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2008年7月 3日 (木)

新しい技術の環境負荷

 最近は新興諸国の発展で食料、資源の争奪戦が展開されている。
 この争奪戦は、基本的な食料、利用しやすいエネルギー以外にも、高度な機能を持つ製品を作るに不可欠なレアメタル等稀少性の高い材料に到るまで行われている。

 さて、最近思うのは、レアメタルを使う製品っていうのは、高度なプロセスを用いて全く新しい素材、材料、構造を生み出し、省エネ、環境負荷低減に貢献しようって流れがあるのだが、新しい、高度な技術で生み出されたモノっていうのは、殆どの場合は、廃棄物化した時に処理に手こずるというジレンマを抱えている。

 自動車産業等ではリサイクルについて研究が進んでいるけど、それにしても使用材料の複合化が進んだ現在では、その新素材のリサイクルというのは、コスト的にみると非常に難しいのではないか?と思うところである。
 過去の例でいうと、レジャーボート、漁船で用いられていたFRPという繊維強化プラスチックが良い例である。
 材料が複合化、それもナノレベルでの複合化であったり、表面処理であったりと機能を特化させる緻密な技術が多く投入される程に、後の単体回収には大きな障壁になりかねない気がする。

 最近では、高度な制御で生まれる金属間化合物、複合炭化物を用いたスーパーセラミックスもそうだし、今はやりの炭素繊維複合材料とそれを利用した機械部品等もそうである。高性能、高機能、高強度ってモノほど、後処理に大きなエネルギーが必要で処理が厄介というものである。

 エンジニアとして言うには抵抗があるけど、強引に高機能化を計るために難しく、難解に作るよりも、駄目なモノは駄目的に自然の現象を受け入れて物事を考えていくべき時代に入っているようにも思うところである。

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