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2008年3月24日 (月)

自転車で”簡単”ダイエットは出来ない!

 先の記事で健康に自転車!が、かっこいいって話を書いたけど、更に進めて自転車でダイエットできるか?って考えると、正直、不可能だと思う。

 自転車がダイエットに効果的っていうのは、それが有酸素運動であるからって理由だが、自分の経験上、同じ様な全身を使う有酸素運動である水泳について回想したところ、水泳すれば痩せるって方程式は成り立たないからだ。

 水泳がダイエットに無力という理由は、

1.毎週通っているスポーツセンターのプールで毎週のように見るスイマーだが、学生の水泳部員以外の中高年スイマーの殆どが痩せていない。お腹ぽっこりの男性か、海馬のような御婦人の方が多いのが実態。

2.自身、最低でも週に1回は連続の水泳を行ってきたが、過去数年の体重変動を振り返ると水泳していたから痩せるとは限らず、同じ距離を泳いでいても肥える時期が存在した。

 以上の二つが経験上得た大きな理由だが、これと同じ理由から自転車生活を始めたからと言って痩せる筈が無いと思うのである。実際、町の通勤通学自転車ユーザーを見ると、体系的に相当ヤバイ事になっている人を見掛けるし、そう思うと、やっぱり自転車はダイエットに直接的には結びつかないって思うのである。

 一般にダイエットを成功させるには、痩せる=有酸素運動であり、或る程度の負荷を連続的に掛けなければならない。そして、有酸素運動状態に入っているかどうか?っていうのは、運動状態における運動強度次第である。運動強度とは、

運動強度(%)=(心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100

であり、ここで言う最大心拍数は、210-(年齢×0.65)で求める事も出来る。この式によって運動強度値が60~70%の運動を継続して始めて効果的な有酸素運動という状態になるのだが、その効果的な有酸素運動状態となる運動時心拍数っていうのは、人にもよるけれど相当高い数値になる。因みに、自分の場合に必要な心拍数っていうのは140~150程度の値となるけど、その状態を1時間維持するってのは、相当にハードなトレーニングである。気楽に自転車乗れば、、、、ってノリでは絶対にそんな心拍数にはならない。
話が前後するけど、自分が水泳を継続していて痩せる効果が得られるか否かの分かれ目は3km連続で泳ぐ際のペースである。3kmを60分以内で泳ぐとダイエット効果が得られ、逆に75分程度掛けるとダイエット効果は得られない。即ち、そのペースの違いに心拍数の高低差が存在するって事。

会社でも色んな人と話すけど、年齢で30歳くらいの人が居たとする。そうすると、最大心拍は190、安静時心拍数が60とすると、運動強度65%なら(190-60)×0.65+60=145という運動時心拍数が必要だが、彼らの感想では、そんな領域に心拍数は上がらないという。つまり、必要な心拍数に到達する程、筋肉が血液を欲していない状態であり、筋肉不足なのか、負荷不足なのか知らないが、そういう状態である。

自転車でも水泳でも、通論としてはダイエットに効果的という話だが、現実はそんなに甘く無い。個人のコンディションから必要な痩せるための心拍数が求められるが、その数値が連続的に維持できる身体能力を持つ人自体が稀ではないだろうか?
実際に、このようなスポーツで痩せたいのなら、そこまで心拍数を高められるような筋肉増強、連続運動による痛み解消に効果的な技量や知識を身に付ける事が先決では無いだろうか?

ダイエットに必要な有酸素運動だが、その運動強度は、何も予備知識がなく運動を行う癖が無い人にとっては、相当にハードに感じる筈である。
色んな自転車推奨雑誌には、鼻歌を口ずさむ程度の負荷って書いてあるけど、どうにも疑わしいのが正直なところ。或いは、高級スポーツサイクル+装備で戦闘モードとなると、殆ど無酸素運動的な負荷を掛けて、挙げ句の果てに膝故障なんて状態になりかねない。

つまりは、適切な負荷を掛けて長時間運動するには、その必要負荷がどの程度か?を知るのは当然、身体の各部に局所的な痛みや疲労を起こさせない正しい道具や身体の使い方を理解していなければならない。そういう自転車ダイエットに必要なバックボーンが実は一番重要だったりするのだ。

