先行待機対応新型摺動システム試験、その3
昨日、完全無潤滑で200分間の摺動試験行ったけど、再度同じ試験を実施。
っていうのも、昨日は雷による瞬停で不運にも200分で途切れたからである。で、今日は軸受部温度が静定する迄の再試験である。目標静定温度は60[℃]、到達時間は昨日と同じ条件で5時間以上ということ。完全ドライで雰囲気温度が夏場の30[℃]から上限として60[℃]だから上昇代は30[℃]である。
それにしても、未だ7月だというのに日中に熱雷っぽく雷と豪雨がセットでやってくるのは試験をする上では心配なもの。停電で試験が途切れるのが一番痛い。
それはさておき、7/31の午前からぶっ通しで回した結果、完全静定とはならなかったけど、軸受温度60℃に到達するのに10時間。この間、軸受内での軸回転変位は、運転初期から試験終了迄完全に一定値となっている。これは、今回の系において発生熱量の軸、軸受への伝導の結果、温度上昇を生じ、結果、軸受内径、軸外径の膨張が生じているが、内径増加分と外径増加分が完全に等しくなるような設計を施した結果が証明されたということで、温度上昇が生じても、相対的な隙間は一定に保たれるということが改めて判ったのである。
結果、この系においては、旧来の系における軸受内径収縮と軸外径膨張によって本質的に行き着く軸受隙間がゼロとなる抱き付きは絶対的に生じないという事が証明された訳である。
今回の新摺動システムの特徴を挙げると、
1.この試験のように軸受け隙間は雰囲気温度上昇によっても喪失しない。
2.流体潤滑時における水膜形成性が非常に優れる。
3.摺動材同士の直接接触時において受ける加速度は常に一定。
ってところ。付随的には、
4.無潤滑、高粘液潤滑時において別個の放熱原理を持つ。
5.材料物性以外にも構造要素、流体挙動要素を併用して所要性能を確保する。
等々
いよいよ、ユーザーに対してレセプションを行う予定。
下手すると、旧モデルである特殊セラミックス摺動材の分割配置型の製品と競合するかもしれないが、それはそれで仕方ないかもしれない。
少なくとも、性能的に旧システムから劣るポイントは一切存在しないのが強み。
さて、次の試験は来週以降だ。
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