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2008年5月20日 (火)

新しい仕組みが生むのは?

 先日、無潤滑滑り摺動システムの一翼を担う材料の話をした。これは、軸材料で、膨張係数が通常材料の1/10~1/50、摩擦係数も1/2~1/3、比較的高硬度で耐摩耗性を持ちながら、絶対に脆性破壊しない複合材料だ。

 この材料、本来は摩耗性粒子スラリー中と完全無潤滑中で、滑り摺動を可能とせしめる材料だが、この材料の相手(即ち、摺動システムのもう一方側)は、完全なセラミックス材料で絶対に腐食しない非常に高硬度のセラミックとなっている。

 そう、耐摩耗と無潤滑という相反する摺動を実現するのに、超高硬度セラミックスと特殊な複合材料を用いているのだ。

 このシステム及び構成材料は全て独力で開発したものだが、実は機械システムはトライボロジーの理屈から見ると大きな矛盾をはらんでいるし、開発当初の耐摩耗性を重視しすぎるあまりに、材料物性に依存しすぎたシステムデザインとなっている。具体的には、耐摩耗性を重視した流体潤滑という括りでは、滑らかな連続摺動面が必要だが、滑らかは兎も角、連続摺動面を作るには限界がある。特に大型化する程に難しいのは、超大型のセラミックスを焼成する難しさから容易に想像出来る事。更には、不連続摺動面端部は確実にエッジ形状となるのもNGだ。この辺が大きな矛盾だし、実際、多額の費用を投じて製造プラントも製作したが、これは或る意味必然であり、特殊な材料物性に依存するということは、特殊な材料素材全てを自分で製造しなければならないというコスト負担要因を抱えているということ。

 特に、勤務先は素材メーカーでないために、その担当は非常に特殊な状況となるのだが、その作業を担う人間の思考や人間性によって非常に大きな不安定要素を抱えている。なんたって、専門家とは言えない畑違いの人間が作る訳だし、人間の生活環境も他の従業員からは特異に映るのは間違い無い。勿論、素材メーカーでないので、その部分に多くの人的資源を投入するのもナンセンスだし、よくある拝金的価値観で残業時間重視の人間(本音の部分でカネのために働くという人)では勤まらない。
 なぜならば、専門外製造でありコストは為るべく圧縮したい思惑があるからだ。

 そうはいっても、作業員(及び周辺環境)が不安定では製造できないし、代わりを教育するのも一般の拝金的価値観に囚われた人が対象では難しい。

 その問題を解決するには、先の摺動システムをより汎用な手法でスマートに再構築する必要がある。
 既存の摺動システムの新しい一方は汎用複合素材、初期開発の一方は特殊セラミックスだが、新しい方は外部調達が可能(実際、外注で賄っている)。そこで、特殊セラミックスの必要条件である耐摩耗性の確保を材料物性に依存しない機械デザインで解決する方法を発想し、材料自体は汎用材料で賄うシステムのプロトデザインが完了したところ。
 このプロトデザインの実証試験は今(6/30入荷予定)から行うけれど、もしコンセプト通りに機能すれば、先に述べたトライボロジー的な矛盾は解決できる方法で、更には、硬質スラリー摺動を汎用材料で賄うという逆転発想デザインである。
 そして、このような発想は従来機械システムには前例が無く、先に開発した汎用複合素材の思いがけぬ利用方法の発見にも繋がるということで、その複合素材の利用普及研究会への参加を表明したところ。

 こうすれば、自分の好奇心である誰も思い付かないデザインの発想と、不安定な作業員の精神状態も解放可能となるし、一石二鳥である。でも、実際問題、何処にもないモノが実際の公共設備で使われているのを見せる出張に行かせたりして、結構、普通では体験出来ない経験させているつもりなんだが、、、、少なくとも、全く新しいモノが出来上がって、それが初めて実際に動く瞬間を見て、それが実際に使われていく様なんて、タダの工員、製図作業員には絶対味わえないモノなんだがなぁ、、、。自分で考えて、考えたモノが形になって、実際に動くのを見る満足感、これはスケールアップとか、トレースの世界では無いものだ。
 まぁ、ネジの数でも数えたり、伝票枚数数えたりするのが良いならそれも人生だが、、、

 様々な状況があるけれど、どんな状況であっても、その解決は、前進性を持った発想の組み合わせて対応すべきというのが持論だ。この方針が吉と出るか凶と出るかは知らないが、まぁ、少なくとも状況が変化するというのは間違い無い。

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