遺伝子の影響による筋肉肥大
染色体の異常によって筋肉が肥大する症状があるそうだ。
これは、フジテレビの番組で放送された内容だが、牛とか犬で、異様にマッチョな個体が希に発生するという。これは染色体異常によるもので、『マイオスタチン関連筋肉肥大』という病名が付けられている。これが染色体異常によるものと判明したのは比較的最近の1997年で、その症例を持つ牛の分析で明らかになったものらしいが、なんと、この症状がヒトでも確認されたという。これが2006年の事で、異様にマッチョな赤ちゃんの染色体を調べると同じ状態だったそうだ。
ヒトは23組の染色体を持っているが、この二組目の染色体中の遺伝子配列の異常が、この症例を引き起こすという。
この異常が生じれば、マイオスタチンという物質の分泌が行われないそうだ。因みに、マイオスタチンっていうのは筋肉増加を抑制する物質で、その反対物質がHGFという物質で、そのバランスによって筋肉がトレーニングや成長に従って形成されるらしい。
筋肉は筋肉繊維中の筋肉細胞の分裂によって細胞数を増やすのだが、その細胞分裂の加速物質がHGF、抑制物質がマイオスタチンであり、この異常ではマイオスタチンが分泌されずHGFのみが分泌されるという。結果、常に筋トレを行っているのと同じ状況であり、結果、マッチョとなる訳だ。
筋肉は大量のエネルギーを消費するために、筋肉が増加すると脂肪が蓄えられなくなる。そして、常に筋肉が増えるので筋肉が必要とする脂肪等のエネルギー物質を常に摂取しなければいけないのだ。この赤ちゃんは、通常の赤ちゃんに較べると40%も筋肉が発達しており、一日の摂取カロリーは何と1800kcalにも及ぶそうだ。
この筋肉増殖中に、脂肪の摂取を辞めれば、体内の脂肪物質が筋肉に吸い取られる事態にも繋がるという。そして、体脂肪が無いために、体内の脂肪物質が失われる場合は、体細胞の細胞膜とか神経細胞が狙われるそうだ。これらの物質が脂肪で出来ている故の事だが、細胞膜とか神経細胞を守るためには脂肪を食べ続けなければならないのである。
そして、この話の流れでは、人間の遺伝子を解明するのに大きな成果を挙げられたワトソン博士の紹介があったけど、博士曰く、、、、人間の癌さえも遺伝子の変異によって生じる疾病とのこと、、、、これは、前記事に癌について書いた事の説明では足らない事にも通じる。話がチョット逸れるけど、遺伝子は心の病にも影響するとの話。極論すれば、人間の遭遇する様々な事は全て遺伝子に大きな影響を受けているという話である。
そして、現代において遺伝子の解明が進み、様々な疾病に対して、遺伝子面からの解決が急ピッチで進んでいるという。
ということで、遺伝子が成体機能の調整に影響するという知見から、案外、関連性を見出して発見されるホルモン物質等で効果的な筋肉増強法とか、究極のダイエット法とかが見つかるのかもしれない。
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