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2008年7月21日 (月)

ロードレーサー

 日曜の炎天下の中も午前中はロードレーサーに乗って走っている人を何人もパスした。
 何れも高級そうなバイクにレーシーの装備ながらも基本は軽装備で、装備的には長距離では無さそうな感じ。

 ロードレーサーというかロードバイクっていうのは身軽さが取り柄だけど、その分、やはりランドナー、スポルティーフとは少々長距離向けとは言い難いモノ。ロードバイクで長距離というと同行する車両が必須なように思うのは自分だけだろうか?

 その昔、自転車漫画でサイクル野郎って漫画があったと思うけど、その漫画に代表される当時のブームというと、殆どがランドナー、ランドナーで輪行仕様が花形で、亜流にスポルティーフというのが定番だったと思う。
 このランドナー、スポルティーフっていうのは、フロントバックが定番で荷物をそれなりに積載して走るというタイプ。更には、長距離走行では必須のフェンダー(ホンジョの亀甲とか、、)もデフォルトであり、如何にタイヤとフェンダーアーチがタイトかつ同心円に美しくセットされるか?なんて趣味性を競っていたのを思い出す。

 このランドナー、スポルティーフというと、上級車はTAのシクロツーリストでフロントトリプルが定番(マニアックとなるとストロングライト、廉価でスーパーマキシーの3ピン留め)でアウター48T、センター42T、インナー28T(マキシーでは34Tくらい)もあれば、どんな峠も安心という感じだったように思うところ。勿論、リアはボスフリーの5速ないしは6速程度のもの。
 この旅行向け自転車はフェンダー、キャリア、バックがフル装備で、勿論、ボトル、インフレーター、灯火類もフル装備で1日200km以上を淡々と走り、トラブルがあっても完璧に対処可能というものであり、その冒険心が当時のブームを支えていたように思うのだが、今のロードバイクっていうのは、ブームの生い立ちからして少々違うように思うところ。

 当時、ロードレーサー=チューブラーというのもあり、気軽に長距離というモノでは無かったし、当時のギアも前52T-42Tとか55T-44Tで結構脚が必要という感じで敷居の高さがあったように思うのだが、最近は、ブームに乗って一台目がカーボンロードって人も少なくないようで、ロードの気品というか気高さが失われてきたように感じるのは自分だけだろうか?
 乗り手にしても、当時のロード乗りは一目おいて遭遇しても圧倒的な人が多かったけど、最近のロード乗りは雑多な多くの自転車の一ジャンルに成り下がっているようにも思う。取り敢えず、最初の選択肢としてロードが入るというのは、やはり格式を下げているという感じ。ロードバイクっていうのは、自分にとっては気高い、敷居の高い特別なモノって意識があるのだが、日常で見る光景は、ロードバイク=ミーハーな初心者向けなモノって感じが強いのは少々寂しいところである。

 実際問題、当時のロード乗りの印象は、格好こそ今のレーパンレーシャツという専用装備でなくTシャツ+ジャージという汎用ルックだったけど、乗り手のフォルムも様になっていたし、実際の走りも皆さん速いし綺麗というモノ。競技をしているとか、していないとか関係なしに、当時、ロードバイクを選んで乗っていた人っていうのは、競技者でなくとも、ロードバイクに見合ったスキルと経験、速さを持ち合わせていたように思う。それに対して、現代のロードっていうと確かに派手で速そうなバイクにカッコイイスタイルだけれども、そんな様に風体がマッチしているか?というと、寧ろギャップアリアリの方の方が多く、パッと見た印象的にもスキル、経験、ましてや速さなんぞは感じない人の方が多いし、見た目、一流でも乗り姿からオーラを感じる事は稀なのである。そういう現実が、ロードバイクの持つ気高さを無にしているのが寂しいところ。
 これって、単車の世界で80年代の大型車乗りの出す雰囲気が、現代の初心者重量車乗りの下手くそ感に置き換わったのと相通じる感じなのである。

 因みに、当時的な見方でロードバイクの格好良さとは、ランドナー、スポルティーフには成り得ない潔さであり、その潔さは、無駄の無さであり、タイトかつシビアな雰囲気が格好良さだと思っていた。具体的には、フェンダーなんぞ入り込む余地の無いステー、フォークのクリアランスであったり、リアホイールとシートパイプの間の隙間の無さであったり、フロントホイールとダウンチューブの間の隙間の無さだったりするのである。そこに指が一本も入らないという構成が、当時の目で見て渋いって思う点だったと思う。
 どんなに高い材質、コンポで組んでも骨格部分のダルな雰囲気というか間延び感があったら、ロードの潔さは感じれないのである。

 そう思って、今売ってるロードバイクを見ると、そういうタイトな作りのロードバイクっていうのは、案外少ない感じである。特に、フロントホイールとダウンチューブの間隔についてはそういう感じである。ただ、そういう目でロードバイクを見る人っていうのは周りにいないのも事実。勿論、見た目の問題であり、その間隔が広いからダルという訳ではないし、今のトレンドというか、理論とは相容れないのかもしれないが、このタイトな雰囲気っていうのは、今のジャンルでもコンペティブなジャンル、例えば、ピストバイク、トラックレーサーではそういう傾向が強いと思うのである。

 自分の持つカッコイイロード像というと、全体のフォルムで上述の条件を満たしたモデルとなるところだが、そういう目で見ると、今現在、隆盛を誇っているバイクは自分的にいうと、自分が気高さを感じるロードバイクとは違うバイクということにもなるのである。勿論、バイク自体で格好良さが決まるのではないけど、バイクの格好良さは何か?を乗り手が判断する点は、乗り手次第であり、バイクの訴えが乗り手に通じていなければ見出されない訳であり、そういうバイクの潔さをカッコイイの認める人が選んだバイクと、価格とブランドだけで選ばれたバイクっていうのは違うと思う訳だ。そして、なによりも乗って遊ぶモノは、乗り姿を世間に晒す訳であり、乗り物の格好良さを引き立てるような乗り手のオーラが必要って思う今日この頃である。

 乗り手のオーラが乗り物にパワーを与えるような空気感こそが、格好良さに一番欠かせないモノであり、ロードバイクは特にその雰囲気が重要だと思うところである。

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