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2008年7月 4日 (金)

ゆとり教育

 最近は、ゆとり教育による若年世代の学力低下が技術力低下を招いているという危惧からか、ゆとり教育を見直す機運が盛り上がっているようだ。

 そもそも、ゆとり教育という方向に方針が転換されたのはいつか?を振り返ると、

 1972年(昭和47年)に日教組によって提起された『週五日制』等が発端である。
 その後、1977年(昭和52年)に学習指導要綱が全面改定されたのが教育現場における指導内容削減の最初である。この新しい指導要綱は、1980年(昭和55年)から実施されている。その後も、この方針は堅持されて、指導要綱改訂の度に指導内容の削減が行われてきた。

 その後の大きな全面改定は1989年(平成元年)改訂、1992年施行(平成四年)であり、ここでは、小学校低学年での理科、社会の消滅、第二土曜日の休日化が導入されている。1995年(平成7年)では、第四土曜日も休日化した。

 さらに1999年(平成11年)にも学習指導要綱の全面改定がなされ、2002年(平成14年)からは本格的に授業時間数、内容とも削減されて、完全週五日制になった。

 その後、全国学力テスト等で2004年頃から日本の子供達の学力低下が問題視され始め、2007年(平成19年)、安部内閣の元で教育再生会議等によってゆとり教育の見直しが始まり2008年(平成20年)になって、削減され続けてきた授業内容、指導内容が久しぶりに増加に転じたのである。

 この指導要綱の対象世代は小中学生であり、世代分類を行ってみると、
1.1980年以前に卒業した世代で、ゆとり教育とは無縁の世代(43歳以上)
2.1992年以前に卒業した世代で、ゆとり教育の影響を受け始めた世代(31~42歳)
3.2002年以前に卒業した世代で、ゆとり教育の影響を大きく受けた世代(21~30歳)
4.2008年以前に卒業した世代で、モロにゆとり教育の影響を受けた世代(16~20歳)
5.2009年以降に卒業するであろう世代(15歳未満)
 ということか?

 最近では、『ゆとり世代!』って言葉が虐め用語のようになっているけど、世代を見ると概ね30代以前は全てそういう要素を持っており、その虐め用語が適切ではないのが判るところ。ゆとり世代の定義は様々で、一説によると1987年生まれ(21歳)世代とか、1993年生まれ(15歳)世代とか言われているけど、教育という連綿と続く制度を過ごす訳で、制度の変遷があったとしても、世代を跨って影響を受けているのである。

 そんな事はさておいて、そもそも『ゆとり教育』っていうのは、それまでの過度な指導量から生まれた弊害を改善するための対応だったわけで、『ゆとり教育』の考え方自体が悪かったというモノでもない。ゆとり教育のコンセプトとは『生きる力』を育むことである。この生きる力とは何か?の本質を履き違えたのが、過ちの始まりでは無いだろうか?

 生きる力とは、覚える量を減らすというだけではなく、教え込む内容を減らす事によって生まれる時間を何に使うか?という部分で、教える側が理解していなかった事が諸悪の根元のように思うところ。教える量を減らして、遊べ、個性を育む、、、、といって、本当に生きる力を与える教育を放棄したのが原因であろう。生きる力を教える事とは、考える力の事である。覚える、教わる、習う、、、、って子供から見て、受け身をさせるのではなく、子供達に意志表示させる、考えさせる、という自主性を持たせる教育の事だ。

 指導内容が削減方向に転じた昭和55年以前においても生きる力が欠如していたというのが真実であり、ゆとり教育世代がどうこう言う前に、日本人全体として生きる力が身に付いていないというのでは無いだろうか?

 何故にそんな事を思うか?っていうと、会社勤めで様々な交流があり、そこには、自社、他社、経営者、新人迄様々な交流があるのだが、この人は自分で物事を判断して決断しているって思う場合が極めて少ないからである。何かするにしても、自身で判断して行うとか、自分で問題意識を持って解決策を編み出すとか、、、、そういう人っていうのは世代を問わず非常に少ないような気がするからである。

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