バラスト水ネタに注目!?
最近は、過酢酸、過酸化水素水、紫外線、磁気、熱処理、、、、というバラスト処理関連でアクセスが公的機関、企業から増えている様子。興味深いものである。
そんな中、実は未だ一押しとされる処理システムは定まっていないのが現状である。しかし、現状とは別に規制が発効される期限は刻一刻と迫っている。期限が来ても、方法論が決まらないのが現状。決まらない理由っていうのは、技術的な正当性(環境負荷っていうと、異物を放出するか否かの一点で本来は決まるけど、環境基準に定義されていなければOKという定義で決められているのが現状、、、)以前に、本質的に環境負荷を削減する方法よりも、規制に合致する範囲で安価なモノは?って価値観で競っているからである。
果たして、これって安いからシステムとして商売になるという考え方がまかり通るモノなのか?が甚だ疑問である。自身、活性物質を薬剤として使用する手法は、廃液自体がどんな処理を施しても環境的には有り得ない物質であり、そういう手法は良しとしないが、コスト的にみると、薬剤を用いる方法も大きな選択肢として残っているのだが、その事実には傍観者として呆れるばかりである。
質的に、有り得るか?有り得ないか?を考えると、例えば、ダイエットでも動けば問題ないけどサプリ依存するとか、軽微な疾病も薬に頼る前に日頃の抵抗力を付けていれば問題無いものを不調即投薬という行為同様に、本質的な話でなく対処療法的な判断の方が支配的に動くのは、言ってみれば資本主義、利益追求主義の欠点のように見えるのである。
基準に定義されているか否かの判断以前に、定義する前に自然なモノか否か?を判断すれば一目瞭然というのが本来の姿と思うのは変な考えだろうか?
更に、この問題に関して、規制発効の期日と現状を見合わせると、多分、掛け声だけで終わるようにも思うし、規制を現状と照合した上での落とし所を探る動きが出始めるのでは?と思うのである。実際、地球温暖化ガス排出量削減を目標にしつつも、結果的には、植林によって吸収するからOKとか、排出枠の余剰を持つ国から排出権を買うとか、つじつま合わせの論理を組み立てる事に傾注しているように見える前例から考えても、バラスト規制に対しても見ても、内航船、短航路就航船等に関しては海流による自然の流動を加味すると規制は不要という論理に移行しかねないし、既に外来種の定着と繁殖が極度に進行した港湾では、本来の生態系を戻す事自体が不可能という論理が生まれるかも知れない。結果、新しい港湾設備への出入りに関しては、規制が有効となり、手遅れ的な地域では、沖合でのバラスト交換でOKなんて妥協点になったりするのでは?というのが感想だ。
ところで、このバラスト処理システムには、塩素系薬剤、過酸化水素水、オゾン等の活性物質を用いた化学処理法、破砕、粉砕、吸着、濾過といった物理処理法の他に、広島大学、大晃産業さんが開発した熱処理法
http://www.taiko-jpn.com/pdf/2005.04.pdf
なんかもあるようだ。一番は、処理後の残骸廃液を全て回収するという凝集システムが好みだが、熱負荷のみで処理を試みるこの方法も悪くないモノ。
何にしろ、この規制対象は新造船、就航船全てに適用されるものであり、新造船の場合は、それが前提となるので、どんな方法でもそれなりの対応が可能だろうけど、就航船の場合は、結構難しい問題である。設置ユーティリティの確保を考えると、非常に難しい問題である。その難しさにコスト的な制約が入れば、物事が進まなくなるように思うし、結果、つじつま合わせの論理が生まれて有効性の乏しい結果を招くっていうのが一番の危惧である。
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