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2008年10月16日 (木)

実体経済って、何が実体?

 先週、株価反転するだろうって記事を書いて、火曜日の午前零時にアップしたけど、今週に入って、世界各国に限らず、日本でも株価急落から反転し、史上最高の上げ幅を記録した市場もある。
 しかし、これで金融危機が回避されたか?っていうと、必ずしもそうではないように思う。少なくとも市場を循環する資金を強制的に増大させる。更には、破綻しそうな金融機関に公的資金を注入する。ってのは、結局は必要以上の資金供給を意味する訳であり、この次がどうなるか?がとても興味深いものである。

 今回の世界各国での株価急落を以て実体経済から乖離しすぎた現状を危惧する声を聞くけど、何を正とするかで判断が変わるものだろう。今現在、サブプライムローン問題に端を発した危機という表現があるけど、その危機が表面化する前のイケイケの空気における株価が実体を反映しているのか?或いは、そういうローン商品が売れている状況における市場の動向が実体に即しているか?っていうと、狂乱状態こそが実体を伴わない状況であり、その状況こそがバブルと表現されるものでは無いか?と思うのである。

 案外、危機的な数値こそが実体を示したモノであり、夢の狂乱状態こそがバブルっていう認識を過去のバブル崩壊を経験したにも拘わらず忘れているようにさえ見えるのである。
 危機的な状況に陥る事に、公的資金注入という大鉈を振るい、景気下支えという大義の下に税金を使うって構造は、どうにも納得出来ない気もするところ。

 今回のドル供給を協調して行うという合意は、一時的には株価が支えられるだろうけど、長期的には間違いなく円高に進行していくだろうと思う。その状況で日本が耐えられるか?これが興味深いところだ。

 ところで、経済の実態を株価は表しているか?というと、株価っていうのは上場企業の株式価格相場であるけど、世の中の企業の大多数が上場していない会社だったりするし、消費を引っ張る消費者の多くも、やはり株価に対して、間接的な影響を及ぼしている。

 株価っていうのは、上場企業の業績に加え、企業収益を左右する上場企業以外の消費意欲に左右される訳であり、株価による経済評価は、適切とは限らないが、上場企業と、それ以外の要素の混合的な評価といっても良い。
 つまり、上場企業の業績が比較的好調でありながら、株価が下落するっていうのは、原則的に上場企業外、つまり中小企業、消費者の景気実態が相当に悪化している事に他ならない訳であり、今の株価が実体経済を表していないという大臣の発言は、株価=上場企業の業績という弱者に向ける視線が欠落した故の発言にも聞こえるのである。

 そして、弱者側の破綻に対しては間接的な救済に限られるのに、何故だか、上場企業、金融機関の破綻に対しては直接的な税金投入等が為されるのは、やはり一種のモラルハザードを感じざるを得ないのである。

 少なくとも、水曜日の株価推移からみても、アメリカの25兆円にも上る資金投入が明らかになっても反発力は限定的であり、経済実態は、経済学者や政府、官僚が思う以上に悪化しているようにも見えるのである。しかし、アメリカ経済の凋落は、アメリカの産業の衰退、今回の公的資金注入、過去最高の財政赤字からも明らかなように、その影響は、サブプライムショック以上の波となって日本に押し寄せてくるだろう。

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