研修時の戯言
今、新入社員は導入研修を受けているのだが、彼らの関心事は配属が何処か?ということだろう。しかし、配属先ってのは、各部門長の要求を経営者が判断して振り分けるっていうのが勤務先のやり方であり、配属先が何処か?というのは、仮に総務関連であっても判らない。
しかし、新入社員の疑問というか、好奇心に対して、社内の噂では、●●開発関連かも?とか、結構無責任に解答している模様。そういう質問に対しては、研修過程から経歴から判断すべき時期に、判断する人が判断して通達が出るのであり、決めるのは判断する側なんで気にすべきでないと言えないのが不思議ちゃんである。
曖昧な解答、噂がこうだ、、、とか、そんな話を適当にするのは如何なものか?と思うところだ。
さて、木曜日は大卒採用面接だ。大卒理系といえば夢を持って研究開発志望って奴が多い。新入社員でもそうだ。しかし、こいつらが研究開発の実態や手法を理解しているとも思えない。但し、そういう気持ちにさせるのは企業側の研究開発を売りにした企業宣伝の結果とも言える。
研究開発というのは、口で言う程簡単でない。新たなモノ、原理を発見して知見を切り開くのが開発であり、それは、前例が無いから難しい。前例が無いモノを見つけるというのは、既存の常識、技術的限界の理由等々を理解しなければ先が無い訳で、当然、知識として一定レベル以上の常識を身に付けなければ、未知を切り開く事は困難。
その困難さは、既存に限界がある理由を把握しなければ判らない。それ故に、口で言う程、綺麗な世界でもないし、結構、泥臭く、手間が掛かり、結果が出るとも限らない、そういう混沌を相手とした仕事となるわけで、知識、経験、精神力、自信が無いと出来ないモノ。勿論、努力が結果に結びつく保証も無い訳であり、それを容認した上でサポートする体制、組織、スタッフが必要不可欠であり、そんな大変な事を新人個人1人に負わせるというのは原則不可能である。そういう事を理解するというのが、開発行動を取れる組織の資質というモノ。見た目の売り上げや利益の額面は資質と一致しないのは当然。
開発を売りにした企業PRが、入社してくる人、志す人の印象と乖離するかしないかは、本当の意味で企業に資質が在るか否かで決まるもの。企業の資質というのは、そう言う意味で非常に重いのである。PRする開発という言葉の本当の厳しさを知らないが故に、関係無いセクションから開発という言葉が軽薄に使われる訳であり、研修体制を見ると、そこにも、資質不足が伺えるのは気のせいだろうか?
面接活動を行ったり、リクルートを行ったりする事もあるが、あまりにも現実と乖離した絵空事を宣伝して、これからの人の人生設計に誤った判断をさせてしまうのが非常に恐い。自分が話す場合は、本当の意味で感じた事、実態、考え方を伝えた上で、検討をお願いするということ。騙し討ちで拉致するような採用、リクルートだけはしたくないのである。
実際、同じ出身大学で、以前の部下の後輩も入社した実績もあるけど、辞めていった奴もいる。そういう奴の言い分は、『こんな筈では無かった、、、、』という事。少なくとも、自分の周りでそういう後悔をさせたくないというのがホンネである。
勿論、人生において、そういう開発行動を一生行いたいという意識もあれば、そこそこの安定で、そこそこの給与、十分な余暇で楽しく過ごしたいとか、地元就職をなによりも優先するとか、或いは、過去の競争社会に疲れてレベルを落として楽したいとか、、、、入社動機のプライオリティーは人によって違う訳であり、何を求めるか?は人次第である。
そういう色んな考えで、自分の判断で行動すれば何の問題もないのであるが、少なくとも、現実と乖離した虚偽的な情報によって、各人にとってのプライオリティーの高い分野での判断を誤ることの無いように望むのである。
特に、採用や研修という状況では、最低限度、戯れ言とは言え、あまりにも無責任な発言は慎むべきである。
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