メタボリック判定には腹囲率!
メタボリックシンドロームの診断基準が国際的に統一されそうなんだそうだ。そして、それによると、世界基準では胴回り寸法が除外される方向にあるとのこと。ネタは↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080820-00000017-mai-soci
であるが、色んなニュースでは日本の腹囲測定の特異性云々ということで、腹囲測定に否定的な論調が多い様子である。勿論、この引用元のニュース記事で
『日本基準の腹囲については、これまでも科学的根拠に疑問が出されている。基準策定で中心になった日本肥満学会理事長で松澤佑次・住友病院長は「日本の基準は、内臓脂肪がメタボの原因にあるとの考え方から、腹囲によって対象者をNCEPよりも絞り込んでいる。効率的な対策を実施するという意味では日本基準は正しく、変える必要はない」と話している。』
とのコメントであり、世界の診断基準とは一線を画すという立場であるようだ。
さて、メタボリックシンドロームの根元が内臓脂肪にあるというのは基本的に間違い無い事実であり、その蓄積が腹囲に現れるっていうのも因果関係的に成立しているために日本の基準で問題無いと思うけど、世界の診断基準というスケールから見ると腹囲の測定値での判定を除外したというのも正しい選択だと思う。
その理由は、民族的、ライフスタイル的、文化的、、、、様々な風習の違いで、世界の各国における標準体型というのは千差万別であり、違う体型全てに絶対的な腹囲を与えるという事自体が間違いであるが、国別という限定された地域で判定するならば、民族的、風習的に違いはかなり圧縮されるために、その腹囲測定値を絶対的な指標として用いても間違いないのでは?というのが私の感想だ。
しかし、同じ日本人とはいっても、世代的に大きな体型的な違いもあるし、同じ世代であっても体型の差は著しく大きなものであるのも事実であり、腹囲という一カ所の測定値だけで判定するのは乱暴な気がしないでもない。
勿論、そういう違いを吸収した尺度としてのBMI指数っていうのも存在するけど、それは内臓脂肪とは関連性が薄いために、BMI指標と併行して使える内臓脂肪指標が必要だろうと思う。
この話は以前もしたけれど、内臓脂肪の判定をより簡単に判りやすくするような指数が必要では?って話だけど、今考えると、肉付きっていうのは、個人差によって大きく異なるけど、民族的な傾向を見ると、骨格形態は概ね相似形が保たれている訳であり、そうすれば、骨格全長=身長に対する腹囲の割合が内臓脂肪率と相関性を持っているのでは?と思うところである。身長も腹囲も簡単に測れる値であり、それで定義することでメタボか否かを判定するのが最も良いように思うところである。
自分的には、
『(腹囲)÷(身長)≧判定基準値』
でメタボリックシンドロームで良いのでは?と思うのである。
日本人の男性の平均身長が170cm程度、そして、内臓脂肪の全く無いような人の胴回りを調べると限界としては60cm程度。一般に内臓脂肪が問題視される場合、内臓脂肪はCT画像で100cm2あれば危険ということ。内臓脂肪という読んで字の如くで、左右対称に脂肪の塊が分配された形で存在しているが、これを簡略化して考えて身体の中心に50cm2ずつの円形で左右に存在するとすれば半径4cmの円形形状が二つで100cm2となる。半径4cm(直径8cm)の円が二つ並んだとすると腹囲に影響する増加周長としては並んだ円の外側の半円×2の周長が腹囲増加分に相当する訳だ。つまり、(8×π×0.5)×2=25cmとなり、基準周長60cm+25cm=85cmの腹囲が内臓脂肪を100cm2含んだ状態となる。
よって、85÷170=0.5という形を用いれば、
『(腹囲)÷(身長)≧0.5』
でメタボリックシンドロームと判定すれば良いように思う訳である。こうすれば、身長の高い人、低い人によらず、骨格的に相似と言える日本人全てにおいて腹囲における脂肪量が類推出来るのでは無いだろうか?
BMI指標と合わせてチャートを作れば、BMIが低くてもで腹囲率が高ければメタボ、BMIが高くても腹囲率が小さいと筋肉質とか、、、そういう区分の方が随分と自然な気がする訳である。
今こそ、この『腹囲率』と『BMI』で判定すべき時期に来ているのではないだろうか?
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