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2008年4月16日 (水)

フィブリン糊

 表題の縫合用接着剤が80年代に大量出血を伴う外科手術で使われた可能性があるとの話である。これが原因で肝炎に感染している場合があるとの報道で、次から次ぎへと出てくるのには呆れるばかりである。

 以前、フィブリノゲンで肝炎ウイルスに感染する可能性のある期間を調べた結果が

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2008/01/c_eb65.html

 の記事であり、要約すると感染リスクを持つ血液製剤は1964~1965年、1985/9~1994年に製造されたモノ。この間の期間は製剤の殺菌処理の変遷により偶然にも肝炎ウイルスが殺菌されていたという幸運により生じたのだが、今、特に問題となっているのは1985/9~1994年迄にフィブリノゲンを使われた場合がリスクを抱えるという事である。

 この問題と似た問題だが、フィブリノゲンを原料としたフィブリン糊も外科手術での縫合用接着剤として使われていたのが今回の事件。

 厚生労働省のサイトによるとフィブリン糊が使われた医療機関も判明分を掲載しており、

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/01/h0117-2/index.html

 に掲載中である。
 但し、この医療機関公表迄には相当な時間と手間を要しており、その理由っていうのは、糊による薬害報告を意図的に隠蔽するという薬剤メーカーや厚生労働省の隠蔽体質、責任逃れ体質によるものであり、真実は闇の中である。

 少なくとも、フィブリン糊の問題提起の期間は1981~1988年のミドリ十字製造のフィブリノゲンを利用したフィブリン糊という事だが、先述のフィブリノゲンで1985/9~が危険対象とされているのと時期的な連動が取れていないのは考え過ぎか?20年以上の前の事で記録が失われているのか?ともとれるが、なんか、この辺りの方向の出し方が小出しで責任を極力回避しようとしているように見えるのは自分だけだろうか?

 以前、難病医療、先天性重大疾病については完全医療を補償して生活活動の平等性を確保すべきって意見を記事にしたけど、このようなウイルス性の薬害を多数を占めて患者に大きな負担を強いる疾病に対しても、補償と医療を完全に国家の責任で行うべきでは無いだろうか?少なくとも、責任の一部でも国家が負うべき問題に対しては、生活を保証する義務が国家にはあるように思う。

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