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2008年6月11日 (水)

未来は明るいか?

 最近のニュースは明るいニュースが少ない気がする。
 政治の世界でも、税金の無駄遣い、不祥事、企業の世界では偽装、改竄等々と結構嘘だらけが発覚している。勿論、このような嘘は昔からの習慣で、今はそれが露呈する頻度が高くなっただけなんだろうけど、、、、

 生活に目を向ければ、財源不足で各種増税論議がニュースを賑わしている。制度的な不具合も指摘される頻度が多い様子。。。

 世界における日本って見ても、最近はやや円安気味に振れてきて輸出企業は一安心なんだろうけど、資源を輸入に頼っている日本では、輸入品全ての品目の価格が鰻登りで上昇している中で、円安っていうのはメリットとして作用するか?というと、デメリット的な要素の方が大きいのでは?というのが素直な感想だ。少なくとも輸出品で円安下で価格競争力を保つという論理では、日本の製品の競争力は価格の一点という感じが強く、価格勝負で後進の各国に勝ち続ける事は不可能では?という理由だ。

 そうすると、景気後退局面で、輸入品目の異常な高騰、円安による資材収集能力の低下、、、による景気後退+物価上昇という、どうにもならない状況に突き進んでいるようにも思うのは考えすぎだろうか?これまでの景気の拡大期こそ円高誘導すべき時期であり、景気が後退局面に入ってからは必然的に円安となるだろうけど、この円安でのメリットと言えば一部輸出産業における極めて限られた期間に限定された効果しか得られない。円安がデフォルトとなり、輸入資材の高騰が続けば、円安であっても製品価格は高止まりして、海外製品に対しても価格競争力が持てない状況になるのでは?というのが印象だ。
 識者の中には現在の原油相場が狂乱的と否定する論調があるけど、原油価格が日本にとって適正な価格迄下がるという理由が見えにくい。産出量規制があっても消費が一定ならば価格は落ち着くと考えるのが普通だろうけど、中国、インド、ロシア、ブラジル・・・といった経済発展の活発な国の需要は旺盛であり、消費が一定に留まる理由は見当たらない。世界の人口増加、生活様式の西洋化が進むにつれて限られた資源の獲得競争は日増しに激しくなるのは間違い無い訳であり、そういう観念から見ても、原油相場が狂乱的と否定するのも難しいのではないか?資材の需要増に対し強い通貨によるメリットを享受できるような価値創出の力を持つことこそが重要だと言える。

 地球温暖化対策云々での欧州、アメリカの立ち位置と日本の主張っていうのも何とも理解し難い話の方が多い。例えば1990年当時の排出量に対して-6%到達という目標に対して、今の話が当時既に省エネ大国だったとか、、、、そんな話は、-6%を決める段階で主張すべきだし、相対的な増減以前に、国家としての取り組みが欧州に対して後れているのは一目瞭然だし、排出削減が個人意識改革に依存している現状は大きく後れていると言わざるを得ない。
 欧州がこの分野における価値観を創出し世界をリードし市場を創出するという状態に対して、アメリカはアメリカの主導する価値観を世界のスタンダードにしたいという事で合意形成が困難というのが実態だろうけど、日本の主張は、価値観を作るというのではなく価値観には乗っかるモノという前提で産業界の機嫌を取る事に終始しているように見えるのが正直な感想。
 少なくとも、環境面に関しては、今後の環境技術の発展で日本は、今の日本を牽引してきた産業に引き続き頑張って貰うという前提で、大きな意味で産業構造の変化は望んでいないように見える。結局は、日本はあらゆる分野において、古い価値観、その価値観を築いてきた組織を守るという前提でしか物事を捉えていないように感じるのは気のせいだろうか?

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