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2008年8月29日 (金)

本当に環境システムを考えると、、

 昨日のニュースで驚いたのは無許可で猛毒コブラの仲間の蛇を51匹も飼育していた男が逮捕されたというニュース。無許可飼育の発覚が、飼い蛇に噛まれて119番通報で発覚というのが三面記事的なニュースなんだが、それ以前に驚いたのは、許可を申請すれば外国産の蛇が国内に持ち込めるという事実である。

 本来、生物っていうのは、その地(環境)で生態系を構成する要素として存在し、システムとしてバランスを保つという役割を担っているモノと理解しているが、このような別の環境システムの構成要素である生物を、別の地に移動させる事が許されるという事実に強い違和感を感じるのである。許可の判断を別の生物である人間が勝手に行う権利があるかどうか?という点が凄く不思議な感じがするのである。

 結局、このような生物の移動を人間の都合(養殖、観賞用)で移動すると言う事が、結局は、生態系を破壊することになっているのである。外来種、帰化植物、、、、そんな言葉は、人間の私利私欲によって生まれた語句であり、こういう行動は経済性優先の原則で種の移動を行ったために生じた結果であり、これも重大な環境破壊では無いだろうか?

 このような種の移動が経済性優先の原則で容認されている一方で、最近話題のバラスト水規制っていうのにも強い違和感を感じるのである。
 バラスト水規制の大義名分としては、異なる生態系に属する微生物の移動を禁止することで海域の生態系を守るということらしいが、本当は、貝毒等の原因プランクトンが進入するのを防ぎ、漁業被害を食い止めるっていうのが目的とも言われている。

 しかし、現実問題、数十年に渡る船舶の往来によって非常に大量のバラスト水が移動してしまった現在において、今更規制することで海域の環境が回復するか?っていうと非常に怪しい、、、っていうか、不可能である。事実、小型船舶対象の規制発効が当初2009年だったのが延期されているし、技術的に困難な上に、その労力によって環境を回復するのは実質不可能と思われる案件が継続した開発対象となりうるか?が非常に怪しいのである。
 大体、全ての変化は不可逆であり、乱雑な状態となった生態系が元に戻るというのは有り得ない話。

 更には、最近話題の地球温暖化抑制の取り組みの一方で、カーボンオフセットの考え方や、排出枠取引という考え方が生まれているが、こういうのも数字上のマジックに過ぎないのでは無いだろうか?仮に、排出炭酸ガスを抑制するのであれば、実質的に排出源である燃料消費を抑制するしかない訳であり、植林したからOKとか、他国の排出枠を購入したからOKっていうのは、単なる規制値に対する到達度を満たすための努力にしか写らないのである。実質的に燃料を消費する形態が続く限りはネット値として排出炭酸ガス量は抑制不可能である。

 他にも環境ネタの話はあるけど、殆どの話が、環境というキーワードで利益追求活動というか、新しい市場の創出による経済活動を目的としているように感じるのである。

 本当に環境を言うならば、観賞用、養殖用に限らず地の種の移動を完全に禁止するとか、バラスト水云々を言うならば指定港湾設備外で就航させないというのが現在以上の悪化を防ぐ唯一の方法だろう。排出炭酸ガス抑制ならば、目標値に対して人口比率に応じた使用燃料量を絶対的に規制する以外有り得ないと思うのである。
 しかし、このような手法が受け入れられないのは経済性優先の原則と、新たな市場創出による経済活性化の目的が根底に流れているからなのだろう。

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