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2008年8月29日 (金)

低血圧、再考

 血圧関連の測定値というと、収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)、脈圧(最高血圧-最低血圧)、平均血圧(最低血圧+脈圧/3)、心拍数・・・・と結構色んな見方がある。

 殆どの情報では血圧の高い状態を危険と捉え、血圧の低い状態は基本的には問題視のレベルは低いようである。

 血圧の高い状態では動脈硬化リスク云々が言われているけど、血圧の定義である、収縮期血圧、拡張期血圧というのを考えると、強ち血圧が低ければ大丈夫とは言い切れないとも考えられるのである。

 収縮期血圧とは、心臓が収縮し吐出圧が大動脈に掛かった時の圧力であり、これが高いと動脈硬化という表現になる。拡張期血圧は心臓が拡張状態で弾性によって広がった大動脈が弾性によって末梢血管に血液を送る際の末梢血管抵抗(=大動脈弾性圧力)が拡張期血圧であり、拡張期血圧が低いというのは血管の弾性が失われているとも考えられるのである。つまり、大動脈弾性が失われた動脈硬化状態で拡張期血圧は低下傾向となる筈である。

 高血圧、或いは低血圧という症例は、何れの場合も拡張期血圧、収縮期血圧の双方が高くなったり、低くなったりする場合が多いが、拡張期血圧が高くなり、収縮期血圧が低くなるような場合もある。これは加齢によって動脈硬化が進行すると、心臓が収縮して大動脈の進展性によって多くの血液が蓄えられ、残部が吐出され、心臓の弁が閉じた後に蓄えられた血液が吐出されるために拡張期血圧が保たれるが、動脈の進展性が失われると最初に蓄えられる血液が減少すると、最初に蓄えられない大量の血液が駆出され、弁が閉じた後には僅かに蓄えた少量の血液が駆出されるという状況となる。

 その一方で脈圧が小さい場合であっても、心臓が血液を駆出する力が衰えている場合もあり、心臓の収縮機能の低下によって心不全のリスクもあり得るということらしい。実際には50歳以上の場合では、死亡率が高いという例もあるようだ。

 血圧数値の判定は、健康状況、年齢といった因子を総合的に判断しなければならない。これらを独立したファクターとして捉える事は無意味である。何よりも、一意的に高い方が良いとか、低い方が良いというものでなく、適性な範囲の値を保つっていうのが一番重要なようである。

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