電磁波と健康
勤務先の会社では、海水中微生物の殺滅システムの開発に大きな関心を寄せている。
具体的には、環境問題として取り上げられている船舶運航に伴う生態系の破壊に大きな影響を及ぼす船舶バラスト水中の微生物を殺菌するという事が関心事であるが、これは最近マスコミに取り上げられているように、船舶の運航に伴い、違う地域の海水が別の地域で排出されて海水中に含まれている微生物が生態系を破壊する事が問題視されている。
そんな問題の対しては、船舶の運航に際して出し入れするバラスト水中の微生物を殺菌するという国際ルールが決まり、そのルールを満たすシステムの開発競争が業界内で繰り広げられている。
そんな競争であるが、勤務先の会社も、その競争の一部に足を突っ込んでいる。
しかし、残念ながら、そのシステムのコア技術に関しては他社であり、その技術を構成する基本部品の供給というレベルに留まっているのだが、そのシステムに必要な基本的な装置の製造を受け持つ事によりビジネスに繋げようと努力している。
そんなシステムであるが、このシステムは基本的に下記二つの技術によって成立している。
1.海水中の微生物を殺滅する新技術部分
2.海水をハンドリングする既存技術部分
勿論、金になるのは1.の部分だが、2.の部分を多く受け持つ事によってトータルのシステムに多く関与できるという算段で取り組んでいるのが現状。
しかし、ホントに美味しいの1.のコアを抑える事。
でも、船舶に積み込む程の海水中に含まれている微生物、プランクトン、卵といったモノを殆どパーフェクトに殺滅するっていうのは非常に厳しい技術であり、量から言ってもエネルギーを多くは費やせないというジレンマを抱えている。
そんなコア技術は、非常に難しいのだが、色んな要素技術とその組み合わせによって数多くのトライが成されている。例を挙げると
A.オゾン殺菌・・・・発生器が高価、スケールアップ実績無し、システム起動時間長い
B.紫外線殺菌・・・殺滅率が低い、紫外線照射装置が高価、エネルギー消費莫大
C.次亜塩素酸殺菌・・・塩素の後処理が問題。薬剤は陸上基地から供給
D.過酸化水素水殺菌・・・薬剤を陸上基地から供給。更に、薬剤保管が難しく危険。
E.変動圧力による物理殺菌・・・エネルギー消費莫大。殺滅率が低い
F.物理的濾過・・・各処理の前処理的な技術。
等々であり、実は決めてに欠けているのが現状。で、トレンドはC.D.のような化学処理と他の処理を組み合わせて望んでいるのが殆ど。
しかし、化学処理の場合は、その薬剤を搬入する設備、保管する設備等に膨大なコストが発生するのが問題だ。地上基地を整備する場合は、その設置場所を起点とした就航しか出来なくなるし、継続的な利益は薬剤製造事業所にもたらされるのが美味くない。
やはり、考えとしては船舶で完結するシステムが望ましい。個人的には、船内動力源を利用する事が良いと思う。手法としては、薬剤は処理、搬入という面から却下、海水に電気を用いる方法も塩素発生が懸念されるので難しい。しかし、ビジネスとして考えれば誰かが何かを発想しないとダメである。そういう発想は自分以外の人の全く違う発想が必要だ。
なぜならば、仮に自分がするとすれば、オゾン、紫外線は論外となると、最終手段としては磁気を利用する事。そして磁気装置と一般の化学装置を組み合わせる事くらい。化学装置の場合は基本はシンプルだが、その分、殺滅率も高くは無い。すると、強磁場を用いたシステムか?と言う事。
そう思っていたのだが、こんなブログに考えを書くくらいだから、自分自身は着手する気は殆どない。有望なのは磁気だけど、磁気殺菌を行うには相応の実験も必要だし、相当な磁場を作る必要もある。そんな実験を、こんなちっぽけな会社で自分主導でやるのは、相当に怖いのである。少なくとも既存の会社の製品に改造を施して装置を試作する事も可能だが、殺滅能力を高めるには、当然生体への影響も大きくなる訳で、そういう機械を作ってみるのは、どうしても色んな事を考えてしまうのである。
何故って?電磁場は発ガン性に影響があるかもって説もあるが、個人的には、その説に大きく頷ける所がある。実験中は磁場の影響受けまくりかねない。そう思うと、自分の健康を考えると、一寸、躊躇するというか、乗り気になれないのである。
http://www.lifence.ac.jp/goto/weblifence/spe/spe25-1.html
http://www.d2.dion.ne.jp/~chusan/emwave/denji_00.htm
http://www9.plala.or.jp/rescue/denjiha.html
んなサイトを初めとして、結構色んな事例が紹介されているが、疑わしきは近寄らずがモットーなのである。少なくとも、磁場によって生物を殺す事が目的な装置であり、その磁場に近づいて実験するのは嫌なのである。
まぁ、自分に命令が来た訳でもないし、自分で方法を考えても、自分で方法を否定しているのは、何だか、支離滅裂である。ただ言いたいのは、そういう電磁波が健康に影響を及ぼすって考えでは、電子機器に埋もれた生活っていうのも考え直す必要があるかもしれない。パソコン、携帯電話・・・・色々である。
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