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2008年10月10日 (金)

株価低迷、円高進行≒過去からの脱却は企業もメタボ対策を!

 今日も午前中から株価低迷、円高進行である。
 取引終了は幾らか?が読めないが、経済界はピリピリしているようだ。

 でも、株価低迷、円高進行っていうのは悪くないように思うのは俺だけだろうか?

 円高進行っていうと、殆どの資材、原材料、食品を輸入に頼っている日本にとってはモノが安く買えるのであり、純粋に調達コストが下がる訳だ。為替が98円/$だが、これが110円/$と比べれば10%の円高であり、調達コストは10%下がる筈。

 で、株価低迷っていうのは輸出関連企業の輸出品目の価格が10%上がることで外国製品に対して価格競争力を10%失う事。これって、10%の価格競争力を失うってことは、製品性能の優位性が他国製品に対して10%に満たないモノが売れなくなる事に過ぎず、他国製品に対して消費行動を決める部分で魅力が10%以上上回れば価格競争力は保たれるという事をも意味する。

 つまり、現状の製品は他国製品に対して性能、ブランドを含めて10%の性能的優位性は有さないモノばかりって裏返しであり、それが輸出製品の姿故に株価が下がっているに過ぎないとも言える筈である。

 円高であっても株価が上がるって状況が一番の理想であり、それには、価格差を跳ね返すだけの製品の優位性があれば問題解決となるはずだ。それが出来ず、旧来型製品による利権というか既得権益にしがみついて巨大化した企業が四苦八苦しているのではないだろうか?
 古来、ヨーロッパが繊維工業を担っていたが、それが日本を経て、現在は、東南アジア諸国で行われている。自動車産業も然りだ。今や産業革命発祥の英国でさえ自動車産業は他国資本の軍門に下がっているし、自動車先進国のアメリカでさえ自動車産業が国を支える産業とは成り得ていない。国の産業は世界の発展とともに、担うべき国家が変遷していくものであり、技術的先進国は、産業発展に従って常に相対的に他国の数歩先を行く産業で世界を引っ張るっていうのが本来の姿である。
 本来、世界が発展するのは、ばらまき援助を行ったりするのではない。産業を開発して、その利益を一通り享受したならば、次の国々に技術を移管することで、後の続く国々に富みを再配分させるという考え方が必要なのだ。何時までも、権益に固執し、産業移管を行わず後進国を利用するだけ利用するという考えが貧富の拡大を呼んでいる事に誰も気付いていないというか、見て見ぬ振りをするのは、利益追求主義の偽善とも呼べる部分だろう。

 そう考えれば、日本は既に自動車とかメモリーデバイス、半導体製品、液晶モニター或いは、一般機械製品を量をこなして利益を得るというスタイルでは立ちゆかない時期にきている筈である。

 大きな痛みを伴うかもしれないが、株価が下がると騒いでいる業種=過去製品業種であり、量をこなして輸出で利益を上げる企業が株価への影響力が大きいだけであり、そういう企業は言ってみれば恐竜のようなもの。更なる危機の進行で、淘汰が進み新たな形に変化する事こそが次の100年を成功に導く秘訣かもしれない。

 長生きの秘訣は人間の場合は肥満防止で重大疾病の回避だが、国も企業も同じだ。既得権益の確保で小回りの利かなくなったデブ化した企業は企業習慣病に冒されている。血圧上昇でヤバイのが人間のように、為替上昇株価低迷で資金繰りに苦しむのは、まるで、脳梗塞、心筋梗塞のようだ。古い製品で頑張るっていうのは、ドロドロ血で頑張る姿にオーバーラップするところ。
 人間がダイエットに励むように、企業もブラッシュアップに励むべきだ。薬剤サプリや食事制限に励むダイエット人が失敗するように、公的資金注入、リストラや資産売却のみで凌ぐ企業も最終的には消滅する。
 ダイエットの秘訣は、人間の場合は新陳代謝アップが全てだが、企業の場合は独創的な技術開発と人事の下克上等の活性化容認システムの構築に限るのである。

 それにしても、株価急落の度合は強烈である。予想は先週も記事にしたけど日経平均株価は7500円、為替は90円/$っていう予想だけど、そこへの到達は予想(2012~2013年)以上に速いかも知れない。

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コメント

こんばんは!コメント有り難う御座います。
日本政府の対応は見物ですね、、、、
 ところで、アメリカでは金融機関に対し公的資金の注入が論じられるようですが、元はと言えば、民間が市場に対しリスクを含有したメッキ商品をリリースして、それに利益に目が眩んだ者が集った訳であり、当然、損のリスクもある訳で、それが焦げ付いて破綻するといって、欲に目が眩んだ組織に公的資金注入っていうのは原則論的には間違いという思いが常にあります。
 それで世の中の安定を図る!?って大義を正義として政府は認めていますが、そのリスクとは本来無縁の庶民にとっては間接的に負担が強いられている事に対し、責任の所在は何処にあるかが判りにくいと思います。

投稿: 壱源 | 2008年10月10日 (金) 23時56分

こんばんは、いつも拝見させていただいてます。
私も今回の金融危機にはかなり注目しています。
上海万博後に来るであろう不景気は前倒しとなり、北京五輪終わりにリーマンが破綻し、米政府は救済策に二の足を踏んで市場を混乱させた。
さらにその後の金融安定化法案が可決されても市場は安定せず、疑心暗鬼に陥った市場は乱高下を繰り返す。
それが世界各地に飛び火し世界中で株式が急落する。
これによってアメリカの経済覇権は失墜し、ドルの権威は地に落ちるように思えます。
そこへ来て日本政府がどういった対応をするのかが、正直楽しみなところです。
長文失礼しました!

投稿: もち | 2008年10月10日 (金) 20時36分

マーケットが閉じて終値が、881円安の8276円、因みに為替が98円86銭。確かに株価は下がったけど、思ったより下がらなかったとも見える。為替も然り。

さて、この混乱?というか、世間でいう金融危機に対して、政府の対策がどうか?が見物だ。

まさか、バラマキ減税とか、公共事業、赤字国債発行とかしないだろうな!?そういうのが、金融の世界を狂わしていると思うのだが、、、、

投稿: 壱源 | 2008年10月10日 (金) 15時40分

午前の株価終値は8000円をキープ!7000円台に行くか?と思っていただけにビックリ。為替も99円/$をキープ!これもビックリ。もっと円高?って気配だけに、、、、、
午後も動向が楽しみ♪

投稿: 壱源 | 2008年10月10日 (金) 12時00分

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