自転車競技で死亡事故、、、に思う。
表題の通りに、この週末に行われた丸岡ロードで出場者が事故で亡くなって競技が途中中断されたそうだ。
http://www2.fbc.jp/news/news_133150.html
にニュース記事があるけれど、昨年も13人が転倒落車という事故となったのが記憶に新しい。
自転車競技で事故っていうと、先日のツアーオブジャパンでもゴール後に選手と大会運営スタッフの交錯事故で人が亡くなっている。
競技において死亡事故が起こるっていうのは、自転車競技に限らず、モータースポーツではニュースとして聞く人は少なくないだろう。近年で最大のインパクトっていうと、F1のアイルトンセナ選手の事故死なんかが印象深い。
そんな競技における死亡事故だけど、最近の自転車ブームということで、自転車競技での死亡事故は、そのネタだけでニュースに取り上げられがちかもしれない。
そのニュースの取り上げられ方がどうか?という感想は置いておくとして、果たして、自転車競技っていうのは安全を重視して考えられているか?を考えると、自転車競技自体は競技者が行う上では十分に安全だと思うけど、安全かどうか?は心得次第とも思えるところだが、客観的にみて、自転車競技用装備っていうのは、安全という観点から見ると、決して安全でなく、寧ろ効率追求に特化しすぎているように思う訳である。この効率追求をしながら安全であるためには、使用者はどう心得るか?が欠けているようにも思えるのである。
競技用自転車、通称ロードレーサーでは、少しの体力自慢の人ならば楽勝で50km/hオーバーは実現できるのだが、その速度で走る事が出来る割には、万が一におけるプロテクションっていうのは、リスクに相応していないと言わざるを得ないと思うのである。
リスクに相応していないっていうのは、制限速度30km/hの原付バイクに較べても、装備のレベルは貧相なのが現状である。しかし、その装備が貧そうなのは、本来、競技用自転車であり、競技環境の中では公道内における乱雑さ、雑多さが除外されており、その特化された環境で最低限のプロテクションを考えれば良いという前提で販売されているもの。だから、ロードレーサーに相応した装具が売られていると思うのである。だから、ロード用装具っていうのは、競技環境での使用が前提であり、一般公道では、過信すべき装備ではないことを心得るべきだし、一般公道において練習ということで、集団練習とか集団スプリントとかの競技の模擬的行動をすべきでは無いのである。厳密に言えば、集団で引く、引かれる等の風よけ云々の密着走行も車間距離不保持となる筈、、、。
競技用装具を装着するのは自由だが、そんな装具とバイクにのって競技者気分で公道上で騒ぐのはナンセンスである。公道においては、目的外の他者との交錯が前提であり、公道の使用権に優先は無い訳であり、何が起こるか判らないという気持ちで、干渉を避け、ハイテンションバトルとなる集団走行はすべきでないのである。考えてみれば、集団スプリントゴッコは、単車等で行えば、『集団暴走行為』に該当する訳である。さらに、そういう状況で接触、落車でも起きて後続自動車に轢かれる事も在りうる訳だし、道横の電信柱に激突する場合だってある訳だ。そんな状況は、競技環境では有り得ない環境であり、競技環境で想定外の自体は、競技用装具は考えられていないのであり、そうなると、下手すると死んでしまいかねないのである。
今回、競技における死亡事故、去年も落車事故がニュースになったけど、その事故の原因は道横の電信柱であったりする訳だが、これを思うに、これは競技というには烏滸がましすぎる運営実態があるのでは?と思ったりする訳である。少なくとも、本場の競技において激しいスプリントが行われるであろう環境では、コース脇にはコースバリアが設置されており、深い角度で自転車が固定物に激突するリスクは予防されているが、今回のように電信柱に激突したとすれば、それはコース設定が競技環境用件を満たしていないのが不幸の一因にあるのでは?と思ったりするのである。まぁ、事故当事者ではないので、何が原因か?単なる不運か?は判らないが、少なくとも、コース近辺の固定物が選手と衝突するリスクで残っていたのは残念に思うのである。
以前、高校生ピストの公道練習で死亡事故ってニュースがあったけど、公道において競技を模した行動をとるから生じる不幸なのである。
競技環境には、コース内駐車車両は居ないし、本来のコースにはリスク防止のバリアが設置されているモノ。本来コースは占有されており、人の飛び出し、或いは、何かの落下っていうのも基本的には有り得ない。更に言えば、競技というと、参加者は一定レベルのスキルの持ち主であり、レベル差が原因による交錯も有り得ない。そういう担保の中で安全と効率を両立しているのが装具類である。
しかし、公道では、自動車、単車、駐車車両、歩行者、散歩の犬も居れば、一見似たような自転車乗りでも、そのレベルは様々であり、公道一つにしても、オイル、ガラス、釘・・・・いろんなモノが転がっている。そんな中で、競技モードで乗るという行為自体がナンセンスなのである。
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コメント
コメント有り難う御座います。
公道でレースを模した練習の危険性という点では、理解頂けていると思います。
因みに、市販ロードバイク(国産)では取り扱い説明書には建前でしょうけど、想定最高速度は25km/hって謳っているのが多いのは案外知られていません。少なくとも、ロードバイクは、その形態において競技用と捉える方が自然でしょう。
さて、該当レースの安全性って部分ですが、日本では大昔のFISCOでの日本GPでの観客死亡事故での対応といった過去から見て判るように、レースに対する立ち位置によって安全か否かの判断が分かれるところです。
今回の場合は、前年にも全国ニュースで取り上げられる落車シーンがあった訳で、そういうニュースが二年続きで放送された時に一般の人の受ける印象を主催者がどう捉えていたか?という事を残念に思うという意味が大きいという考えです。
該当レースを続けて来られた方の主観で見れば安全には最大限の留意を払われていたと思いますが、結果論として二年続けて事故が起こり、今回は死亡者が出たというところで、少々残念に思う訳です。当事者でも予測できないから事故が起こる訳ですが、これを教訓にコース近辺に移動不可能な障害物が有る場合は、なんらかの対策が必要となるかもしれません。
これを教訓にした今後の公道レースでの主催者の対応が為されなければ、今後の公道使用の認可可否に影響するかもしれません。
言える事は、公道が公共空間としてある以上、そこでレースを模した行為を行うのは過ちであり、レースが公道で開催される場合は、公道であっても安全の担保が取られているという前提でレースでの公道占有使用に許可が得られているのが事実です。主催者が安全に留意したと主張しても二年続きの事故が起こり、今年は死亡者が出たという客観的事実において、公道でレースを許可するという前提で安全の担保がとられていたか?が議論の的だと言えます。
投稿: 壱源 | 2008年8月 5日 (火) 21時50分
自転車というとママチャリでロードレーサーは競技用というのはちょっと違うと思います。また、装備についても競技用というイメージがありますが、自転車協会で一般しようにおいて安全が確認されたものがほとんどです。原チャリの装備と比較して貧相なのは否めませんが、学童用の自転車ヘルメットと同じ安全マークがついています。
さて、本題についてレースと一般利用を混同して考えられていますが、本レースを観戦したことがあるものとして一言。本レースはF1でいえばモナコのように一般道をレースコースとして使用していますが、交通規制、レース前の道路状況の確認等は行われております。
公道でレースを模した練習が行われており、それについて安全性を云々おっしゃる部分と、該当レースの安全性は別問題で考えていただきたいです。
投稿: MAX | 2008年8月 5日 (火) 21時10分