メタボマーケット
メタボリックシンドローム、別名が代謝異常症候群で、胴回りは男性なら85cm、女性なら90cm以上が該当し、更に、この該当要件に加え、脂質、コレステロール、血圧の基準値が二つ正常値から外れたらメタボ、一つ外れたら予備軍という区分。
更に、このようなメタボ該当者、予備軍を数的に抑制しなければ企業に罰金が科せられるという。
この制度的運用(健康診断制度「特定健診・保健指導」)は間もなく開始される。この制度は後期高齢者に医療負担を求める高齢者医療確保法に基づく新しい制度である。
この新しい仕組みに関しては各所で賛否両論が渦巻いている。特に、後期高齢者に求める医療負担の増大に対する批判が多いし、メタボというものにしても、これを医療機関で診察を受けて・・・・・となると、単純な事だが、これだけで医療費が相当数に増大し試算によると何兆円もの額に上るという。
大義としては、国民の健康を守る、国民の生命を脅かす重大疾病に対する予防という名目で、その前段階にあるメタボからの脱却を計ろうとするものだ。しかし、これが制度的に連携され、そこで発生する医療費、或いは、メタボ対策市場の活況の度合を見ると、本当は、新たなるコマーシャルフレーズの構築による市場開拓で、関係機関の利権のためのシステムとも見えるのは、考えすぎだろうか?
現実問題、重大疾病の前段階症状を通り過ぎ、既に重大疾病と闘っている人というのは、適切な医療処置が必要だが、前段階症状全てを医療制度の下で救う必要があるか?それを、半ば強制で行う必要があるか?というと、疑問を持たざるを得ないのである。人間皆、意志を持っており、メタボという疾病予備軍状態は即ち擬似的な健康状態であり、そこからの脱却自体を医療機関主導で行う必要があるか?というと、甚だ疑問である。
実際、自分の健康状態も褒められたものではないが、医療機関の助けは不要であり、そこには金を落としていないのだが、それでも実際に予備軍状態からの脱却は可能であった訳だが、今回の新しい制度創設にあたり、既に町には、生活習慣病科という新しい診療科目が出来て、処方箋が運動メニュー、病院=トレーニングジムという考えられない形が日常化している。これは、医療機関によるフィットネス業界への殴り込みみたいなモノであり、そこで医療保険制度が介在する事自体に違和感を感じる。このジムは決してリハビリステーションとは違うものだ。
国民の健康のためとは言え、半強制で予備軍をジムに通わせて、それ自体を治療と扱い医療費として計上する場合、従来通り、重症化患者の対処療法で発生する医療費と比較してどっちが多いのか?というのは、恐らくは前者のメタボ指導を医療行為と計上する方が多そうだ。
つまり、メタボというキーワードから金を生む仕組みを関連業界が必死になって作っているようにも見えるのは考えすぎだろうか?ぶっちゃけた話、国民の殆どがメタボ扱いになり、その殆どに対してエアロバイクを漕がせる事が医療行為として必要となるのであれば、ナンセンス以外何物でもない。
勿論、TVタックルで大竹まことさんが言っていた、『放っておけ!アメリカかぶれは嫌だ!』という意見に賛同できる訳ではないが、本質は、予備軍状態からの脱却は医療によるモノではなく、個人のモチベーションによって為されるべきであり、そこに医療機関の介在は不要であり、個人の意志の問題という本質が隠れているようにも思う。
放置は良くないが、その脱却を計るか否かは個人次第。個人が危機意識を持てば、勝手に取り組めばよいというレベルに感じる。
健康や体型迄もが公的なコントロールが必要というならば、既に日本という国は終わっているようにしか見えない。そういうレベルのコントロールが自己責任でなければ、将来的には全てが統制されるかもしれない。
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