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2008年8月 1日 (金)

集中豪雨、早くね?

 夏が始まったばかりって状態は、本来、大気の状態は安定しており激しい夕立のような雨は普通はイメージできないもの。夏の夕立っていうのはイメージ的には寒気の南下と日中の高温による大気の不安定さが原因で、盆過ぎ以降ってイメージが強いのだが、今年は7月中から集合豪雨のニュースを沢山聞く。

 7月でも、都市の過激なヒートアイランド現象、或いは、夏の異常高温と寒気の接触による局所的な豪雨がみられ、それが最近よく聞くニュースとなっている。
 この集中豪雨は、都市部の舗装された地表面から溢れて各所で床上、床下浸水といった被害をもたらしている。

 そんな集中豪雨から生活を守る設備が、都市地下空間にある地下水槽である。この地下水槽には、集中豪雨による雨水を一時的に溜め込んで、地表に溢れるのを防ぐ設備らしい。そして、この地下水槽は有限のボリュームであり、その流入雨水は流入に先行して排出する必要があり、このポンプが所謂、先行待機ポンプである。

 この都市部の雨水排水用ポンプで特に、地下水槽に水が溜まっていない状態から全速稼働するものが先行待機ポンプというものだが、この先行待機ポンプにおいて必須となっているのが水無し運転でも回転軸の軸受部に水分を供給する注水機構である。
 しかし、この注水システムは保守点検が面倒で、注水システムが立ち上がる迄のタイムラグも無視出来ないという要求から、注水システム不要で水無し運転が可能となる回転軸の軸受システムが開発されている。

 この先行待機ポンプで注水機構無しが前提の場合は、完全な空運転(無潤滑運転)が前提とされるものである。この空運転に耐えうる軸受が必要であり、自分自身は、その軸受材料の開発を今進めているのである。
 この軸受システムは、先行待機ポンプ用軸受システムであり、完全無潤滑から土砂水摺動迄を許容するシステムであるのだが、これを完全にクリアする組み合わせは実は世の中に存在しないのである。

 この軸受システムの全てが滑り軸受であり、その軸受構成は殆どが軸受側が炭化珪素、窒化珪素、炭素を用い、軸側が超硬合金、金属という構成となっている。
 勝負の相手は、この分野のリーディングカンパニーであるE社であるが、E社の技術は私に言わせれば致命的な欠陥を持っており、実際に入手評価すると思わしくない結果となっている。

 これまでに製作した軸受システムを振り返ると、初期のものは軸受にセラミックス、軸に超硬合金を用いたが、その後、軸の超硬合金を全く別の複合材料に変更し、今は、軸受にはセラミックス系の脆性材料を使用しない構造に変えつつあるところ。

 その最新バージョンを現在実験室にて試験評価中である。

 昨今の地球温暖化と都市部の過密化、地方の都市化に伴い、このような集中豪雨の発生しうる期間は長く、頻度も増えつつある訳で、この対策は公共事業体が対応しているのだが、その事業に技術を定着させることが今の課題だ。

 因みに、先行待機ポンプ等流体の搬送機械っていうのは常時安定稼働が大原則であり、如何なる事態が生じようとも、運転が停めれない場合っていうのが存在するのだが、回転機械の生命線は回転軸が廻るか否か?に掛かっている。つまり、回転軸、軸受の信頼性は非常に高いものが要求され、何が起こっても絶対に壊れない、更には、破壊に到る軸の抱き付きを本質的に絶対的に生じないという自然化学的な論理の上にデザインしなければNGである。競合企業は、その本質を隠蔽し、予想外の事態において抱き付く事を黙認した上で抱き付きにくい工夫をしているようだが、発想が全く違うのが今回の開発のキーである。絶対に抱き付かず、絶対に異常状況で形状崩壊に到る損壊をしないというのが売りなのである。

 そのシステムの理想型が、いよいよ完成しようとしているのだが、環境変化による市場への関心の高まりと、市場性のアップは自分にとっては都合の良い状況でもある。

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