先行待機対応新型摺動システム試験、その1
本日、表題の摺動システムの試験を行った。
これから定期的に系を変えて最適な組合せを探していく予定である。
この摺動システムはジャーナル軸受の一種であり、ジャーナル軸受で一般的な水潤滑に加え、土砂スラリー潤滑、無潤滑の3つモードを、無荷重、歳差偏芯荷重、軸芯変位による残留定荷重、軸受部振動荷重の四通りの荷重をかけて摩擦係数、絶対的摩耗量、比摩耗量、摺動トルクの連続計測による成績評価を行うモノである。
で、本日は手始めに、基本的なシステム要件を満たした摺動組合せに対して、最も基本的な摺動条件での評価試験を行った。
この評価試験は、摺動システム評価の専用試験機によって行うけど、この試験機は製作してから10年が経過する代物である。機能的には、温度、荷重、振動加速度、変位、回転数等々を連続に永遠に計測する事が出来るシステムであり、長大な連続計測と並行して、高回転する軸の軌跡における振動状態等の監視もオシロスコープ的に全チャンネルで行えるシステムである。
このシステム、先に紹介したように、摺動雰囲気としては、液、スラリー、無潤滑を切り替えて行う事が出来、摺動雰囲気温度、摺動雰囲気圧力も指定できる機構を備えている。
摺動状況のシミュレートでは、回転軸に偏芯ウエイトを用いることによる偏心荷重と調整機構、回転軸に一方向から掛ける定荷重と調整機構、回転軸を支える軸受ホルダーの保持剛性の調整機構、回転軸に対して回転と非同期の振動をファンクションジェネレーターで発生させて負荷させる機構、摺動過程において定方向荷重成分を通常の20倍程度にアキュムレーターを用いて一瞬で増幅させて水撃等の負荷を再現する機構も兼ね備えている。
そんなこんなで結構複雑な機構と計装システムから成り立っているが、全て自作である。但し、10年前の自分の幼稚さが随所にある訳で、メンテナンスしながら作り替えたいなぁ、、、と思う事が多いのである。
さて、こんなシステムを用いて全く新しい摺動システムの試験を開始したところ。基本特性を把握するために、摺動システムの構成材料は最もコンベンショナルな構成で、特徴は構造のみというモノだが、今のところ思いの外、好調に動いている。
予測通りというか、従来の高コストの素材、成型手法によるモノと比較しても、予測通りに摩擦係数的には2/3程度で静定するのを確認したところ。
これから8月一杯を目標に各種データの計測を行う訳だが、取り敢えずは幸先良いスタートである。
因みに、度々記事にしてきた先行待機ポンプが望む完全無潤滑で荷重をかけた状態での全力運転に耐えうる摺動システムの開発も完了しているが、このシステムを用いて評価を行ったモノ。この完全無潤滑摺動に耐え、その状況で想定される異常高温による破断や熱衝撃破壊さえも完全に抑止したものを完成させているが、その摺動システムを更に進めたのが、これから評価するシステムである。従来型システムの唯一の弱点は、土砂摩耗に対して弱い領域が存在する事であるが、今回のシステムは土砂摩耗耐性を大幅に高める事を目的に基本構造の見直しを行ったモノである。
PS 既に、ブログの領域を越えてきたかもしれないなぁ、、、、、。
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