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2008年10月31日 (金)

加齢性筋萎縮症防止!?効率的筋トレ法は何?

 水曜日のNHKの『ためしてガッテン』での放送内容だが、効果的な筋トレ方法の紹介をテレビでやっていた。

 番組構成的には、歳を取る毎に筋肉は衰えて身体の自由が利かなくなる。筋肉の衰えを防ぐ事が重要だが、筋肉を肥大させる成長ホルモンの分泌は少々の負荷を筋肉に与える位では分泌されない。特に、成長期を過ぎてからは、筋肉細胞の増殖自体が行われないので、筋肉をつけるには筋肉を肥大させる事しか筋肉量を増やす事は叶わない。

 この筋肉細胞の数、筋肉細胞の大きさっていうのは、成長期迄は増加しやすく、肥大しやすい。そして40歳前後迄は保たれる。その後は徐々に衰えるというのが、人の定めであり、この定めを『加齢性筋萎縮症』という。で、この定めの理由が筋肉を肥大させる成長ホルモンの分泌量が低下するということ。

 番組では、成長ホルモンの分泌量を確保するには何が効果的?って話。

 ここで、一言思った事は、加齢によって成長ホルモン分泌が低下するならば、運動したたところで意味は無いけど、運動したら成長ホルモンが分泌されるっていうのは、成長ホルモンの分泌が加齢による変動の影響をうけるのではなく、加齢にともなう人間の生活習慣、運動習慣の変遷が成長ホルモンの分泌量を決めているのでは?という疑問だが、、、、

 それはともかく、成長ホルモンを分泌させるのに有効なのは、何はともあれ筋トレということ。筋トレで成長ホルモンを分泌させるのは、筋肉を無酸素状態とする事。一般に無酸素状態となると疲労を和らげる乳酸が発生するが、その乳酸の量によってホルモンの分泌が制御されるという。つまり、成長ホルモンを分泌させるには、筋肉を無酸素状態とするのが効果的ということ。

 で、一般的な筋肉の無酸素状態化を計るのが、大きな負荷による無酸素運動ということ。無酸素運動はRM値が小さい回数の大きな負荷を与える事が一般的な方法。

 しかし、番組では低負荷でも無酸素運動状態を作る紹介である。低負荷で無酸素運動状態とするには、筋力を加える時間を長くするということ。低負荷を長時間加える事で筋肉で筋肉内の血管を圧迫し、乳酸を発生させるという。
 これを『スロートレーニング』というらしい。

 ここで、更に一言。低負荷で無酸素状態を作る。その方法が低負荷長時間で筋肉自体で筋肉内の血管を圧迫するという方法だが、これは外部的に血流を制限する『加圧トレーニング』と同じ原理である。

 この方法によって、低負荷であっても活発に成長ホルモンを分泌させて筋肉肥大を助けるというのが、この番組の説明であった。

 なるほど!って思う反面、当たり前だろとしか思わない面もある。

 最後に一言。その理由は、軽負荷の通常速度のトレーニングとスロートレーニングでの筋肉収縮時間の比較を番組でやっていたからだ。通常速度では、筋肉に仕事をさせるのは脈動的な周期で行われておりエネルギーの絶対値は筋肉収縮量グラフの積分値になるはず。スロートレーニングでは長時間の負荷を続けるので積分値自体は大きくなっている。大きな負荷による通常速度のトレーニングでも積分値自体は大きい。
 つまり、エネルギー量に応じて筋肉が仕事をする訳で、消費エネルギー量に比例して筋肉は腫れる筈。ならば、スロートレーニングだろうが何だろうが、エネルギー量が同じなら同じように腫れるのでは?って疑問だ。スロートレーニングでスクワット10回を100秒かけてやるのと、スクワット10回を20秒で行うのでは前者の方が消費エネルギーが大きいのは当然。しかし、100回を150秒かけてやるのではどうか?っていうと、微妙である。

 結局はエネルギー=出力×時間=積分値であり、出力と時間のどっちを重視して多くの仕事をさせるか?の話であり、時間を無限時間のようにするのが、昔ながらの『アイソメトリックストレーニング』である。考えてみれば、あんまり目新しい事ではないのだ。

 実際、水曜日のサーキット筋トレでは、最初の1セット(ベンチプレス50回+スクワット100回+腹筋100回+腕立て50回+背筋50回)を通常の5倍の時間を掛けてやったけど、その5倍の時間を掛けてやる場合と、いつもの速度で5セットやる違いっていうのは心拍数的には違いが少ない印象である。結局はスローで1セット+通常で9セットで所要時間は何時も1.5倍の時間を要したが、結局は出力×時間に集約されるのではないか?と思ったところである。

 ただ、言えるのは、同じ成長ホルモンの分泌であっても、時間を掛けて負荷を稼ぐのと、負荷を増やして負荷を稼ぐのは獲得できる筋肉の質は違うように思うところ。
 この辺はこれから明らかにされていくのだろう。

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