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2008年2月25日 (月)

機材、装備は何のため?

 自転車や単車のブーム、特にロードバイク、レプリカバイクのブームの時代に身を置いて思う事。こういうブームでは、憧れの究極が競技車両であり、それに通ずる機材であり、装備を纏う事で、その憧れに近付こうとする。極、当然の事である。

 さて、その憧れの究極の形っていうのは、単車と自転車は同じか?という風に考えると、同じ側面もあれば、大いに違う側面もある。この判断は人それぞれだが、自分が思うに、単車の装備っていうのは、機能優先ではあるが、何よりも安全性に最高度の留意を払った形態になっていると思う。しかし、自転車の場合は、安全性よりも効率性追求の軸足が極めて強いと思う。
 自転車について、機材以上に装備においては、その形態は、スケート選手、競泳選手の装備に近いモノである。何よりも、抵抗を小さく、身体を動かし易くというコンセプトである。そのためには、相当な部分で安全に対する犠牲を払っているように見える。

 自転車の装備において安全に効果的と言えるのは、ヘルメットくらいのものである。それ以外の装具はプロテクト能力に付いては皆無といっても良い。実際、プロツールでの落車映像では選手のレーパン、ジャージの裂け方は尋常ではない。薄さの割には頑丈かもしれないが、基本は発汗性能を高め、軽量、高い密着性という方向故に、保護機能は多くの部分で犠牲になっている。
 サイクリストの論理では安全のためにヘルメットという話は聞くが、それ以外の装備、ウェア、或いはクリップ、ビンディングっていうのはハッキリ言って安全とは無縁で寧ろ危険な装具といっても良い。

 何故に、こんな記事を書くか?というと、風の強い日の午後、ニシダサイクルさんに立ち寄って、自転車雑誌をめくっていて掲載されていた記事に強烈な違和感を感じたからだ。

 この記事は、ジーンズとレーパンで出力、ケイデンス、平均速度を計測し、レーパンの効率性を誇らしげに記事にしており、その文面に、ジーンズスタイルを完全に否定するかのような記事が掲載されていたからだ。
 ロード系装備というのは、ロード競技においては正装だといえる。競技という救急体制、競技の目的においては、そういう無駄を省き、効率を追求してリスクが生じても、救急、救援、保護体制が整っていれば重大な状況は回避できる。これは、競技においては、起こりうるリスクが或る程度は想定されるから許されるもの。つまり、競技環境が競技者を守っているがために、そういうスタイルが成立するものと考えている。
 しかし、一般公道で他との交通と雑多な環境で走る。その中にはルールを自分が守っているから安全というものでも無い。何が起こるか判らない環境であり、そういう中では安全と言う要素にもっと軸足を置くべきでは無いだろうか?ヘルメット、グラブは賛同できるが、あまりに薄いウェアは転倒時に身を守る能力が本当に高いのか?というと非常に疑わしいとも思う。

 少なくとも、安全というならばウェアは兎も角、ビンディングは有り得ないと思うところ。勿論、トークリップでもクリートなんか付けて締めるとやっぱり危険だと思う。

 まぁ、趣味に対する付き合い方は個人次第なんで、どうでも良いのだが、昨今のマニアの意見を聞くと、そう言う装備、或いは、ロード崇拝、コンポグレード志向の度が極端であり、それが無いと走れない!?或いは、走るためには、それが必須!?という空気もあるけど、これには強烈なアンチテーゼを示したいモノである。

 ラフスタイル+ロード以外の車両で、その為りを実証したいと思う今日この頃である。

 個人的には、一種の装備や装具よりも、少しでも低い心拍数で高負荷を持続できる能力であったり、装具の誤差を超越したケイデンス、或いは、絶対的な筋力の方が遙かに魅力的だと思う。そういうモノを地道に手に入れていきたいものである。あわよくば、そういう無形なモノを目の当たりにさせたいとも思う事がある。

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コメント

 ども、コメント有り難う御座います。
 やっぱり、安全第一だと思うんですよね、、、、確かに、本格装備は競技の中では嵌ってると思うんですが、日常の中ではコスプレって感じがするんです。
 単車のレプリカブームの時代にも、ワンピースのGPライダーレプリカのツナギとヘルメット、レプリカバイクって姿も違和感一杯でした。
 それでも、単車の場合は防御機能も兼ね備えていましたが、自転車の場合は、機能の偏りは度が過ぎたモノが多く、それが格好良いと思う価値観には、チョット付いていけません。

 昔々の自転車部だった頃、街道では街道向け装備、バンクでは、それなりの装備って使い分けをしていましたが、やっぱり今でも、それが普通だと思う訳です。

投稿: 壱源 | 2008年2月25日 (月) 22時48分

こんにちは。ウエアの安全性についてなんて考えたこと有りませんでしたが、実際、レーパン、ジャージの防御効果なんてほとんどありませんね。ツーリングなど、競技じゃない時は、もう少し安全よりのウエアの方が良いのかも知れません。と言っても、オートバイのツナギみたいなものじゃ動けないし、市販のウエアを見ても安全性を機能として売りに出しているものなんてほとんど見ませんし。そう考えると、機能が意外と偏ってますね。

投稿: sara | 2008年2月25日 (月) 12時52分

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» 安全な機材 [〜原動機無自転車〜]
元気が一番!壱元亭さんから機材、装備は何のため? レーサージャージやビンディングは効率よくするためだというはわかるが、見ていると安全性は無いと思う。自分は普通のサイクリングにレーサージャージに違和感を持つタイプなので普段のサイクリング時の服装は。 ・....... [続きを読む]

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