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2008年11月29日 (土)

今だから癌を考える。

 癌やポリープの徴候が無い状態故に、これらの疾病について冷静に考える事が出来、知識として冷静に吸収できる。だから、今、一番恐れている癌について冷静に考えてみようと思う。

 過去にもガンについて、当ブログで取り上げたことが多々ある。

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2007/12/post_b8b6.html

http://replica2st.cocolog-nifty.com/diet/2007/02/post_45d4.html

 さて、癌っていうと、一番ポピュラーな印象は胃ガンである。ところが、胃ガンは減少傾向にあり、大腸ガン、肺ガンが増加傾向にあるのである。男女で見ると、女性に限れば、胃ガンよりも大腸ガンの方が多かったりするのである。胃ガン、大腸ガンの共通点は何か?っていうと、それは、何れも消化器系統に発症するガンである。ガンっていうのは、本来的には正常な細胞が何らかの要因による必然によって変異したモノ。つまり、本来は身体の一部の細胞なのである。この起源は正常な細胞と同じものなのだが、特徴としては、細胞としての不死、浸潤による周辺細胞の癌化、制限の無い細胞分裂という特徴を持っている。その結果、同じ起源の細胞がつくる個体生命を脅かすというもの。その親元の生命を脅かすという意味で、別個の生物として捉えるという観点から、ガン細胞を悪性新生物と呼ぶ場合も有ったりする。

 ところで、自分自身が注目しているのが消化器系ガンだが、その注目している理由っていうのが、消化器系ガンは生活習慣に密接に関係ありそうなため。前述のように、日本人のガンは近年、胃ガンが減少傾向、大腸ガンが増加傾向。更に興味深いのが、欧米人は胃ガンは稀で殆どが大腸ガンという事実。人種による違いのみであれば、体質的な要因が支配的?とも言えるけど、日本人のガン種別が変化している事を見ると、生活習慣、特に、食習慣による関連が深いのでは?と捉える方が自然である。
 さらに、様々なガンの中でも消化器系ガンを恐れるもう一つの理由がある。これは、持論かもしれないが、細胞のガン化っていうのは、遺伝的要因+環境要因と考えて言える。環境要因っていうのは、細胞が分裂時に影響を受ける物質がどれ程存在するか?って事にも繋がる。そういう要因物質が細胞に触れると考えた時に、細胞からみて大量の異物と接触する可能性を想像すると、例えば、肺ガンの場合は、呼気中のニコチンとかタールが影響するとしても、その絶対量は気体中の分散濃度に従った量であり、絶対量としては微量。一方で、消化器系で細胞が会合する異物っていうと液体、固体に近い状態。胃の場合は、低濃度スラリーで液体に近い状態。大腸、直腸の場合は、高濃度スラリーで固体に近い状態。液中の異物の飽和濃度は気中のそれに比較すると圧倒的に大量であり、固体中となると、相当に濃縮された状態で長時間細胞と近接した状態となる。実際、便秘症の方が大腸ガン発症率は高いし、データでも女性の方が大腸ガンの影響を受けやすくなっているのも何らかの関連があると言えよう。
 そんな理由で、変な食生活で、変な物質が粘膜と接する状態(濃度、時間)を考えると肺ガンも怖いけど、胃ガン、大腸ガンも相当に怖いって思う訳である。肺癌の場合は、喫煙習慣次第だろうけど、消化器系ガンは因果関係が見えにくいという恐さがあるのだ。

 まぁ、胃ガンが減っても大腸ガンが増えれば恐ろしいし、大腸ガンが無くても胃ガンが多ければやはり恐ろしいもの。個人的には怖い順は、大腸ガン>胃ガン>肺ガン等その他のガンって感じ。

 取り敢えず、細胞の変異による癌化っていうのは、細胞の新生時における不安定な時期に受ける細胞から見た外的刺激による新生の失敗みたいなもの。その何らかの刺激による必然から癌細胞が誕生し、その必然的要因ってのが、遺伝子、生活習慣なんだろう。その生活習慣の影響が大っていうのが、日本人のライフスタイルの変遷と連動した発生ガンの順位の変化にも現れていると理解するのが合理的。

 日本、中国、韓国では、これまで胃ガンが多く、オーストラリアを筆頭に欧米では大腸ガンが多い。胃ガンが多い地域と大腸ガンが多い地域で生活習慣を比較すると、胃ガン地域(?)では、塩分過剰、動物性タンパク不足、ビタミン不足、、、、大腸ガン地域では、野菜不足って所。
 そして、これらの癌の共通点は、臓器内壁の粘膜組織が発生の起点であり、その後、組織深部に進行して進行癌化する訳であり、正に、摂取食料による環境が癌化に大きな影響を及ぼしているっていうのが理解できる。他にも、共通点としては、胃ガンの前癌状態が胃ポリープ、大腸ガンの前癌状態が大腸ポリープである。癌とポリープ(良性腫瘍)の区別は、一見しただけでは違いが判らず、組織を検査して判定を下すもの。前癌状態っていうのは、放置すると癌化するという事を意味している。

 これらの粘膜から発生する消化器系ガンは、前癌状態のポリープの状態を経て癌化するとされているが、その正常細胞から良性とは言っても異常状態のポリープが生まれるのは、必然性が存在する。(因みに、ここで言う良性っていうのは、勘違いされやすいが、決して『良性=安心』ではない。良性という言葉からうけるイメージと、実際とでは、少しニュアンスが異なり、がんを犯罪者にたとえるなら、良性腺腫は犯罪予備群で、何もしないかもしれませんが、放置しておくと、がんになって悪い事をすることもあるという存在。 大腸がんの多くが、腺腫から発生し、この腺腫性大腸ポリープが大きくなればなるほど、がんが混じる頻度が高くなる。腺腫は遺伝子のレベルでの変化が既に起こり、元の正常粘膜に戻ることができないので、悪性化をする前に取るべきとされている。)
 その必然性が、遺伝的要因、食生活等の生活習慣要因によってもたらされている。つまり、正常細胞から異常な細胞に変化させないためには、その必然性を排除するしか無い訳だ。遺伝的要因に対策は不可能だが、生活習慣要因については対策は十分可能である。この二つを徹底的に改善する事が細胞のガン化リスクの抑制に繋がるのだが、これが難しいようである。

 それは、ガンの再発が半ば当然のように見られるのが理由。初期大腸ガン、大腸ポリープの多くが一度切除しても数年後には必ず再発するという。これは北里大学の教授グループが報告した記事だが、10年間の追跡調査を行った結果、非常に多くの割合で、ガンやポリープが再発していたという。
 この現実は、問題となるガンやポリープが完全に除去されたとしても、ガン化の必然性である、遺伝的要因は仕方ないにしても、生活習慣的要因を改める事が非常に困難であるって事を表しているのである。

 話が脱線するけど、ガンっていうのは、その『不死性』、『浸潤性』、『異常増殖性』から非常に代謝が活発な状態でもあり、そのためにはエネルギー源であるブドウ糖を大量に要求する。そんな性質を利用してガンを検出する検査がPET-CT検査だ。そんなガン細胞にとってはエネルギーであるブドウ糖が沢山得られる程具合が良い訳であり、糖尿病のように血糖値が高い状態では、案外、ガンの進行が速いのかもしれない。

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