メタボ健診制度に一言。
4/1からメタボ健診がスタートした。今や、メタボって言葉を知らない人も居ない。超メジャーな語句だ。この制度の建前上の根幹は、重大疾病予備軍を発症前段階で自覚付けさせて、高額な医療費が発生する前に、本人の自立によって治癒させて増大するであろう医療費を削減するってのが目的。
しかし、現実には、メタボ健診の義務化って事で、それをビジネスチャンスとした商品や、昔では考えられなかった生活習慣病診療科というモノが創設されたりと、その世界でも本来は発生しなかった診療費用が発生するという矛盾も抱えている。
仮に、本当に国民の健康を望むので在れば、生活習慣病診療という科目は完全に無料化すべきでは無いだろうか?
元々、メタボリックシンドロームっていうのは重大疾病予備軍であり、予備=未発症であり、治療対象には含まない筈。発症前治療っていうのは、虫歯に例えれば、痛くない状態の虫歯みたいなモノ。その予備的状況で検査義務化はいざ知らず、それを改善させるのを強制するっていうと、改善のための医療行為を強制するということで、その医療行為による医療費発生というのも変な話である。
重大疾病発症前に改善指導するという志は高尚なもので良いと思うけど、それを国民のためと言うならば、検査から改善指導迄完全無料で義務的に行うべきでないだろうか?更に言うならば、本来の疾病予備軍=身体の自由が効く人であり、ならば、その自立性を働かせるっていうのが一番。
変に生活習慣病診療科で治療させるという、あくまでも強制行為に頼るのではなく、予備軍該当者本人に努力義務を負わせるような政策の方が有効ではないだろうか?
メタボ健診の無料義務化を前提に、その予備軍状態からの変化傾向を本人の医療負担に反映させる仕組みを提案する方が、本人の自立性を養わせ、モチベーションを高めるに効果的ではないだろうか?
特に、該当者年齢では相応の健康保険の負担を負っており、その負担額に一定の加減を付ける事で、予備軍状態の方の自立意識を高揚させる仕組みの方が遙かにスマートだと思う。保険を負うにしても、保険のお世話になる可能性の高い人ほど、負担を負うってのが原則だと思うが、少なくとも、将来健康保険制度のお世話になる可能性の低い人ほど、負担軽減のメリットを還元すべきだし、将来健康保険制度のお世話になる可能性の高い人には、重み付けをする事自体、理に適っているのである。
仮に、現在のメタボ区分該当者を見れば、保険優遇処置よりも負担処置を受ける人の方が多いのも確かであり、その優遇性を目指し、1人1人の自覚が高まれば一石二鳥だと思うのは、単純すぎる考え方だろうか?
一昨々日に、暫定税率に対する疑問の記事にコメントを頂いた中で、今、政治がすべきは他にもあるとの意見を見つけたが、誠にその通りで、税制、保険制度の抜本的な見直しと、理に適った制度運用が衆知に明らかな体系を再構築するのが必要ではないか?という意識で、今回の記事をアップしたのである。
本来、疾病予備軍が予備状態から帰還し健康になるってのは、本人のためであり、その自覚高揚こそが目的である。その理に適ったのは上述のような仕組みだったりすると思うのである。
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