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2008年5月22日 (木)

発想の転換

 昨日の続きネタだけど、硬質粒子に対する耐摩耗性確保のために、何故、10年前の当時は硬質摺動材料を用いる事に決めたのか?を、思い出すと、やはり硬質粒子の噛み込みによる異常摩耗を抑止するには、硬質粒子を圧壊して、磨り潰してという印象からの話であり、そのような考え方は、当時の段階で、すべり軸受を開発していた機械メーカーの常識に起因しているもの。

 しかし、この既存の常識を安易に受け入れる事によって、トライボロジー的に、理想的な摺動形態が具体化できなくなるという事には全く気付いていなかった。当時以前に、最初に硬質摺動材料を用いるという発想を行った人は、恐らく、その問題を見抜いていたのではないだろうか?と思うけど、自分を含めて、原理的な追随者は、その本質が見えていなかったんだろうと思う。

 勿論、理想的なコンディションの元で使われる場合は、本質で抱える弱点が大きな問題とはならない筈だが、現実の世界では、セラミックス製摺動材料を用いた滑り軸受が非常に多くのトラブルを起こしている。このトラブルは、下水用等の公共設備から、民間のプラント、船舶等の設備の至る所で発生しており、勤務先外であっても年間百数十件の事故が発生し、暗に処理されているのが現実だ。

 この不具合原因は、理想的なコンディションから外れた状態によって生じるモノが多いが、その理想からのズレが事故に到る原因の誘因となるのが、実は、先の理想的な摺動形態が保てないという問題で、硬質摺動材を用いると必然的に生まれる問題である。

 この問題は、硬質摺動材の製造プロセスや加工性によってもたらされるものであり、解決には硬質摺動材の使用を諦めるしか無い。この諦めるという考え自体が、発想の貧困さを表しているモノであり、硬質摺動材が不要となるような構造を編み出せば何の問題もなくなるのである。そうすることによって、製造プロセス、加工性に起因する妥協は発生せずに、理想的な摺動形態を具現化する形状を実現することができる。勿論、理想的な摺動形態とは何か?は、ここでは書けないけど、そういう発想の転換こそが、全く新しい発想に必要なものでは無いだろうか?

 ホント言えば、こういうアイデアは継続的な思考で、もう少し早く生まれ、結果になっていただろう。このアイデアは色んな所で使う事が出来るものだが、こういう新発想を具現化させるための組織が必要な気もする。

 まぁ、企業というのは営利集団であり、将来利益を生むかどうか怪しい考えに投資する程の余裕が無いのは理解できるが、新しい考えを具現化することで競争力を付けなければ、製品が利益を生む体質に為れないのも真実。
 企業の姿勢としてそれが見えるのはホンダ(本田技研、HONDA)だ。車、単車に限らずあらゆる産業機械を手掛けているし、その視野の広さは、他の自動車メーカーの比ではない。凄すぎである。まぁ、中の実態の程は知らないが、外から見る限りは憧れの企業である。

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