表示させた時程に汚い映像は無いのが現状である。(この汚さを実感する一番判りやすいのが、家庭に多く普及したパソコンで画面解像度は1280×1024ってのが主流だろうけど、この表示プロパティを変更して640×480って解像度で見れば一発である。液晶等の高解像度専用表示装置は、想定外解像度を表示すると激しく醜いのである。)そんな訳で、放送コンテンツの解像度が入り乱れた現状では、実はテレビにしてもハイビジョン対応のプログレッシブブラウン管が最も綺麗に(低解像度~高解像度のコンテンツがトータルで綺麗に)見えると思う。
仮に液晶パネルでも、大画面で見る時はハイビジョンの高精細な画像は綺麗だが、我が家のテレビのように32インチ以下の場合はハイビジョンでなくても、、、、ってところが正直な所。
地上波デジタル化が完了してアナログ放送が終了したとしても、チューナーを用いて旧世代テレビの延命が一つの選択肢としてある今、そういうテレビではコンテンツ自体はデジタル放送だが、表示自体は従来解像度のままであり、そういう商品が注目されるってことは、解像度に対しては一般的に大きな拘りがあるのか?というと、実に微妙である。
本当の意味でハイビジョンが普及するのは、ハイビジョンならではの大画面表示のコストが普及価格帯に下りるか、大画面表示ならではのメリットが提案されてからの話。更には、放送コンテンツ全てがハイビジョン制作で無いとダメ。そして、そういう時代が来た時には、恐らく、BDのフォーマットとは別のフォーマットが主流を占めていると想像したりする。現行の次世代DVDは、BDでも50GB、HDでは30GBであり、通常DVDの10倍どまり、、、これでは、表示品質が上がったというだけだ。上がった表示品質の恩恵を受けるのは36インチ以上の大画面表示で1画素辺りの面積が大きい場合だけ。
何となくだが、ハイビジョンが一般的になった時には、既にブルーレイでも旧世代で、全く新しい記録方式がメジャーになっているのかなぁ?なんて想像したりする。勝手で根拠の無い予想だけど、今思うのはメモリーデバイスへの記録がメジャーになるのでは?ってところ。CD、DVDとディスクデバイスっていうのは結構神経質だし小型化にも限度がある。それに較べるとシリコンデバイスの高容量化は凄まじい勢いだ。SDカードの発展型に行き着いたりして、、、、仮にディスクデバイスならばHDDしか無いように思う。
或いは、デジカメの世界と引っ掛けて思うのだが、デジタル画像の場合、表示面積に比例して高解像度が必須となる。これって、表示エリアが100インチ以上にまで巨大化した場合には、解像度が追い切れない可能性も出てくるのではないか?
そうすれば、或いは、将来、アナログ的に回路に戻るのでは無いだろうか?デジタルの弱点は隣接情報が欠損していることだが、デジタルを基本に、本来は欠損する領域をアナログ的に補間推算するようなシステムが一番理に適っているように思う。そんなアルゴリズムが生まれれば、基本情報として最低限のデジタルデータ+表示面積に応じたアナログ補間によってデータの圧縮伸張を自在に行う事ができる。そうすれば、旧来DVDでもOKかもしれない。オーディオ機器の世界ではいざ知らず、パソコン用機器を思い起こせば、その昔、動画圧縮伸張は専用のハードウェアを要していたが、CPUの高速化によってソフトウェアで普通に動くようになった事もある。そう考えると、ハイビジョン表示=高容量メディアという方程式以外でも成立するようになるかも?って期待したりもする。
今、我が家ではケーブルテレビをデジタルSTBで受信視聴している。このSTBは、Wチューナーでハイビジョン録画可能なHDDも装備しているけど、このHDDが直ぐに一杯になる。結局、データ量が多すぎであり、これが所詮50GBレベルのBDを利用して追い切れるか?というと甚だ疑問だったりするのである。で、実際は、HDDにHV録画と並行して、別のHDDには通常録画して、残すモノを従来DVDにLPモードで残すというパターンである。録画時間重視してEPモードで録画したけど、あれはブロック状ノイズの嵐となって使い物にならない。LPモードならOKで、それ以上のXP、SPとかは不要とも思えるのが私の感想だ。他人は知らないが、DVD録画でLPモード主体で見ている人にとっては、ハイビジョンもクソも無いのでは無いだろうか?
PS この記事は、実は日曜日に書いたモノ。で、月曜の段階で、今回の撤退報道については東芝は否定しているようだが、こういう報道が為されるってのは、どこからかリークされている可能性もある。これが虚偽情報であったとしても、このダメージは相当に大きい。
そんな訳で、恐らくHD方式は破れるのが決定的か?とも思えるのだが、高い互換性を持っているならば、価格的な消耗戦に持ち込めば勝機が生まれるかも知れない。勝機というよりも、DVD世代の次、BD世代の前という形で棲み分けを狙うのも一つの戦略である。BDと同じ土俵でHV録画というのではなく、超高密度DVDで、従来解像度でありながら記憶容量が10倍となって録画時間が10倍となるならば、大きな存在意義が出てくるとも思う。旧来DVDは記憶時間があまりにも短いのがNGであり、これからハイビジョン化がデフォルト化するには、未だ尚時間を要する気もする。ハイビジョン化する前に、記憶容量の大型化という方向性を提案し市場で受け入れられれば、次のステップも生まれるかもしれない。
そういう方向性で、メディア単価を従来DVD並にするとか、録画再生機も同様に従来機並にするとか、そういう戦略が必要である。
長々と書いたけど、次世代DVDという括りでは、BDが勝ち、HDが負けなんだろうけど、次世代高密度記録デバイスでは、ディスクデバイスでは勝ち目が無いように思うのが感想だ。CDが登場したのが1983年頃の話。その後、デジタル化が進んだけど、案外、アナログ論理を用いた回帰現象が起こる転換点の時期に来ているのかもしれない。
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