血圧と気温(季節)
血圧を毎日定刻で測定している。
血圧っていうのは、時間、運動前後、食事前後でも大きく変動するとされているが、定刻測定となると、そう言った変動要素は極力無くなるもの。しかし、実際に測定を続けていくと、或る傾向が現れる。
それは、血圧の気温との連動性である。これも常識といえば常識で、気温が低いと血管が収縮し、気温が高いと血管が拡張する。血管が収縮すると血圧は高めに振れるし、血管が拡張すると血圧が低めに振れるというもの。
これについては、気温と血圧の相関性に着目した記事にも記述していあるようだ。抜粋すると、、、
『・・起床時に測定した1998年1月から2000年12月までのデータ。対象者は、在宅健康管理システムを利用している高齢者のうち、高血圧症との診断やその治療を受けていない15人(男性7人、女性8人、平均年齢80歳)。同システムはケーブルテレビ網を利用したシステムで、香川県東部で導入されており、家庭に設置された端末を使ってデータを収集できる。
15人の全データの平均値を月ごとに求め、気温との関係を調べたところ、強い相関関係があった。気温を摂氏x(度)、収縮期血圧y1(mmHg)と拡張期血圧y2(mmHg)とすると、気温と血圧の回帰式はy1=-0.48x+130.3、y2=-0.29x+80.8だった。相関係数rはそれぞれ0.972、0.984と高かった。また、月ごとの収縮期血圧のばらつき(標準偏差)をみると、夏よりも冬の方がやや大きかったという。
・・』
との事。引用元サイトは
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/170535.html
だ。
但し、これは高齢者の場合の話。この傾向というか回帰分析結果は年齢によっても異なるものだろう。更に、気温の変動による血管の拡張と収縮による血圧の変動が現れる前に、一般には心拍数が変化して血圧値を一定に保とうとする自律神経が機能する筈。
で、自分の定時測定結果を見ると、、、、、季節による血圧数値の変化は見られるが、それ以上に変化しているのが心拍数である。この関連の数値で変化の度合が大きい順に並べると、、、
1.心拍数・・・・・・・概ね10bpm程変化している。冬場は40台前半、夏場は50台前半
1.拡張期血圧・・・変化量は15mmHg。冬場が75mmHg前後、夏場が60mmHg前後
3.収縮期血圧・・・変化量は5mmHg。冬場が120mmHg前後、夏場が115mmHg前後
となっており、心拍数と拡張期血圧で20%前後の変動、収縮期血圧では5%程度の変動となっているようで、特に、気温との連動が顕著なのは拡張期血圧のようである。
収縮期血圧は動脈系、拡張期血圧では動脈系+末梢血管系(細動脈)に影響するが、特に末梢血管系は気温による筋肉の弛緩の影響を受けやすいので、気温上昇による末梢血管の拡張の度合が大きい事を示しているのかも知れない。
動脈と細動脈の違いは専門家では無いので判らないが、収縮期血圧数値に顕著な動脈っていうのは、筋肉の影響を受けづらく、心臓心拍の圧力によって膨張収縮を繰り返す。血管の弾力というのは心臓の吐出圧力という直接的な圧力に対応した数値であろう。
それに対して、細動脈っていうのは、動脈の弾力的膨張からの反力によって細部に血液を受け入れる拡張に見合った弾性というものであり、血管の弾性は非常に小さな値となっていることが想像される。弾性係数の絶対値の小ささと、細動脈の体内での張り巡られ方(細部に深く、、、)が、気温による筋肉の弛緩の影響を受けやすい事に繋がっているのでは?と考えれば辻褄が合う。
このような仮定を以てすれば、気温による筋肉の弛緩の影響で夏場においては拡張期血圧の低下を来しやすいといのも納得できるのである。
本来は自律神経で全てを制御するっていうのが理想だが、自律神経の作用による血圧数値の保持っていうのは、収縮期血圧を保つように機能しているのかもしれない。仮に、細動脈内圧力を維持するように働いたとすれば、収縮期血圧の異常な上昇を招くのは、明らかであり、このような制御系の方が身体にとっては都合が良さそうではある。
一般に言われている低血圧症状が夏場に顕著っていうのは、このような理由も含まれているのかもしれない。更に、経験的な想像で言えば、筋力強化する程に細動脈に対する筋肉の影響が顕著となり、夏場の安静時における拡張期血圧の低下に対しては、筋肉量とも相関しているかもしれないと思うのである。
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