運動弊害論
運動の弊害論を唱える話もあるが、その話の代表的な話が『活性酸素による老化、疾病発症』って奴だ。活性酸素が癌、老化、生活習慣病の原因という説を唱えるサイトは異様に多い。活性酸素っていうのは、ネット情報によると摂取酸素の内2%程が活性酸素となって、これが細胞に対して様々な害を与える。よって、運動をすれば必然的に活性酸素発生量が増加するんで、運動=活性酸素という事で、運動は良くないという説だ。
更に見ると、活性酸素を抑制する物質がSODって酵素(スーパー・オキサイド・ディムスターゼの略で、酵素の一種で、有酸素運動領域では体内で生成されるらしいが、40歳を過ぎると生成量が減る?)で、これに似た物質をサプリとして販売している所もある。
ということで、活性酸素、SOD系は通販系サイトに沢山掲載されているようだ。
ということだが、この活性酸素、SODって話も分からないではないが、あくまでも利益誘導サイトでの説明であり、その先にはサプリ等の購買意欲に結びつくような論法っていうのが怪しいと思う。
この活性酸素+SODって論法には、本質的運動不足によって体内環境が健全でない状態の人の運動による弊害を棚に上げたストーリーに感じられるのは気のせいだろうか?引き合いに出されるスポーツ選手の故障や寿命の短さを紹介しているが、その対象っていうのが、これまたブロイラー?的にサプリ系物質、化学物質を利用したり、通常の生活リズムからは破綻したと言わざるを得ないアスリート、或いは、体力強化に高度な超回復を繰り返させる事によって発達させたアスリートをターゲットにしているが、それは一般的に健康という状態とは違うモノでは無いか?というのが素直な感想である。こういう特化した環境のアスリートの健康状態を引き合いに出して運動は健康に悪いという説に展開するには無理があるように思う。競技系アスリートの身体能力アップには今や化学的(科学を敢えて使っていない)手法は欠かせない訳であり、その手法の方が健康に対する異状に繋がるっていうのは、ドーピングによるリスクと等価なモノであり、一般人が日常できる運動を普通に行う程度で、筋肉隆々なアスリートになる筈ない。
競技に勝つために、過激に求める形を求めるのに、人工的な化学物質を投与する事自体が健康の阻害因子だと思うのである。同様に、不健康からの脱却に人工的な化学物質を併用して行ったりするのもNGと思う訳だ。
重要なのは、自然な日常生活で動ける範囲で動くというスタイルでの運動が必須であり、少なくとも、ライフスタイルの中で毎日続ける事が出来る程度の運動が身体に悪い筈もないと思うのである。ここで言うライフスタイルとは、人間の生活の歴史でスタンダードとされている習慣の事で、三食定刻にバランス良く食う。そして早寝早起きのリズムを確立した上で成り立つ生活習慣のこと。
上記SODって抗酸化酵素も20代迄は作られるけど、40代になると作られないって説を唱えるサイトは多いけど、仮にそれが事実としても、その原因が加齢による能力低下に依るモノなのか?或いは、加齢による生活環境の変化(40代なら高栄養食+酒、煙草+運動不足)によって衰えるものなのか?或いは、分泌される量が成長という細胞分裂の回数に連動している生体現象のためなのか?っていう風に原因を特定する情報は皆無であり、ネット情報では40代では急激に分泌されなくなるので、人為的に補給すべしという論理は飛躍の度を過ぎていると思う訳だ。
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