先行待機対応新型摺動システム試験、その4
盆前の今週は、表題の新型軸受の試験を行った。
今週の試験は、先週迄の完全無潤滑とは異なる水潤滑試験で、摺動環境を完全に一定に保った状態で摩耗の進行度合(試験中の軸軌跡の変化量)を確認しながらシステムとして軸受及び軸の摩耗量から系としての比摩耗量を計測するというモノである。
この試験は結構地味な試験であり、温度が変化すると、それに応じて系の構成要素が膨張、収縮するために正確な値が出ないので、系の温度環境を完全に一定に保った状態で摺動させて軸軌跡の変位を連続的に測定し、それから比摩耗量を求めるものである。
この比摩耗量の計測は、一般的には生まれの状態での軸、軸受の寸法を計測した上で、試験後の変化から概算する方法が取られるが、寸法の計測からは、その実態が見えにくい場合が多い。特に、面摺動における摩耗は現実問題として、負荷を受ける局所の摺動となっているのだが、事後計測では、その部位がどうなっているか?が全く見えないし、摩耗が均一に進行しているという仮定でザックリ求める事が多いようだが、そういう方法ではとんでもない値が出る事が多いのである。
一番判りやすいのは、運転過程において軸軌跡がどの様に変化するか?変化量の連続的な変化を監視することで系としての比摩耗量を与える方が望ましい。
そんな理屈はさておいて、実際に通常負荷で連続監視すると、理屈通りに水膜形成がなされ、摩耗は全く進行しない事が確認できたところ。数値的には-15乗台の数値であり、殆ど誤差といって良いレベル。
まぁ、水潤滑では理屈の上では固体接触しない訳だから、水膜が切れなければ摩耗は進行しないのが道理。今回の軸受摺動面は、摺動面における水膜の維持特性が従来品とは較べ物にならない程に優れているので、当然といえば当然。
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