最新は最強か?
趣味の対象っていうと、多くの場合、工業製品がターゲットだったりする。
単車、自転車、パソコン、デジタルカメラ・・・・・色んな分野に関心を持っているけど、どれも工業製品である。
そして、工業製品の宿命、それは、技術の進歩による性能向上、それを反映した形で製品投入され、旧世代の製品は消えていく。これが定めである。
そんな事を考えた時、果たして、全ての工業製品では『最新=最強、最高性能』って方程式が成り立つか?というと、これまた微妙な気がするのである。
純粋に技術レベルの進化のみが反映されるような製品の世界においては、最新=最強という方程式はなりたつが、実際に製品というのは、別の使命を担っている。
その使命は、製造元が潤うか否か?であり、良い製品=優れた製品とは限らず、良い製品=製造元に利益がもたらされる製品である。利益がもたらされるとういうのは、製造元、消費者の双方にとっての話であり、コストパフォーマンスの優れたと言う事になるし、技術的な優劣以上に優先されるのは、消費者の商品選択の尺度の上で宣伝力が有るか否かで決まってくる。
そう考えると、実際に末端消費者にダイレクトに届けられる商品っていうのは、最新=最強とは限らないモノも多いように感じる。最新=最強という関連性が強いモノというと、それは、工業製品でも趣味性よりも道具としての機能性を重視したモノ。別の目的の道具としての存在価値が強いモノ程、最新=最強という関連づけが強いようである。
例えば、パソコンなんかも、現代では道具であり、新しいモノほど、道具としての機能が洗練されている。車でも貨物車両は新しいモノ程良い。単車でもそうだ。最新のカブが最良のカブってものだろう。
道具でも消費者の選択眼によっては、最新=最良とは言い難いモノもある。パソコンなら数年前の過剰な程のクロック競争であったり、最近ならデジタルカメラにおける多機能化競争、高画素化競争なんかがそれに相当するし、昔の車や単車の馬力競争もそうだ。
このような競争は、競争するカテゴリーにおいては後出しの勝ちであるが、そのスペックが最終的な用途に見合った性能に影響するか?というと、実際、そうでは無い場合が少なくないのが現状だ。このような実態が顕著な世界が実用品では無い嗜好品の世界であり、道具というよりも嗜好品に近い世界では、最新=最良とは成り得ない。これは、嗜好品の場合は、それを選ぶ人の拘りが千差万別であり、人の目が肥えているためであり、何を望むか?によって、人にとって最良の形は異なっている。車ならスポーツカー、単車ならスポーツバイクっていうのは、万人にとって最新=最良とはならない。
自分にとって最良と思えるのがジャンルによって時代性の制約が異なっている。
例えば、単車ならば、時代性は無視して基本は軽量、反応性が高い乗り物が好み。デジタルカメラなら、何よりも場所を選ばない単純操作+迅速動作に拘る。パソコン関係なら、新調する段階では、最新のトレンドで最強の性能ってのが好みだ。パソコンでは時代で選ぶ面が強い一方、デジカメでは時代性の影響は非常に大雑把、単車では全く時代性との関連は無かったりする。
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