作家の高千穂遙先生が自転車で痩せた!って自伝を出版されているが、あの場合、あんなライフスタイルが実践できる生活環境がダイエットを成功させたと言っても良いってのが私の感想だ。仮に自転車でなくても、別のスポーツでも同じ結果を得たのに間違い無い筈だ。

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コメント

こんばんは!
昨日は折角コメントを頂いたのに直ぐに反映されずに申し訳御座いません。
何でも、ニフティのメンテアップの時間帯と被ったための不具合のようです。

さて、国産車はコンパクトでも1.5L、スタンダードが2L、3ナンバーなら2.5Lと3.5L、高級車は4.5Lオーバーと昔の倍のエンジンですねぇ、、、。デバイス付けて工夫しても普通に半分のエンジンにするのがスマートだと思います。
トヨタのiQにしても、昔のスズキのツインの焼き直しにしか見えません。

どうしても内燃機付きなら、みんなカブに乗れ!って思います。元気あるなら自転車が最強ですねぇ。

但し、自転車ブームといっても殆どが外国産で、実は微妙にスケルトンが日本人向きでないと思うのは気のせいでしょうか?
シートチューブは短くても、トップチューブが長すぎる自転車が多すぎます。

投稿: 壱源 | 2008年3月27日 (木) 23時45分

ブームでも何でもトリガとしてはOKでしょう。
インドのT社の自動車に刺激されたのか日本のT社もコンパクトで低燃費の車を出すようですが、いくら低燃費でも自転車には適いませんから!(まあ近距離限定ですが)

しかし日本車って巨大化(車体、エンジン、)していますが、重量が増加すると燃費は悪くなるしハンドリングも重いブレーキも強化必要・・・それを3.5Lだけど半分休止して2L並とか4輪電子制御とか大径タイヤに大径ブレーキとか、でまた重量増加で・・・それに比べてインドのT社の割切りは潔い感じがします。でまあ他社がなんか気になるの出したら追従するT社が・・・
そもそも日本人ってアメリカやヨーロッパ人に比較して体格が小さいのだからそんなにデカイ図体の車は必要ないんじゃないかと。

自転車はというとヤハリ外車ブランドが強いですね~。

はたまたガソリンエンジンも最後なので持ってるもの全部だして、次の電池自動車にタッチかな~。

投稿: morimori | 2008年3月27日 (木) 23時14分

こんばんは!
二日酔いも同じですよね!そう思います。

自転車をダイエット目的に選ぶとしんどいですが、自転車生活が健康や環境に良いのは間違い無いのは確かですね!

ところで、もう桜の開花宣言がされ、春がやってきました。
自転車、単車の季節です。ブームもあって自転車に乗る人は更に増えそうですね!

投稿: 壱源 | 2008年3月27日 (木) 00時30分

>過ぎないと気付かない
なるほど!
お酒も飲みすぎで二日酔いにならないとどこまでが限度か分らない??? これは違いました・・・(自分に言い聞かせる為に書いていたりして・・・)

自転車はダイエットには難しいかも知れませんが、健康にも環境にも良いのは確かだと思います。

投稿: morimori | 2008年3月26日 (水) 22時28分

こんばんは!
ダイエットしたいってのは意欲として長続きしにくですねぇ、、。
健康になりたい!ってのは、結構モチベーションを維持しやすいですが、それ以上に、思う存分に食いたい!って意欲で運動し続けることは出来そうですね。

まぁ、何にしろ、過ぎたるは及ばざるが如し!です。

でも、過ぎないと気付かない世界があるのも事実ですね。

投稿: 壱源 | 2008年3月24日 (月) 23時28分

こんばんは
まあその通りでしょうね。一番簡単なのは食事だと思うのですが、シンプルに考えるとダイエットしたい欲よりも食欲が勝っているからダメなのでしょうね。
あ~、この人痩せたら(太ったら)カッコ良く(orキレイ)なるのにのになあ~ という人をたまに見かけますがもったいないですね。まあ恋愛に関してはとってもふくよかな方が好みの方も見えますのでなんとも言えないかも知れません・・・? そういえば太るのが難しい人っているようですね。
健康に関しては標準が良いでしょうね。
何でも、過ぎたるは及ばざる如し でしょうか。

投稿: morimori | 2008年3月24日 (月) 23時17分

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