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2008年6月 5日 (木)

過酸化水素水+過酢酸の過酢酸はCOD源だ。

 先日から殺菌薬剤である過酸化水素+過酢酸の廃液処理は?って検索でお越し下さるお客さんがいるようだ。そこで、まずは聞き慣れない言葉の過酢酸って言うのは何かを追記しておくと、このMSDSは下記参照。

http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/1381.html

 で、次に、これ関連で、折角だから知っている範囲で廃液処理に関連する知識を少々、、、、。

 一般に、過酸化水素及び過酢酸の廃水は、COD源となる酢酸を多量に含んでいる。CODとは水中の汚濁物質が化学的に酸化されるとき必要とする酸素の量をいい、この値が大きいほど水は汚れていることを示す。海域や湖沼の汚染指標。いくら外来微生物を処理しても海域海水を汚染しては元の木阿弥、、、、。そのために、一般には生物処理が必要だ。しかし、この生物処理対象の過酢酸廃液が殺菌性を残有していた場合、廃液自体が生物処理層の生物を死滅させるという矛盾を抱えている。そのためには、この排水成分を生物処理前に分解処理する必要がある。この排水成分である過酸化水素水の分解方法は、

 アルカリ剤でpH調整して分解する方法、亜硫酸ナトリウム等の還元剤で分解する方法、酵素添加で分解する方法があるが、これらには欠点がある。それは反応時間が掛かりすぎたり、処理薬剤が大量に必要となったり、排水成分の一部(過酸化水素のみ)しか分解出来ない等だが、このような欠点があるのを忘れてはならない。

 過酸化水素は兎も角、過酢酸という環境阻害因子指標であるCOD値に影響を及ぼす物質を閉鎖港湾内に排出するというシステムであるがために、各地の法令に準拠した処理システムを開発する事が大事である。因みに、食品工業等で用いられている過酸化水素水+過酢酸の洗浄システムでは排水処理としては、

http://www.mgc.co.jp/news/1999/pdf/990921.pdf

 んなモノを利用したりしてる。

 他の特徴は前記事に纏めてあるので、興味があれば参照願いたい。

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2008/05/post_645e.html

 である。
 因みに、表題の薬剤はドイツの企業で製造され日本の企業が販売代理店になっているのが有名だが(K化学工業のパラ○リーン)、これは過酸化水素水こそ15%以下だけど、酢酸+過酢酸で50%も含まれている薬剤。これを1000ppm程度(薬剤利用企業グループによって差異があるが)混合するということで、その廃液は聞くところによると、処理は不要とのことだが、果たして、無処理が容認されるか否かはこれからのテスト次第。

 ところで、物理殺菌、化学殺菌しても生じるのが死骸である。死骸は無害か?っていうと、案外そうでないのも盲点である。例えば、日本では浮遊物質量(Suspended Solids)って扱いで、汚染物質にカウントされるのである。まぁ、量的に問題になることは無いけど、、、一応情報として、、、、。

 因みに、この辺の知識は、大学一年の時の一般教養科目である『福岡教授』の『環境地理学』と大学三年での選択専門科目である『砂原教授』の『水処理工学』で習った知識に、若干の知識を補填したモノ。それ故に、情報の精度としては古いかも知れないけど、まぁ、話のネタ程度にはなる常識的な知識だ。

 まぁ、今時、こういう殺菌剤を使ってバラスト処理を考えている企業様なら、このくらいの知識は誰もが持っている知識だし、恐らくは、廃水処理の薬剤コストも当然考えているんだろうとは思うけど、念のため、、、、、。

 勿論、俺的には、この方法はベストとは思わないし、やはり三菱さん+日立さんの方法や住友電工さんの方法が良いなぁと直感的に思うところ。

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